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2015-05-27 08:14:46
NHKは昨日5月26日、安保法制に関する国会論議を中継しないという重大なミスを犯しました。業務放棄と言わざるを得ない失態です。
安保関連の諸法案は、憲法の根幹である平和の理念をくつがえし、平和国家としての日本を名実ともに一変させるほどの内容を含んでいます。
NHKは、“みなさまの視聴料”で支えられる報道機関であり、みずからも「みなさまの公共放送」という看板を掲げています。だから、国民に重大な影響のある国会論戦は何をおいても中継し、内容を広く知ってもらうことに徹しなければならないはずです。それをサボったのです。
重要な情報がきちんと伝えられてこそ、国民はより正確な判断ができ、自分なりの結論を導き出すことが可能になります。それこそが、民主主義が成り立つ前提であることは、ご承知の通りです。しかも、26日に審議入りすることは数日前から確定しており、番組編成で国会中継を入れる充分な時間的余裕がありました。
それでも、中継しなかった背景としては、ある一つの事情があったのではないかという推測を呼び起こします。それは、安倍首相を支えることを使命としてNHKに送り込まれた籾井勝人会長が、「安保法制については、国民にあまり知識を持たせる必要はない」と判断し、中継を差し止めたのではないかという疑問です。
今回の「安倍氏の安保法制」に対して国民は、しだいに関心を高めてきています。関心の高まりにつれて、安保法制に反対の世論が徐々に高まっています。
状況は、岸信介首相当時の「60年安保」の様相に似てきています。60年安保も、当初は国民の関心は高くなかったのですが、岸氏の強引な国会運営に対する反発とあいまって、「安保反対」の国民世論が急速に高まり、結局、岸氏は退陣に追い込まれました。
NHKに「なぜ中継しないのだ」と直接、電話で聞いてみました。視聴者からの声を受け付ける「ふれあいセンター」が対応する窓口ですが、その責任者はただひたすら「申し訳ありません」を繰り返すだけ。
「なぜ、中継しないことになったのか、その理由をきちんと説明してもらいたい。『申し訳ない』というような謝罪を聞きたいのではない」と言っても、「どうして中継しないことになったのか、よく分かりません。編成の方の判断でして……」と要領を得ない。
ふれあいセンターという窓口が、視聴者からの苦情を一手に引き受ける楯となり、実際の担当である「番組編成」にはつなげようとしません。そのくせ、番組編成担当者に責任転嫁する。典型的な官僚答弁であり、無責任の極みです。
NHKは「籾井ウィルス」という悪性細菌に犯され、世論を安倍政権が望む方向へ誘導する翼賛報道機関に成り下がってきたといえます。ま、今回は籾井菌が原因かどうかは定かではありませんが、ともかく放置しておくことはできません。国民的規模で「NHKウオッチ」を行い、おかしな方向へ行かないよう監視して、おかしなことがあれば、すぐに正すなり、抗議するなりして自分の意志を示しましょう。
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