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翁長知事に聞く 辺野古基地絶対できぬ 改憲より地位協定改定 琉球新報 2015年5月30日
http://togetter.com/li/828380
ジョージ @GeorgeBowWow
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり安倍政権と対立する翁長雄志知事が訪米直前に共同通信の単独会見に応じた。移設阻止への戦略は。安倍政治や本土世論への思いはー。
ー訪米の狙いは
翁長知事「私が自民党出身者として日米安保体制をよく理解していること、その上で辺野古に新基地を造ることは日米同盟、安保体制に相当の傷をつけますよ、と伝えることだ。なぜなら辺野古基地は絶対できないからだ。」
翁長知事「米国は安倍晋三首相が強引に造るだろうと思っているかもしれないが、それは難しい。この問題は日本の国内問題だというかもしれないが、県民からしたら米国も当事者だ」
ー辺野古移設阻止に向けた戦略は。
翁長知事「埋め立て承認に関する有識者委員会から承認取り消しが提言されれば取り消すことになる。阻止に無方知事の権限は10ほどある。私たちが同意しないとできない。」
翁長知事「国は裁判に訴えて結論が出るまでは工事をやるかもしれないが、沖縄の自治の気概は本土の人と全然違う。抵抗する様子が映像として世界に送られたら日米同盟など持たない。」
翁長知事「沖縄の自治権は与えられたものではない。復帰後も含めて勝ち取ってきたものだ。この点を見くびると日米同盟は砂上の楼閣になる。」
翁長知事「世界一危険な普天間飛行場を固定化してしまえば、一つ何か落ちただけで『もう普天間は駄目だ』となる。その矛先は次に嘉手納基地に向う。米国が最も恐れているのはその点だと思っている。」
翁長知事「今は普天間だけが話題になっているが、私たちの目が嘉手納に向いたときの恐ろしさを米国は大変警戒している」
ー本土の人の多くが沖縄基地を地政学や抑止力の観点から見ています
翁長知事「日米首脳会談やガイドライン再改定では中東まで視野に入れた積極的平和主義と言っている。そうすると沖縄の地政学的な位置づけとは何なのかとなる。」
翁長知事「中国の最新鋭ミサイルを考慮すれば、沖縄はむしろ近すぎて危ないと言う指摘もある」
翁長知事「安全保障は日本全体で、と言うのに本土のどこも受けてくれない。沖縄にあるのは(地政学的理由ではなく)他が受けないから。新たに造るのは大変だが既にあるところは慣れているし振興策でごまかせるだろうと。」
ー今の自民党をどう見ていますか。
翁長知事「私が県議だったころ沖縄に来た野中広務さんは『翁長君、こうだ、申し訳ない』と言って頭を下げた。」
翁長知事「後藤田晴さんは『かわいそうでな。真っ正面から顔を見ることができないんだよ』と言って沖縄入りを渋ったそうだ。」
翁長知事「橋本龍太郎さんは自民党総裁室前で順番待ちしていた私たちを行列の最後尾に回して『ごめん、沖縄を5分で帰すわけにはいかないんだ』と言ってくれた。みんな田中派・経世会系だ。国民とつながる心のひだを持っていたと思う」
翁長知事「小選挙区制になったことも大きい。中選挙区時代はタカ派、リベラル派と違うタイプがたくさんいた。深みがあった。小泉純一郎さんが政権を取った頃から自民党は変わった」
ー米軍新型輸送機オスプレイ配備阻止行動で東京都内をデモしたとき、ヘイトスピーチよりも無関心で通り過ぎる人たちにショックを受けたと。
翁長知事「寂しかった。本土の人にどういう言葉を使えばいいか大変悩む。」
翁長知事「基地経済を謳歌しているのではないかとか、振興策でいいですねとか(言われる)。そういうことじゃないんですけどね、と言いながら、短時間では舌足らずで流してしまうつらさは沖縄の人はみんな持っている」
翁長知事「米兵に暴行された女の子が道に捨てられ、犯人は無罪で本国に帰ったこともあった。こういった幾多の屈辱は県民は忘れようと思っても忘れられない。」
翁長知事「いつまでも昔の話をしないで未来に向かってと本土の人は言うけれど、基地が固定化している限り私たちの記憶は消せない」
ー安倍晋三首相は憲法改正を政治目標にしています。
翁長知事「改憲より日米地位協定の改定が先だ。日米対等を目指すと言いながら、日米合同委員会では恐ろしいくらいの従属関係だ。」
翁長知事「辺野古問題でも『外交は国の専権だ』と言うなら、日本は本当に独立国家かという点まで議論しなければならない」
ー安保法制の整備をどう見ていますか
翁長知事「中国に対するコンプレックスではないか。軍事力だけでなく経済大国として台頭したことで国民も政治をやっている人も、いたくプライドを傷つけられた。安保法制の背景にはそんな感情があるのではないか」
翁長知事「尖閣問題の発端をつくったのは石原慎太郎さんが『都が買う』と言って野田佳彦さんが買ってしまったこと。それがなければ多少はしのげた。安保法制には、それがしのげなくなってしまった結果の恐怖心もある」
ー知事選出馬の経緯を。
翁長知事「2013年11月に石破茂さんに説得されて沖縄の自民党国会議員5人が辺野古移設を容認し、もうこういう人たちと政治を一緒にやってどうこうじゃないなと。誰がかわいそうって県民でしょ。」
翁長知事「で、昨年の3、4月くらいに女房にね、『俺、もう政治生命捨てようかな』と。当選するかは別に問題提起してやると」
翁長知事「(出馬要請に来た)革新の皆さんには『イデオロギーよりアイデンティティーだよ』と言った。保守には『僕は県外移設だよ』と言った。その上で県内で保革がけんかして、上で笑っているのは日米両政府だと。」
翁長知事「保革を乗り越えないと沖縄はどうにもならない。それには保守の側から近寄らないと駄目だ」
ー期待とともに圧力も大きいですね。
翁長知事「人間の生き方として、私たちの不作為で子や孫にまた同じ年月を過ごさせるわけにはいかない。沖縄に生まれてきた政治家の宿命だ。ピエロになっても消されてもいいから言うことを言わないと。」
翁長知事「身を捨てる気持ちがないとできない。政治家は使い捨て。私のみじめさは何でもないが、県民のみじめさは絶対あってはならない」
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