★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK185 > 464.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
内田樹×白井聡 ベストセラー論客が暴く、戦後日本人の精神構造 「トップが大人への成長を放棄、日本は“子供と老人しかいない
http://www.asyura2.com/15/senkyo185/msg/464.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 24 日 10:08:05: igsppGRN/E9PQ
 

対談本『日本戦後史論』が話題の、思想家・内田樹氏(右)と注目の若手論客・白井聡氏


内田樹×白井聡 ベストセラー論客が暴く、戦後日本人の精神構造 「トップが大人への成長を放棄、日本は“子供と老人しかいない国”になってしまった」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150524-00048243-playboyz-pol
週プレNEWS 5月24日(日)6時0分配信


『日本戦後史論』(徳間書店)という対談本が注目を集めている。

著者は内田樹(たつる)氏と白井聡氏の人気論客ふたりで、憲法改正、集団的自衛権の行使容認、原発再稼働など、ここ数年、日本が直面する諸問題について「戦後の歩み」という視点から分析し、警鐘を鳴らしている。

戦後日本は「対米従属を通じて対米自立を実現する」という「葛藤」の中で成長してきた。だが、ここ10年、日本は葛藤を捨て思考が停止していると、ふたりは怒りを露(あらわ)にして訴える。

(前編記事→ 内田樹×白井聡、ベストセラー論客が怒りの対談!)

* * *

―なぜ、日本人は考える力を失い、成長や成熟を拒否するようになったのでしょう?

内田 「青年」がいなくなったことが大きく関与していると思います。

日本社会に子供と大人の両方をブリッジする「青年」という立場が生まれたのが、明治40年代です。それ以前は、子供は元服を経て、いきなり大人として扱われた。

明治維新の後、欧米列強に伍して一気に近代化を遂げなければならないという時には子供と大人の中間に青年という社会的な層が構想された。近代化のためには、十分な社会的能力がありながら環境の変化に対応できる柔軟性を備えた集団がどうしても必要だったからです。

夏目漱石が『三四郎』や『坊っちゃん』を、森鴎外が『青年』を書いたのは、それまで存在しなかった「青年」をロールモデルとして提示するためでした。

白井 それらは青年が大人になろうと葛藤する物語ですね。

内田 そうです。『坊っちゃん』の主人公が松山の中学校を辞めたのは1905年です。当時20歳なら、「坊っちゃん」は1885年生まれということになる。

つまり、敗戦の年、1945年に「坊っちゃん」は60歳だったということです。この世代が日露戦争、第1次世界大戦、大正デモクラシー、大恐慌、満州事変以後の戦争を経験し、敗戦までの日本を事実上牽引(けんいん)してきたわけです。彼らが近現代日本において、子供たちの自己造形のロールモデルだった。善し悪しは別にして、「坊っちゃん」や「三四郎」的な青年たちをモデルに子供たちは大人になる道筋を学ぶことができた。

その「青年」たちが消えたのが東京オリンピックの頃です。「坊っちゃん」が80歳になった頃に「青年」たちは社会的な指南力を失った。そして、子供たちは成長の手がかりを失ったのです。
白井 本当の大人というのは理想を持っていて、その理想とは程遠い現実との間で葛藤する。その葛藤に耐えることができるのが「大人」だと思うんです。葛藤を避けて「現実がこうだから仕方ないだろう」って諦めるのは大人じゃなくて「老人」なんですよ。

日本の社会からそういう大人がいなくなったので、「青年」も必要なくなった。ひたすら現実を受け入れるしかないなら、最初から理想なんて持たないほうが効率的です。そうやって日本は「子供からいきなり老人になることを要求される社会」へと変質したのだと思います。子供と老人しかいない。

内田 今の日本に、かつての元服に相当するような通過儀礼があるかといえば「就活」がそれに当たるかもしれません。ただし、就活は子供たちがある日突然、全員同じ服装をして、同じ言葉遣いをして、同じ価値観を共有することを制度的に求められるわけで、別に子供たちに「大人になること」を求めているわけではない。

むしろ、理想も正義感も捨てて、上の人間の言うことに無反省に従属する「イエスマン」になるための儀礼でしかない。

白井 その結果、日本はこの20年ぐらいで、普通の企業でも官僚の世界でも大学でも上層部は「イエスマン」しかいない社会になってしまった。

表向きは「個性が大事」とか言いながら、少しでも会社や上司に批評的なことを言ったり、大多数の人間と違う視点で考えたりする人間というのは非常に嫌われる。葛藤していない人間、つまり成熟していない大人のほうが出世できる仕組みになっている。

一方、上に立つ人間も自分が葛藤を捨てているので、下から何か異論を挟まれると、その異論を処理する能力もない。そう考えると日本社会の一番上にいる安倍首相というのは、そうした人間の典型で、彼のようなキャラクターというのが日本人のデフォルトになりつつあるということだと思うんです。

