民主、維新両党は２５日、労働者派遣法改正案への対案となる「同一労働同一賃金法案」を共同提案する方針を決めた。２６日に国会に提出する。両党は同日には政調会長会談も開き連携を強める方針だ。ただ、両党間には思惑の違いもあり、どこまで連携が進むかは未知数だ。

　同一労働同一賃金法案は、同じ労働なら非正規労働者にも正規労働者と同じ賃金を支払う仕組み。維新の党の柿沢未途幹事長が、民主党に共同提出を呼びかけた。

　両党は今国会最大の焦点となる安全保障関連法案に関連し、武力行使にいたらないグレーゾーン事態に対処するための「領域警備法案」の共同提出も検討しており、政調会長会談で協議する。政府が今国会成立を目指す農協改革関連法案でも先週から合同勉強会を始めており、国会審議で連携する可能性がある。

　両党の関係は昨年秋の臨時国会後、野党再編への姿勢の違いから冷え込んでいた。だが、今月１７日の「大阪都構想」否決後に民主党との連携に前向きな松野頼久氏が維新の新代表に就いたことから、民主党は３月６日以来となる幹事長・国対委員長会談を呼び掛け２５日に実現した。

　ただ、両党で完全に足並みがそろっているわけではない。民主党は両党が対案を提示し安倍政権に対抗する姿勢だが、維新は政権に是々非々で臨む路線を維持している。柿沢氏は「民主が熱心に反対した大阪都構想否決直後に、仲良くやっていこうというのは大阪で理解を得られない」と会談後、記者団に指摘した。

　松野氏や柿沢氏ら維新執行部は２６日、国会内に安倍晋三首相を訪ね、野党では異例の執行部交代のあいさつをする予定だ。【佐藤慶】

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