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2015年05月30日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話
◆安倍晋三首相は5月29日、鹿児島県の口永良部島が爆発的噴火し、住民全員が退避命令を受けたことから、政府一体となって住民の安全確保を徹底するよう山谷えり子防災担当相をはじめ、関係省庁に指示し、噴火直後に官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。午前と午後に内閣府で関係省庁災害対策会議を開き、今後の火山活動の見通しや各省庁の対応状況などについて意見交換。夕方には鹿児島県屋久島町役場に現地連絡調整室を設置し、公明党の山口那津男代表と官邸で会談し、政府・与党が結束して対応する方針で一致した。
しかし、自民・公明両党連立による安倍晋三政権は、第2次から現在の第3次政権に至るまで、度々いわゆる「3災7難」に見舞われている。「祟り」とは言わないまでも、「よほど何かの悪霊に呪われている」のではないかと疑われている感が強い。すなわち、悪いけれど、安倍晋三首相が「禍を招いているのではないか」「疫病神なのか」などと勘繰る向きもある。
「三災七難」とは仏典にある言葉である。「三災」は、世界の破壊期に起こる大の三災と、世界の存続期に起きて人々を滅ぼす小の三災。「倶舎論」は、大の三災に火災・風災・水災、小の三災は穀貴・兵革・疫病。穀貴とは、五穀の価が異常に高騰する物価騰貴、兵革は戦争、疫病は伝染病や流行病などをいう。
「七難」は、薬師経によると、以下の7つだ。人衆疾疫難(伝染病が流行り、多くの人が死ぬ)、他国侵逼難(外国から侵略され、脅かされる)、自界叛逆難(内部分裂や同士討ち)、星宿変怪難(天体の運行に異変が起こる)、日月薄蝕難(日食や月食)、非時風雨難(季節はずれの暴風や強雨)、過時不雨難(雨期に雨が降らない天候不順)
◆安倍晋三首相は2013年1月16日、「ベトナム、タイ、インドネシア3カ国を歴訪」した際、最初の訪問国であるベトナム滞在中に、イスラムテロリスト集団によるアルジェリア天然ガス関連施設襲撃、邦人人質事件が発生、そこで邦人拘束の第一報を受けた。だが、直ちに外遊を切り上げて帰国し、「対策本部長として万全な態勢を敷くこと」もせずに、タイ、インドネシアへと訪問を続けて、インドネシア訪問を早目に切り上げて帰国した。当然、国会で危機意識の薄さと無責任さを追及された。2月27日午後の参議院予算委員会で、民主党の大野元裕参院議員から、「総理が対策本部長として不在であったことにより万全な態勢を敷くことができなかったと考えなかったのですか」と聞かれて、安倍晋三首相は、「私は外遊を続けていくなかにおいて、適切に対応していくわけですから、そこで外遊をやめて帰ってくることによって事態は全く変わりはないだろう。残念ながらですね、というふうに思っております」と苦しい言い訳をしていた。
安倍晋三首相が、アルジェリアのアブデルマーレク・セラール首相はじめ、アルジェリアの宗主国であるフランスのオランド大統領、英国のキャメロン首相、米国のオバマ大統領らに電話をかけて、懸命に「日本人の救出」を頼んでいたというのは、事実である。それでも、各国がそれぞれの国の利益が最優先され、アルジェリアは、イスラムテロリスト集団殲滅のため特殊部隊を突入させた。この結果、日本人10人も殺されるハメになったという。安倍晋三首相は、切歯扼腕したようだが、手も足も出なかったのだ。この無念さから、今回の「安全保障法制整備関連法案」の成立に血道を上げている感がある。
しかし、日本から遠く離れた国々に自衛隊の「邦人救出部隊」を派遣することは、頭で考えるほど単純にはいかない。
次に、2014年8月16日、シリアで軍事ビジネス会社の湯川遥菜代表が、イスラム教スンニ派過激武装勢力「イスラム国=ISIL」に捕まり、11月1日、フリージャーナリスト後藤健二秘書兼通訳が行方不明になり、2015年1月30日までに殺害された。2月1日に後藤健二さん殺害の動画が公表された際、安倍晋三首相は、「テロを断じて許さない」と声明を発表した。だが、2人の救出には、まったく無力、無能だった。
さらに2015年3月24日午後7時ごろ(日本時間)、フランス南東部のアルプス山脈沿いの地域に乗客乗員150人を乗せたドイツの格安航空会社の旅客機が墜落、ドイツ・デュセルドルフ在住の佐藤純一さんと永田敏さんの2人が死亡した。
◆天災についても、安倍晋三首相は、まったく無力、無能である。ザッとピック・アップすると、以下のような事件、災害が起きて、その都度、哀悼の意を表していた。
@ 2013年7月28日、島根県と山口県の県境で大雨が降り、死者2人、行方不明者2人、負傷者10人を出した。
