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党首討論で質問に立つ共産党の志位和夫委員長(左)。右は安倍晋三首相=20日午後、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)
【ニッポンの新常識】ポツダム宣言は「無条件降伏」ではない 日本政府は条件付きで降伏した
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150530/dms1505301000005-n1.htm
2015.05.30
安倍晋三首相(自民党総裁)と、日本共産党の志位和夫委員長との党首討論がきっかけで注目された「ポツダム宣言」の英文と日本語現代語訳を、久しぶりに読んでみた。申し訳ないが、数カ所で笑ってしまった。
例えば、第10条の後半だ。「言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである」とある。
終戦後、徹底した検閲を通じて日本のマスコミを管理し、虚偽の報道で日本人に贖罪(しょくざい)意識を植え付けた側が、宣言では日本政府に「言論の自由を確立しろ」と命じているのだ。
GHQ(連合国軍総司令部)は「プレス・コード」で報道機関を統制した。露骨な二重基準には笑うしかない。
日本人がポツダム宣言受諾を「無条件降伏」と呼ぶのも大間違いだ。
第5条は『Following are our terms』で始まる。「我々の条件を以下に示す」という意味だ。日本政府は条件付きで降伏したのである。
具体的には「軍国主義の追放」「領土占領」「日本領土は本州、北海道、九州、四国と諸小島」「戦争犯罪人の処罰」「民主主義復活」「平和的政府の樹立」などである。
そして、第12条には「条件が達成された場合に占領軍は撤退する」と明記してある。
無条件降伏の要求はこの後の第13条、「全日本軍」に対するものだ。
『我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める(以下略)』
第13条に従い、日本軍は進駐軍に1発の銃弾も撃たなかった。昭和天皇が玉音放送を通じて、日本国民に戦争終結を訴えられたおかげだと思う。
ちなみに、ポツダム宣言を持ち出した日本共産党は、戦後平和の功労者たる「天皇」について綱領にこう書いている。
『党は、一人の個人が世襲で「国民統合」の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、(中略)その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである』
「第1章 天皇 第1〜8条」の撤廃は日本共産党最大の悲願である。どこが護憲政党なのか。
さらに言えば、日本国のために尊い命をささげた英霊を祀る靖国神社への参拝に反対する政治家が、安全保障関連法案の審議では、自衛官のリスク増大を反対理由にしている。軍人や自衛官への感謝や敬意を示しているとは思えない彼らの、偽善的態度とご都合主義にはあきれるしかない。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。80年、法学博士号・経営学修士号を取得し、国際法律事務所に就職。83年、テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、人気タレントに。現在は講演活動や企業経営を行う。自著・共著に『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP研究所)、『素晴らしい国・日本に告ぐ』(青林堂)など。
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