http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/321.html
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転載する記事は、「軽減税率」制度の問題をきちんと指摘したものではなく説明もいい加減なものだが、「軽減税率」制度の“被害者”になるにもかかわらず、その導入を歓迎する浅慮で間抜けなリベラルチックなひともけっこういるようだから困ったものだ。
売上に係わる消費税を控除する仕入れに係わる消費税の算定に関する適正性については、現在の消費税制度でも同じ問題を内包しているのだから、「納税事務を適正にするため欧州型消費税インボイス(区分経理)の導入が不可欠」というのはデタラメ。
「高所得者ほど受益額が大きく、消費者、事業者、税務当局に多大のコストがかかる軽減税率に国民の理解が得られるとは思えない」という指摘も、「軽減税率」が世論形成に重要な役割を果たしているマスメディアや政党(出版事業)を受益者とする制度であることや、弱者保護を重視するような人たちさえ錯誤にはまり軽減税率制度の導入を歓迎している現状を考えるとむなしい判断と言わざるを得ない。
なお、減税など様々な公平な政策も、高所得者ほど受益額が大きいものだから、それを理由に「軽減税率」制度が“不公平”だとケチを付けるのは誤りである。
高所得者よりは受益額が少ないとしても、低所得者にも受益があるのなら、導入しても問題はない。
しかし、「軽減税率」制度の導入は、“風が吹けば桶屋が儲かる”式の波及効果はあるかもしれないとしても、農家や新聞社・宗教法人・政党といった受益者以外の一般消費者を、受益者のために負担増加を強いられる被害者にするものである。
※関連投稿
「軽減税率 財務省が対象品目の3ケース示す:新聞や書籍は?農家にはメリットだが消費者には無関係の「軽減税率」制度」
http://www.asyura2.com/15/senkyo185/msg/410.html
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[大機小機]混乱もたらす生鮮品の軽減税率
「消費税率10%時に導入する」という軽減税率の具体案が5月22日の与党税制協議会に提出された。「酒類を除く飲食料品」「生鮮食料品」「精米」の3案で、軽減税率を8%にした場合の減収額(財源)はそれぞれ1.3兆円、3400億円、400億円になる。
財源確保の現実性を考えると、消費税率をさらに0.5%上げる必要のある第1案はあり得ない。第3案の精米は、低所得者層の年間受益額(消費税負担軽減額)が290円(税制協議会資料)とわずかなので、これも候補から落ちる。
現実的なのは第2案の生鮮食料品で、今後はこれを軸に議論が進むだろう。生鮮食料品を軽減対象とする場合、納税事務を適正にするため欧州型消費税インボイス(区分経理)の導入が不可欠で、税制協議会では具体案も議論されている。
軽減税率の問題点(必要財源の確保、負担軽減効果、国民経済コスト)についてはたびたび議論されているので、ここでは生鮮食料品(以下、生鮮)を軽減対象とすることの問題点を考えてみたい。
生鮮の定義は食品表示法によるとされる。法的安定性の観点から、税法独自の定義ではなく、既存の法律の定義を借りることになる。食品表示法ではマグロの刺し身は生鮮なので軽減対象だが、アジと一緒に刺し身の盛り合わせにすると生鮮ではなくなる。野菜も単品はいいがミックス野菜は外れる、松阪牛はいいがバーベキュー用肉盛り合わせはダメ。パンやうどん・そばは当然含まれない。
世帯の年間受益額を見ると、第1分位の世帯(所得の低い方から2割)は生鮮の軽減税率で年2325円の受益がある。一方、第5分位(上位2割)は4938円で、高所得者ほど大きな利益を受ける。またセット商品の場合、軽減対象とそうでない商品のそれぞれの時価で案分して課税計算をすることになり、価格表示が難しくなる。
高所得者ほど受益額が大きく、消費者、事業者、税務当局に多大のコストがかかる軽減税率に国民の理解が得られるとは思えない。欧州の軽減税率は、付加価値税導入前の長い歴史の中で存在してきたものを引き継いで導入されており、日本と事情が異なる。軽減税率導入は、消費税率が10%を超える先まで可能な限り延ばすべきだ。
(ミスト)
[日経新聞6月4日朝刊P.19]
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