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[大機小機] 安保転換に財政の歯止めを
集団的自衛権の行使を含む安全保障法制が国会に提出された。憲法解釈の変更による戦後の安全保障政策の大転換である。国会審議を徹底しなければならないが、欠かせないのは財政再建とのからみだ。財政危機の日本では安保転換に財政の歯止めが求められる。
安保法制を巡る与党協議でも、経済財政諮問会議での財政再建をめぐる協議でも、防衛費の扱いはほとんど議論されていない。安保政策の大転換が財政負担にどうはねかえるかはっきりさせていないのは問題だ。
米国が日本の集団的自衛権の行使を歓迎するのは日本に防衛費増による役割分担を望むからである。「世界の警察官ではない」と表明したオバマ政権は日本の肩代わりを期待している。
ところが、日本の財政は先進国最悪である。長期債務残高の国内総生産(GDP)比は2倍超と、債務不履行の危機にあるギリシャより悪い。にもかかわらず基礎的財政収支の黒字化すら達成できていない。日本の財政は集団的自衛権の武力行使の要件である「存立危機事態」である。社会保障だけでなく聖域なき財政改革が避けられない。
気になるのは防衛費に関する安倍晋三首相の発言が米国向けと日本国内向けで食い違う点である。米国では、成長によって、社会保障を強化しながら「防衛費をしっかり増やしていく」と表明した。一方、安保法制閣議決定後の記者会見では「この法制で防衛費が増えていく、減っていくということはない」と述べた。
安保政策が転換していく過程で「安保と財政は次元が違う」などという議論が出てきかねない。財政再建が進まないまま防衛費を聖域扱いすれば、その経済的帰結は明らかだ。安全のコストを超え、財政力を度外視して増額すれば財政危機は深刻化する。防衛費をGDPの1%以内にする原則を守るべきである。
脅威に対する抑止は軍事力だけでは果たせない。外交力を強化し経済の相互依存を深めることが肝心である。例えばアジアインフラ投資銀行(AIIB)に米国とともに参加する。環太平洋経済連携協定(TPP)と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を結合する。安全保障に傾斜し中国に対峙するだけでなく、日米中の新たな融合関係を築くことこそ日本の選択である。
(無垢)
[日経新聞5月19日朝刊P.17]
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