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グリコ・森永事件で注目を集めたノンフィクション作家・宮崎学氏(C)日刊ゲンダイ
私の四十年前から今を見る 宮崎学氏は「キツネ目の男」と疑われ週刊誌記者時代がアダに
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160371
2015年6月3日 日刊ゲンダイ
ヤクザの組長の息子として生まれた私は、幼い頃からケンカに明け暮れ、一方で左翼思想に目覚めていきました。学生運動にのめり込み、母親がせっかく学費を工面してくれた早大を中退。フラフラしていた70年秋、ひょんな縁から声がかかったのが「週刊現代」の記者です。当時の「週現」は、硬派な政治・経済記事とセックス絡みの記事が満載で100万部に迫る勢い。サラリーマンに大いに受けていました。
ハッキリ言って、今の優等生みたいなマスコミとは何から何まで違いました。編集部は昼から麻雀したり酔っぱらいがたむろしている社会的アウトサイダーの巣窟みたいな場所。ところが、いざ取材となるとどんなムチャな場所でも突っ込んでいく鉄砲玉みたいな連中ばかりでした。政界のお偉いさんだろうが、財界重鎮だろうが、「ナンボのもんじゃい」と、えぐるような取材をしていました。
記者仲間には今は軍事評論家の小川和久、5年前に亡くなった作家の朝倉喬司がいました。私自身も、記者を始めて2カ月の駆け出しの頃、三島由紀夫の割腹自殺の内幕を「楯の会」に食い込んでスクープしました。
普段の主な担当は株式欄。“空売りの達人”と呼ばれた旧山一証券の町田恒雄さんらとよくメシを食いました。しかし、この経験が後にアダとなるのです。
40年前の1975年、私は「戻ってきてくれ」と懇願され、家業の解体屋を手伝うために記者をヤメて京都に戻ります。その後、ゼネコンの恐喝容疑で新聞報道され、京都府警に取り調べられた揚げ句、家業も倒産させてしまうのですが、1984年に起きたグリコ・森永事件で「キツネ目の男」と疑われ、世間の注目を集めます。
薄い眉、細く吊り上がった目など、似顔絵とそっくりだから疑われてもムリもないのですが、警察は、私が「週刊現代」時代に株式を担当していたことを調べ、一連の騒動で株価操作し、空売りや買い戻しで利ざやを稼いだと睨んでいたのです。読売新聞記者で旧友の大谷昭宏にまで「おい、宮崎。そろそろ白状しろ」としつこく追及されたのには参りました。
もっとも、出版ジャーナリズムの片隅で飯を食い、逆に重要事件の参考人にもなったことで、分かったこともあります。
最近、最も危惧しているのは、ジャーナリズムの劣化です。タテマエに縛られた大手メディアがだらしないのは昔からですが、最近は雑誌メディアまで「飼い猫」みたいにおとなしくなってしまった。個人情報保護法の成立で外堀を埋められ、この40年で時代は様変わりしました。
しかし、このまま指をくわえて、安倍政権の右傾化路線と弱肉強食の経済政策を許していたら、ますます格差社会が拡大し、5年後、10年後の日本は昭和恐慌みたいになるんじゃないかな。せめて日刊ゲンダイは野良猫精神を忘れずにいて欲しいものです。
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