もちろん安倍首相にだって、個人的な内面の葛藤があったはずです。でも、彼はどこかの段階でそうした葛藤を殺しちゃったんでしょう。葛藤している人というのは、自分の中にもうひとりの自分がいて、絶えず「本当にそれでいいのか?」「違うんじゃないか?」と、心の中の「相方」が話しかけてくる。ですから、葛藤している人間は他人の意見もよく聞く。

最近の沖縄問題に関する議論でもそうですが、安倍さんが異論に対してまったく対話できないのは、彼が内的な葛藤をすべて捨てて、自分の中にシンプルなキャラクターを設定したことで成功を収めたからだと思います。その結果、自分に対してイエスという声しか聞こえない。

日本人が青年期を失い、社会が葛藤や逡巡(しゅんじゅん)を受け入れなくなって、大人への「成長」を放棄した人間がトップにまで上り詰めるような国になったということでしょう。

―日本はこの先どうなってしまうのでしょう?

内田 子供たちがバカをしても、まっとうな大人が要所を押さえていれば社会は回る。それくらいの余裕をもって社会は制度設計されています。でも、今ほど子供が増えて、大人が減ってくると、システムが綻(ほころ)びてくる。

集団が生き延びるためには、一定数の大人がどうしても必要です。「他の連中が好き勝手に子供をやっていても、せめて自分くらいは大人にならないと社会は回らない」と腹をくくる人が出てこないと話にならない。

白井 去年、大学の授業で延々と原発問題の話をしていたのですが、原発被災地から避難してきた学生がいて、「事故が起きた時、周りの大人たちは2、3日で帰れると思っていたけれど、自分はもう二度と故郷に戻れないと直感した」と言うんですね。

その学生が「授業を受けて、一番大事なことは自分の頭で考えることだと思った」とレポートに書いてきた。

原発事故の被害者だからこそ、自分は成熟しなければならない、大人にならなきゃいけない、周りの大人たちは見かけと違って大人じゃなかったと気づいたということですよね。そういう若者がどんどん増えてこないといけない。

内田 最近、政権与党や官邸があからさまな形で大手メディアに圧力をかけたり、メディアの側がそれに迎合したりというのが問題になっているけれど、それで徹底的な報道管制ができるわけではない。統制の及ばないメディアはいくらでもあるし、海外の新聞の日本についての報道もネットで簡単に読める。戦前とは状況が違います。

今の日本の状況を正確に理解して、自分の頭で考えて、大人になる道筋は整っている。あとは本人の決意の問題です。

●内田樹(うちだ・たつる)
1950年生まれ、東京都出身。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学名誉教授。京都精華大学客員教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。近著に『街場の戦争論』(ミシマ社)、『内田樹の大市民講座』(朝日新聞出版)、『竹と樹のマンガ文化論』(竹宮惠子氏と共著・小学館新書)、編著に『日本の反知性主義』(晶文社)などがある

●白井聡(しらい・さとし)
1977年生まれ、東京都出身。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。専門は政治学・社会思想。文化学園大学助教を経て、京都精華大学人文学部総合人文学科専任教員。著書に『永続敗戦論』(太田出版)、『日本劣化論』(笠井潔氏と共著・ちくま新書)、『偽りの戦後日本』(カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と共著・KADOKAWA)など

(構成/川喜田 研 撮影/祐実知明)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年5月24日 11:24:42 : 2DNR4Amrxs
戦後日本は「対米従属を通じて対米自立を実現する」ということそのものが、

戦後日本というのは、このアメリカの言いなりになるだけの間抜け国家としてしがみついてでも、このアメリカから自立するなんていう本質的な矛盾を、自ら明らかにしてくれたものでしかないのではないか、という真実を見破れば、これはもうキャリアコンサルタントからすれば、「日本国は精神的に極めて幼稚で傲慢なアダルトチルドレン国家に過ぎないのではないかと見受けられ、詳しいところは、精神科医に診断して頂く必要があるのではないかと見受けられる」というのが、私たち日本人に対する本質的な見立てそのものではないかというのを明らかにしてくれたものでしかないのではないかと見破れば、故小室直樹博士にしてみれば、「そりゃそうだろう。自民党が自ら招いたことでしかないのは言うまでもないが、こんなところにまんまと騙された日本人が、自ら招いたことでしかないということは、良く肝に銘じておくことだな」ということで、草場の影で大笑いしているに決まっているのではないかということを想定すれば、さすがに怒りなんていうものを通り越して、聞いて呆れるばかりとしか言いようがございませんね。

これを戦前の日本に置き換えれば、「お国のため、天皇陛下のため」と言っておきながら、権力欲に溺れた一部の権力者が、これを悪用して、天皇陛下を騙し、日本国民を騙し続けてきた挙句に、国を滅ぼす大罪を引き起こしてしまった大日本間抜け帝国に過ぎないし、靖国神社というのは、このような権力者に見事に騙されて、命を奪われた兵士を、責めてもの罪滅ぼしとして慰霊顕彰するための、間抜け神社にほかならないという真実を見破れば、大日本帝国軍性奴隷問題の前科をも裏付ける動かぬ証拠として、自ら明らかにしてくれたものでしかないと見破れば、中国や韓国にしてみれば、まんまと騙されたふりをして、幾らでも大日本間抜け帝国に対して、この責任を追求してくるに決まっているし、この責任から逃れようとしたところで、幾らでも日本国なんか容赦なくコケにされても当然のことでしかないというのは、ドイツに置き換えれば、フランスやロシアにこれと同じことをされるのと本質的には同じことであることに変わりないことは言うまでもありませんね。

