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塩崎厚労相と水島理事長が身銭を切るべき(C)日刊ゲンダイ
許されるのか 年金情報流出の“後始末”に国民負担「年50億円」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160532
2015年6月7日 日刊ゲンダイ
こんなフザケた話があっていいのか。日本年金機構から約125万件の個人情報が流出した「漏れた年金」問題。その“後始末”で莫大な費用が発生している。その額はなんと“年間50億円”。情報が流出した上、その対策費用まで国民が負担する――。こんな事態を許すわけにはいかない。
■電話オペレーター増員、お詫び文書送付
全国各地で不審な電話が相次ぐ中、日本年金機構には問い合わせが殺到。機構では3日から、電話回線を約10倍に増やした。通常、オペレーターは100人規模だが、現在は約1000人が休日返上で対応にあたっているという。
求人情報に出ている機構のオペレーターの時給は1050円。現在は午前8時30分から午後9時まで対応中で、1日の労働時間は12時間半。単純計算すると1日当たり、1000人×1050円×12・5時間=1312万5000円のコストが発生していることになる。
「1000人態勢は当分の間、続ける」(機構の経営企画部広報室)というから大変だ。1カ月間だけでも、約4億円ものカネが電話対応に費やされてしまう。
流出した対象者への「お詫び文書」代もバカにならない。すでに、約1万5000人に文書が送付されているが、その郵送料は約120万円だと、塩崎恭久厚労相が国会で答弁している。仮に125万人に送付すれば、その額は1億円を超える。ちなみに、この文書は年金機構のホームページで見ることができるから、心底アホらしくなってくる。
このまま混乱が続けば、電話対応で年間48億円、お詫び文書を含めると、年間50億円の費用が発生することになる。そのほかにも、流出した「基礎年金番号」の変更や、コンピューターのシステム変更なども考慮に入れると、かかる費用は未知数に膨みかねない。
こうした費用は誰が負担するのか。塩崎大臣は「財源については検証を始めようとしているところ」とはぐらかしたが、年金保険料か機構の運営費、つまり税金でまかなうことになるに決まっている。いずれにしても国民の負担となるのである。
5日の厚生労働委員会で「塩崎厚労相が(費用を)出すべきだ」と叫んだ民主党の山井和則衆院議員はこう言う。
「厚労省としては『自分たちは被害者だ』という理屈で、年金保険料で費用をまかなおうとしている。とんでもない話です。年金加入者にとっては、情報が流出した上、その対策費用まで負担する“二重被害”です。安倍首相と塩崎厚労相は8年前の『消えた年金』コンビでもある。年金機構や旧社保庁がダメだということを骨身にしみているはずなのに、その時の教訓が全く生かされていない。2人の“監督責任”は重いです」
資産公開によると、塩崎厚労相の資産は3728万円で、保有株を含めると総資産は軽く1億円を超える。また、委員会でのらりくらりと答弁する日本年金機構の水島藤一郎理事長の年収は1600万円超だ。
国民に押し付ける前に、まずは自らの身銭で責任を取るのがスジだろう。
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