http://www.asyura2.com/15/senkyo185/msg/367.html
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安全保障政策や軍事問題を語るなら、先の大戦に対する基本認識を示すのが政治家たる内閣総理大臣の責務だと思う。
だからといって、共産党志位委員長が例示したような戦勝連合国の見解をそのままオウム返し的に認めるのではなく、政治家として考えるところを率直に語るべきである。
違憲ではあるが、個別的自衛権であれ集団的自衛権であれ、軍事的対応を行えば必然的に人的損害が発生する。
そういうことが起きないよう従米政策を採ってきたわけだが、日本在留米軍が基地の外で軍事行動を起こしたからといって、それを自衛隊が軍事力を行使して排撃するのが合理的な判断と言えるのかという問題を考えると、自衛権行使や「国を守る」ということをただ言えばいいわけではないことはわかるだろう。
人類史のなかで多くの国や共同体がそうせざるを得なかったときがあったように、耐えがたきを耐えなければならない場合もある。国家指導者の“忍”の欠如が300万人を超える犠牲者につながることさえある(あった)のである。
安倍首相にはせめて、「最低でも、結果的に310万人の同胞が死に至り6年余の占領統治を受けることになった先の大戦はまちがいだった」と言って欲しかった。
そう言えば、周辺国からは負けたのが間違いだったのか?という声も上がるだろうが、国内向けでかつ“最低でも”という条件の発言と説明し、対外的には、8月15日の首相談話できちんと謝罪すればいいことでる。
菅官房長官の「「日本はポツダム宣言の受け入れを表明し、繁栄する国を築き上げた」という見解には違和感を覚える。ポツダム宣言の受け入れではなく、サンフランシスコ講和条約の締結であれば、「繁栄する国を築き上げた」といってもそれほど違和感はない。
ポツダム宣言は、日本国政府に対し戦後処理の方法や条件を示すことで日本軍の無条件降伏を求めたものである。言うならば、6年半に及ぶ被占領状態の出発点である。
※末尾にポツダム宣言添付:一項から五項までは日本を破滅的状況にする軍事的態勢の表明、六項から十二項までは日本に対する戦後処理の方法と条件の概要表明、最終十三項が“本命”の日本軍に対する無条件降伏勧告
共産党志位委員長も、先の大戦をどう総括するかは、ポツダム宣言ではなく、サンフランシスコ講和条約第十一条「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、・・・」についての見解を求めたほうがよかったように思う。どうせのらりくらりの対応で済ますだろうが...
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官房長官 ポツダム宣言「受諾したことに尽きる」[NHK]
5月21日 20時55分
菅官房長官は午後の記者会見で、安倍総理大臣が20日の党首討論で、ポツダム宣言への認識を問われたことに関連して「日本はポツダム宣言の受け入れを表明し、繁栄する国を築き上げたわけで受諾したことに尽きる」と述べました。
20日行われた党首討論で、安倍総理大臣は共産党の志位委員長から、ポツダム宣言への認識を問われたのに対し「『日本が世界征服をたくらんでいた』ということ等は、その部分をつまびらかに読んでおらず、承知はしていないので論評は差し控えたい」などと述べました。
これに関連して、菅官房長官は記者会見で「ポツダム宣言は、わが国は受け入れを表明し受諾をして、今日の豊かで平和で自由で繁栄する国を築き上げてきたわけで、受諾したことに尽きる」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は記者団が「安倍総理大臣はポツダム宣言を読み直してみずからの認識を表明する考えはあるのか」と質問したのに対し「受諾をしているわけで、それに尽きる」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150521/k10010087431000.html
※参考資料
ポツダム宣言
千九百四十五年七月二十六日
米、英、支三国宣言
(千九百四十五年七月二十六日「ポツダム」ニ於テ)
一、吾等合衆国大統領、中華民国政府主席及「グレート・ブリテン」国総理大臣ハ吾等ノ数億ノ国民ヲ代表シ協議ノ上日本国ニ対シ今次ノ戦争ヲ終結スルノ機会ヲ与フルコトニ意見一致セリ
二、合衆国、英帝国及中華民国ノ巨大ナル陸、海、空軍ハ西方ヨリ自国ノ陸軍及空軍ニ依ル数倍ノ増強ヲ受ケ日本国ニ対シ最後的打撃ヲ加フルノ態勢ヲ整ヘタリ右軍事力ハ日本国カ抵抗ヲ終止スルニ至ル迄同国ニ対シ戦争ヲ遂行スルノ一切ノ連合国ノ決意ニ依リ支持セラレ且鼓舞セラレ居ルモノナリ
三、蹶起セル世界ノ自由ナル人民ノ力ニ対スル「ドイツ」国ノ無益且無意義ナル抵抗ノ結果ハ日本国国民ニ対スル先例ヲ極メテ明白ニ示スモノナリ現在日本国ニ対シ集結シツツアル力ハ抵抗スル「ナチス」ニ対シ適用セラレタル場合ニ於テ全「ドイツ」国人民ノ土地、産業及生活様式ヲ必然的ニ荒廃ニ帰セシメタル力ニ比シ測リ知レサル程更ニ強大ナルモノナリ吾等ノ決意ニ支持セラルル吾等ノ軍事力ノ最高度ノ使用ハ日本国軍隊ノ不可避且完全ナル壊滅ヲ意味スヘク又同様必然的ニ日本国本土ノ完全ナル破壊ヲ意味スヘシ
四、無分別ナル打算ニ依リ日本帝国ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍国主義的助言者ニ依リ日本国カ引続キ統御セラルヘキカ又ハ理性ノ経路ヲ日本国カ履ムヘキカヲ日本国カ決意スヘキ時期ハ到来セリ
五、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス
六、吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス
七、右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマテハ聯合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スルタメ占領セラルヘシ
八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ
九、日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ
十、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ
十一、日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ
十二、前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ聯合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ
十三、吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス
(出典:外務省編『日本外交年表並主要文書』下巻 1966年刊)
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