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若者世代の選挙意識の実態は?
国会審議始まる18歳選挙権 若者の選挙意識はお任せ民主主義〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150521-00000001-sasahi-pol
週刊朝日 2015年5月29日号より抜粋
戦後70年守られた「専守防衛」を「戦える国」に一変させる“戦争法案”こと安全保障関連法案がついに閣議決定された。安倍政権は次なる野望、憲法改正へ向かって走りだした。そのツールとされるのが、今国会で審議が予定されている18歳選挙権だ。しかし、若者世代の選挙意識は? その実態をジャーナリストの桐島瞬氏がリポートする。
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今国会で選挙権年齢の引き下げが実現すれば、来夏の参院選から18歳以上に選挙権が与えられる。各政党は新有権者の囲い込みに本腰を入れようとしているが、肝心の若者の政治意識は高いとはいえない。
昨年12月の衆院選での20代の投票率は33%で年代別では最低。全体平均より20ポイント低いうえ、最も高い60代の半分以下だ。
筆者が大手私大に通う学生約30人に意識調査をしたところ、55%が18歳選挙権のことを知っていたが、20歳以上で投票経験があるのは38%だった。
「マニフェストが守られず、政治に期待できない」(19歳、女性)、「政治家は裏で何をしているのかわからず、信用できない」(19歳、女性)など、根底には政治不信があるようだ。
東洋大学の林大介助教(社会学)が言う。
「02年に福岡県北野町で行われた市町村合併構想に関する住民投票では、大人の投票率が70%、18歳以上の未成年は67%で差がほとんどなかった。自分たちの一票が地元の行く末を左右するとの意識が投票率を上げたからです。国政といった身近な距離から遠ざかる選挙だと、誰かがやってくれるという『お任せ民主主義』になりがちだが、そうしないことが大切です」
“戦争法案”が可決されれば、戦地に赴くリスクを背負うのは若者。それなら、若者の意見は選挙を通じて十分に反映されなければいけないはずだ。
若者の選挙意識を高める一策として林氏は4月、統一地方選に合わせて模擬選挙を実施し、約200人の学生が投票した。参加した塩村夏子さん(19)は「20歳になれば選挙に行きたい」と興味を抱いたという。
「学生らも政治を考えているが、友達から『意識が高いヤツと思われたくない』などの理由から話をしない。模擬選挙などを通じて、当たり前に政治を話せるようになればいい」(林氏)
都内の郁文館グローバル高校では「社会のことに幅広く関心を持ってもらう」(土屋俊之教頭)ために、生徒が全校生徒の前で新聞を読んで意見表明を行う取り組みを続けている。
生徒の勝山信哉さん(17)は「最初はやらされていた感じ」だったが、今では友人や家族と時事問題を話すまでになった。
しかし、こうした学校の地道な取り組みで、若い世代の政治意識を育てるには、時間を要する。
となると、まもなく誕生するだろう新有権者層は、SNS戦略などに余念のない安倍政権色に染まり、改憲志向に傾くのだろうか。政治評論家の有馬晴海氏が言う。
「自民の中でも半分ぐらいは改憲に反対。それなのに、安倍首相に背くことを恐れて、政治家がものを言えない風潮にある。改憲反対の声が届かないまま、数で押し切ろうとするのは、民主主義とは言えません」
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