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日中関係の基本トレンドは?photo Getty Images
オール財務省でのぞむAIIBめぐる「日中財務対話」。成否は安倍首相のサプライズ発言が出るかどうかだ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43629
2015年06月06日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
北京滞在中の麻生太郎副総理・財務相は6月6日、中国の張高麗・筆頭副首相(共産党政治局常務委員・序列第7位)と会談する。
3年2ヵ月ぶりに開催される「日中財務対話」に出席するための訪中だ。
■「オール財務省」でのぞむ対話の焦点
麻生財務相には、山崎達雄財務官(1980年旧大蔵省入省)、田中一穂主計局長(来月、財務事務次官昇格が確定・79年)、佐藤慎一主税局長(同主計局長就任が確定・80年)、浅川雅嗣国際局長(同財務官昇格が確実視される・81年)、河野正道金融庁金融国際審議官(78年)ら同省の「内政」担当を含めた“オール財務省"が同行している。
4月にジャカルタで開催されたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議の際に安倍晋三首相が習近平国家主席(共産党総書記)と会談したことを契機に、日中関係改善の動きが顕著になってきているだけに麻生・張高麗会談が注目される。
この間の両国関係は、自民党の高村正彦副総裁が張徳江・全国人民代表大会(全人代)常務委員長(序列第3位)と会談(5月5日)、そして3000人の訪中団を率いて訪れた二階俊博総務会長が習近平国家主席と面会(同23日)するなど、関係改善の動きは急速に高まっていた。
この「日中財務対話」に中国側から出席するのは、麻生財務・金融相のカウンターパートである楼継偉・財政相以下、張少春、朱光躍両次官を始め局長級の財政、税制、金融政策の実務責任者全員である。
「日中財務対話」の焦点は、中国財政省次官経験がある金立群・元アジア開発銀行(ADB)副総裁が初代総裁に就任するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に関して、どこまで深掘の議論が行われるのかどうかに尽きる。
■AIIB構想、中国専制の懸念
本コラムで何度か取り上げているAIIB問題を若干おさらいしたい。そもそもは、習近平国家主席が2012年10月に中国から欧州までを陸と海で結ぶ「シルクロード経済圏構想」の一環としてAIIB構想を提唱したことに始まる。
アジアのインフラ需要は毎年8000億ドル(約96兆円)の巨額にも拘わらず、日米主導で設立されたADB(中尾武彦総裁・本部マニラ)が14年度に承認した支援額は約1350億ドルに過ぎず、融資審査の厳しさを含めて新興国・途上国から不満が高まっていた。
中国はその間隙を突いて資本金1000億ドル(約12兆円)・本部北京のAIIB構想を打ち上げたことから、主要7カ国首脳会議(G7サミット)構成国の英国、ドイツ、フランスを始め中東、アジア各国が競って参加を決めた。現時点で57ヵ国。
先月末までに5回行われたAIIB首席交渉官会合で、投票権に直結する出資比率はアジア・太平洋の「域内国」に75%、欧州など「域外国」に25%を分配し、中国が最大の29%を出資・議決権の4分の1超を握ることが決まった。事実上の「拒否権」を手にしたことになる。
12人による理事会には出資率10%(第2位)のインドも常任ポストを得た。理事は域内国から9人、域外国から3人だが、単独で理事ポストを確保するには7%以上の議決権が必要となる。
まさに習近平政権が目指した「中国主導」のAIIBが年内に発足することが確定したのだ。理事の北京常駐を中国が押し通したことで英国など欧州諸国から中国専制の運営になるのではないかとの懸念が表面化している。
■日本はどうする?
先日、首相官邸の最高幹部から話を聞く機会があった。
彼は、日本が参加を見送ったのは正解だったと前置きしたうえで、
「世界銀行やADBなど既存の国際金融機関並みのガバナンスに依然として大きな疑問符が付けられており、6月末に予定される設立協定署名式が行われた後に、こんなはずではなかったという声が必ず起こる。日中財務対話をしたからといって、日本が参加することは当分ない」
と言明した。
ただ、6月7〜8日の独エルマウG7サミット全体会議冒頭に安倍首相が来年の日本サミット開催地紹介時に習近平氏をオブザーバーで招きたいと超サプライズ発言をするという極秘情報がある。そのようなことになれば、日本のAIIB参加も十分あり得る。いずれにしても基本トレンドは、日中関係改善の進展である。
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