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2015-05-31 哲学者=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』
昨夜の「江古田哲学研究会」と地震と昭和天皇。昨夜の地震は、池袋の某所での「江古田哲学研究会」の勉強会の最中に、体験した。私が最近、取り組んでいる「政治家・昭和天皇とその時代」を披露している時だった。
ビルが大きく揺れ、それがかなり長時間だったように思う。これは、「3・11」の時の揺れに匹敵するのではないかと想像したが、勉強会の途中だったので、いつの間にか忘れてしまった。ちょうど、天皇とマッカーサーの「会見」や「東條英機と天皇」「政治家・昭和天皇とその時代」などについて話している最中だった。
その後、二次会をやり、しばらく経ってから、駅に行くと、改札口に人が溢れている。山手線をはじめ、地震で各電車がストップしているという。そこで、地震のことを思い出した。埼京線は、どうにか動いていたので、私は、埼京線で帰れたが、他の人たちのことが心配になった。無事、帰れただろうか?
さて、昨夜の「江古田哲学研究会」では、私の最近の「憲法研究」や「櫻井よしこ研究」などの成果を中心に話した。櫻井よしこ等の、マッカーサーとの会見における「天皇発言」認識、あるいは昭和天皇の「東條英機批判」の解釈が、最近の資料分析や文献比較などから、大きく間違っていることは明らかになっている。
しかし、櫻井よしこ等は、資料や文献を読んでいない。それ故に、間違いや誤読にさえ気ずかない。昭和天皇の「靖国参拝拒否の理由」についても、今や、「富田メモ」などから、「A級戦犯合祀」がその理由だったことは明らかだが、櫻井よしこ等は、「富田メモ」は怪しい(怪文書?)で、信用できない、と言うだけだ。公開されている資料や文献さえも読もうとさえしない。
たとえば、昭和天皇の「東條英機批判」についても、天皇が特定の個人を批判するはずがない、ましてや忠臣だった東條英機を昭和天皇が批判するはずがない、と櫻井よしこや中西輝政等は言うのだが、それを裏づける証拠や資料があるのか?あるわけがない。
むしろ、逆に、昭和天皇が、東條英機を批判したという証拠が、資料や文献で、明らかになっている。昭和天皇は、1945年9月25日、初めて、「ニューヨーク・タイムズ」の記者(クルックホーン)の取材を受けている。そこで昭和天皇は、東條英機を批判し、非難している。
クルックホーン記者が書いたと思われる「ニューヨーク・タイムズ」のトップ記事には、「ヒロヒト、インタビューで奇襲の責任を東條に押し付ける」という大見出しが付いていた。しかし、この記事は、日本国内では、検閲を受け、そのまま報道されることはなかった。櫻井よしこや中西輝政等が盲信する「天皇発言神話」がはびこるわけだ。
櫻井よしこや中西輝政等は、これらの資料や文献を否定するのか。否定するとすれば、どういう論理で否定するのか?是非、知りたいと思うが、そんなことは明らかに無理だろう。知らぬ存ぜぬで押し通すだけだろう。資料や文献を読まないという意味で、櫻井よしこや中西輝政等こそ、「ネット右翼」である、あるいは「ネット右翼」以下である。
櫻井よしこの講演会に集まり、拍手喝采する「ネット右翼」の若者たち、あるいは居酒屋政治漫談が大好きな「オバサン右翼」や「オジサン右翼」たち、彼等も、本や資料を読まないことでは同じだろう。「無知が栄えたためしはない」と言うが、無知と無学に基づく櫻井よしこ的「憲法改正論」も「日本文化自画自賛論」も、所詮、水の泡でしかない。
(続く)
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