B 2014年8月20日、広島県広島市北部の安佐北区や安佐南区などの住宅地を襲った豪雨に伴う大規模な土砂災害が発生。死者74人、負傷者44人を出した。
C 2014年9月27日午前11時52分、長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山(標高3067m)が噴火、死者57人、行方不明者6人を出した。このほか、箱根や蔵王、浅間山などで、火山活動が活発化している。
このほか、天災ではないけれど、首相官邸屋上に無人機が落下していた事件が4月22日に首相官邸屋上に小型無人航空機(ドローン)が落下していた事件が発覚した。この日午前10時20分ごろ、首相官邸職員が偶然、屋上に上がってヘリポート付近でドローンを発見して、警視庁に通報したのだ。安倍晋三首相は、インドネシアの首都ジャカルタで開催されたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の60周年記念首脳会議(4月22日)に出席中であった。「首相官邸の警備体制のお些末さ」を露呈してしまった。安倍晋三首相は、日米安保体制による同盟関係強化と「日米パワーシェアリング」の確立に夢中になる半面、「首相官邸の警備体制」に余りにも安閑としていた。文字通り、「灯台下暗し」であった。安倍晋三首相はその後、訪米(4月26日〜5月3日)していた。危機意識が極めて希薄な呑気な首相である。
【参考引用】 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150529/k10010095251000.html
NHKNEWSwebは5月29日午後9時21分、「鹿児島・口永良部島で爆発的噴火 警戒レベル5」というタイトルをつけて、以下のように配信した。
29日午前、鹿児島県の口永良部島の新岳で爆発的な噴火が発生し、噴煙が9000メートル以上の高さまで上がったほか、火砕流が新岳の南西側から北西側にかけて流れ下ったことが確認されました。気象庁は、今後も爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火が発生する可能性があるとして、口永良部島に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを最も高いレベル5に引き上げて厳重な警戒を呼びかけています。気象庁の観測によりますと、29日午前9時59分ごろ、口永良部島の新岳で爆発的な噴火が起き、噴煙が火口から9000メートル以上の高さまで上がり、火口の周辺に噴石が飛散しているのが確認されました。
その後も噴火は続き、午後9時現在で、噴煙は火口から700メートルの高さに上がっています。また、噴火に伴って火砕流が発生し、新岳の南西側から、北西側の向江浜地区にかけて流れ下り、北西側では海岸まで到達したことが確認されました。
29日午後に上空から行った観測では新岳の南西側から北西側に加え、北東側でも火砕流が流れ下った痕跡が確認されたということです。
気象庁は午前10時7分に口永良部島に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルをレベル3の「入山規制」から最も高いレベル5の「避難」に引き上げ、今後も爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火が発生する可能性があるとして、厳重な警戒を呼びかけています。
気象庁が噴火警報を発表したのは、平成19年12月に警報を導入してから今回が初めてです。
予知連会長「去年より規模大きい」
今回の噴火について、東京大学名誉教授で火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「最初に爆発的な噴火で噴煙が立ち上がり、すぐに噴煙の根元から火砕流が発生して海岸に向かって流れたのが見えた。マグマ水蒸気爆発が起きて一部の噴煙が崩れ、火砕流が西側の海岸に向かって流れたという状況だと思う。去年8月2日に起きた噴火と似ているが、もう少し規模が大きいと思う。この1回の噴火だけで終わるのか噴火が継続するのか、注意して見ていく必要がある」と話しています。
マグマが直接関与と考えられる
鹿児島県の口永良部島に詳しい火山学が専門の京都大学の石原和弘名誉教授は、「映像からは黒い噴煙が勢いよく上がっているのが確認でき、噴火直後の噴煙の幅も少なくとも2キロ程度はあるように見える。去年の口永良部島の噴火と比べてはるかに規模が大きく、昭和41年や昭和6年の噴火に匹敵するとみられる。噴煙の色や規模から、今回の噴火はマグマが直接関与していると考えられる。住民は山からできるだけ離れ、自治体からの指示にしたがって行動して欲しい」と話しています。
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