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黒田日銀総裁(C)日刊ゲンダイ
白を黒と言いくるめる政府と日銀の詐術 永田町の裏を読む/高野孟
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2015年5月28日 日刊ゲンダイ
安倍晋三首相が「戦争法案」を「平和安全法案」と言い換えたり、放射能汚染水のダダ漏れが止まらない福島第1原発を「アンダー・コントロール」と言い切ったりするのは、言葉遊びも度が過ぎて、白を黒と言いくるめる詐術だが、もうひとりそれを得意にする人がいる。黒田東彦日銀総裁である。
彼は22日の金融政策決定会合の後の会見で、4月までは「緩やかな回復基調にある」としていた景気判断を、「基調」を外して「緩やかな回復過程にある」と変更し、それを「半歩というか一歩というか、見方を前進させた」と説明した。マスコミの解説によると、これは景気判断の「上方修正」なのだそうだが、一般国民にはまったく理解不能な日本語である。
これには前例があって、昨年3月までは黒田は、「緩やかな回復」と言っていたのを、4月の消費税アップで消費がガクンと落ちて物価も下がったのを受けて「基調的には緩やかな回復」と、「基調」を付け加えた表現に変更した。これは、事前に「消費増税の影響は軽微である」と言っていた予想が大外れして慌てた黒田が景気見通しを「下方修正」したことを意味していたのだという。消費増税の影響が大きかったことを口が裂けても認めたくないので、「基調」の2文字を付けたり外したりして、その意味を知っている市場関係者にだけは密かにサインを送っているわけだ。これでは景気の動向について国民に本当のことを知らせないためのマインドコントロールに等しい。
実際、消費増税の影響は甚大で、黒田が命懸けのようにして追求している物価上昇率2%の目標も、当初の「15年度を中心とする期間」を「16年度前半ごろ」と言い換えて先延ばしを図ってきた。この時も「15年度達成は公約ではなかったのか」と問われて、「いや、15年度を中心にと言ってきたので、それには16年度前半も含まれる」というようなごまかし方をしたが、それでも目標達成のめどは立っていない。
むしろ物価上昇率はゼロ近辺で低迷し続けていて、専門家の間ではデフレ転落への懸念が出始めている。かといって、ここで追加緩和など打ち出せば、「回復」とか「回復基調」とか言い続けてきた嘘を認めることになるので、それもできない。もうそろそろ、金融緩和でインフレ誘導すれば景気が上向くというアベノミクスのインチキ経済学を「失敗だった」と正直に国民に謝るべきではないか。
▽〈たかの・はじめ〉1944年生まれ。「インサイダー」「THE JOURNAL」などを主宰。「沖縄に海兵隊はいらない!」ほか著書多数。
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