ドイツが、これを逆手にとって、このフランスとロシアを相手にビスマルク外交に活かすならば、フランスを韓国に置き換えれば、日本がドイツを見倣って、韓国とロシアを相手にこれと同じことをすることで、対米自立に向かうことは簡単に実現することができるのは明らかなことだし、韓国にしてみれば、今度は日本がイギリスを見倣って、アメリカと中国を相手にこれと同じことをするならば、これをロシアをはじめ北朝鮮に対して、良いロールモデルとして示していくことにするならば、この結果として東アジアの平和と安定に繋がる結果を齎すことになるのならば、今度は日本国が、かつてのイギリスを見倣って、名誉ある孤立化をして東アジアの片隅に取り残される道を選択することで、多極化する国際社会の中で、ユーラシア大陸の内陸部が活性化するのを、そっと静かに暖かく見守り、寄り沿っていくことを通じて、そっと静かに幸せに暮らして行くことこそを誇りとして、良いお手本として示して行くことにすれば、もうこれだけでも簡単に領土問題は円満解決することもできるし、基地問題も全て解決することも出来るし、アメリカの言いなりになって戦争に参加する必要もないのは当然のことですが、二度と変な戦争に巻き込まれるようなこともなく、変なとばっちりを受けるようなこともなく、反日感情を向けられるようなこともなく、ただひっそりとした社会となって安定化させることが出来さえすれば、これだけで構わないだけのことではないでしょうか。


02. 2015年5月24日 14:45:37 : 62QaAmZ1Pg

明治維新と称する不正な「権力略取」と明治政府 

および明治天皇+天皇制度を 

明治以来の薩長権力に都合の良い詐欺的「新皇国史観」だけでなく

    いまこそ 

安部麻生 / 薩長三菱政権の権力基盤を 徹底的に洗い直す必要があるのでは 。。。

ジャーディンマセソンと武器商人 T.B.グラバー

アングロサクソンとユダヤ資本などが

北米大陸の南北戦争が終了後 大量にだぶついた武器弾薬を

軍資金とともに戊辰戦争に供与したことで

日本の南北戦争とも呼ぶべき 戊辰戦争が始まった

  それが今に連なっている事実を 明らかにしよう

土佐藩の下級武士の 妾腹 五男に生まれた竹内茂が

 なぜかジャーディンマセソン横浜支店長 吉田健三の養子となっていく

  吉田茂が 敗戦後の日本の舵取りをした経緯など

    看過できない 事実がふくまれる

 薩長三菱は 一五〇年前から 売国奴集団たったのでは 。。。

   
    


   



03. 2015年5月24日 15:38:24 : FFVYMOcRz2
薩長三菱=売国奴集団は
喜んで巨大金融資本の思惑通り
アジアで戦乱を起こした。

今のイスラム国と同じように思えるのですが。


04. 2015年5月24日 18:15:51 : ADhx9Txozv
つまり、敗戦の年、1945年に「坊っちゃん」は60歳だったということです。この世代が日露戦争
第1次世界大戦、大正デモクラシー、大恐慌、満州事変以後の戦争を経験し、敗戦までの日本を事実上
牽引(けんいん)してきたわけです。彼らが近現代日本において、子供たちの自己造形のロールモデル
だった。善し悪しは別にして、「坊っちゃん」や「三四郎」的な青年たちをモデルに子供たちは大人に
なる道筋を学ぶことができた。

その「青年」たちが消えたのが東京オリンピックの頃です。「坊っちゃん」が80歳になった頃に「青
年」たちは社会的な指南力を失った。そして、子供たちは成長の手がかりを失ったのです。

こういった単純な置き換えって面白いな。
同じように、よく激動する昭和から平成とかよくいってるけど
物理的な地球公転換算だと、
明治維新革命から敗戦まで < 敗戦から現在まで だからね
むしろ昭和平成の激動なんかより、経済以外は止まってるといった感じ
わざと止めているとも。

だから、敗戦直前の死に急ぎのもはや精神性のみが先鋭化した帝国軍人が
もしも明治初頭にタイムスリップしたら、、、
明治初頭の諸外国の脅威を目の前にした状況に置かれても
違和感を感じる度合いは、今の自衛官が自衛隊設立期にタイムスリップ
した時よりも大きいはず。

それをよせばいいのに無理に動かそうとしてる=今後新たに生まれる自衛官が
自衛隊の設立期にタイムスリップしたら大いに違和感を覚えるようにする
のが安倍政権。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK185掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK185掲示板  
次へ