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安倍首相を追い込めなかった政治の絶望的状況−(天木直人氏)
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2nd Jun 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
きょう6月2日の朝日新聞「ウオッチ安保国会」が書いている。
「衆院特別委員会の実質審議は6月1日で4日目。
安倍晋三首相の出席は、この日で一区切りとなる」と。
終わったということだ。
野党は追い込めなかったということだ。
これほど政府の答弁が矛盾し、迷走し、そして、言い換え、訂正が続出しても、
安保法制案の撤回、廃案という動きはまるで感じられない。
なぜ野党は追い込めなかったのか。
その理由はいろいろある。
政府は何を聞いてもまともに答えなかった。
メディアは、政府にとって都合の悪いやり取りを正しく報道せず、国民はわけがわからないままだ。
なによりも、安倍首相には安保法制案を通さない選択はない。
米国と約束してしまったからだ。
それを違えることは、首相を辞めることであり、今の安倍首相は死んでもやらないだろう。
しかし、それにしても、なぜもう少し野党は安倍首相を追い込めなかったのか。
その答えはただひとつ。
野党がバラバラに同じような質問を繰り返して、自己宣伝を競い合ったからだ。
どうすればよかったか。
それは野党はすべて共産党に質問役を一本化して、
安保法制案の矛盾を徹底追及すべきだったのだ。
質問の質と鋭さがまるで違う。
もちろん、それはないものねだりだ。
野党は共産党と一緒になって安倍政権を追い込もうとする気は毛頭ないし、
共産党もまた、それを野党に持ちかけることなど決してしない。
ここに、この国の政治の絶望がある。
このままいけば、安保法制案は成立し、日米同盟は引き返すことができないほど強化されてしまう。
安倍首相の残された野心は改憲だけとなる。
そして、今のままの野党なら、改憲さえも防げないだろう。
私の関心は、もはや安保法制案の成立阻止ではない。
そのあとにくる絶望と混乱と無力感だ。
絶望と混乱と無力感の中に、希望の灯りをともす新党憲法9条の実現をいまこそ目指したい。
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