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「大阪都構想」ちょっと口を挟んで大失敗! 「菅官房長官」の後悔先に立たず〈週刊新潮〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150528-00010001-shincho-pol
「週刊新潮」2015年5月28日号
「(橋下氏が)勝つんだろ? だから俺は言ってたんだ」。5月17日夜、NHKが〈反対多数確実「都構想」実現せず〉と速報を流す前、出口調査で賛成派優勢との情報を得ていた菅義偉官房長官(66)は、オフレコの場でこう大見得を切っていた。だが結果はご存じの通り、彼の見立てとは真逆となった。以下は安倍政権の軍師、地方行政に口出しするも赤っ恥をかくの巻――。
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政府のスポークスマンにして司令塔の菅氏は、安倍晋三総理から絶大なる信頼を得て、2年5カ月、政権ナンバー2の座に君臨し続けてきた。「影の総理」と称されることもある策士として鳴らし、今や官僚が最も畏(おそ)れる政治家とまで言われる。
そんな彼が、今回の都構想でも策を繰り出した。安倍総理がシンパシーを抱く橋下市長を住民投票で勝たせるべく、
「『後方支援する』と言って維新に肩入れしました」
と、全国紙の官邸担当記者が振り返る。
「4月3日の記者会見では、『二重行政をなくし、府民や市民の期待に応えることは検討すべき』と発言。5月11日にはやはり記者会見で、都構想反対のスローガンのもとに自民党大阪府連が共産党と共闘していることについて、『個人的には全く理解できない』とも言っています。どうにか住民投票で賛成派を勝たせようと、記者会見を利用して維新にエールを送ったわけです」
■「二つの傷」
官房長官が地方行政に容喙(ようかい)することは異例で、
「『官邸が都構想に賛成している』と維新は宣伝。自民党大阪府連は、敵である維新に味方する菅長官の発言に苦虫を噛み潰していた」(在阪ジャーナリスト)
これに対して菅氏は、
「記者会見ではないところではより過激で、『柳本(顕・自民党大阪市議団幹事長)たちは一体何をやってるんだ!』と苛立っていました」(前出記者)
そうまでして菅氏が橋下維新を援護射撃した背景には、無論、次項で詳述するように彼らを改憲のパートナーとして重要視していた面もあるが、
「あらゆる『カード』を握っておくことが、菅さんの力の源泉だからですよ」
こう解説するのは、さる官邸スタッフだ。
「菅さんは派閥を持っていないし、政策通というわけでもない。何が彼をここまでの実力者たらしめているかといえば、八方美人とでも評すべき全方位外交。あらゆる勢力とのパイプを持つことで、『菅の人脈は凄い』と思わせるわけです」
さらに、このパイプ作りは別の側面も持っていて、
「安倍総理がいつコケたとしても乗り換えられるように準備しておく意味がある。例えば、石破さん(茂・地方創生相)がポスト安倍と持て囃(はや)されていた頃は頻繁に石破さんに接触し、今は野田聖子(前自民党総務会長)と会ったりしています。そうしたうちの1人が橋下さんだったんです」(同)
その大事なカードであった橋下氏を失い、同時に野党の維新を政府首脳が応援するという奇策が大失敗に終わって、策士策に溺れるの失態を晒した菅氏。
政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう見る。
「今回、菅長官は二つの傷を負ったと言えます。まず、地方自治、地方分権が叫ばれているなか、中央の政治家が地方組織の意に反した行動に出たこと。もう一つは、彼の後方支援が功を奏さなかったという結果そのものです」
小さな口出し、大きなヤケド。まさに後悔先に立たずで、軍師危うきに近寄らずとはいかなかった。
「特集 壮大なるデマ『大阪都構想』終焉の日 さらば衆愚の王『橋下徹』大阪市長」より
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