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【党首討論】
論戦かみあわず 安倍首相は武力行使3要件を説明 民主・岡田氏は各論ネチネチ追及
http://www.sankei.com/politics/news/150520/plt1505200066-n1.html
安倍晋三首相と民主党の岡田克也代表は20日の党首討論で新たな安全保障法制をめぐり火花を散らした。国民の理解を得て今国会成立を期したい首相に対し、集団的自衛権行使に反対を掲げ、世論の支持を取り付けたい岡田氏。国民世論を強く意識して臨んだ論戦だったが、議論はかみ合わず消化不良の印象を与えた。
岡田氏が党首討論に立つのは平成17年4月以来、約10年ぶり。民主党政権時代には外相を務め、安全保障政策に通じるだけに、先陣を切って首相を追い込みたい考えだった。そのため岡田氏は「自衛隊のリスクが高まるのではないか」「米国の戦争に巻き込まれるのではないか」といった質問を繰り出し、国民に問題点を訴えようとした。
しかし、首相はその筋書き通りに答弁することは避け、集団的自衛権を行使すべき「武力行使の3要件」を説明することに時間をつぎ込み、法案の正当性を強調することに努めた。
これは、首相に“逃げ”の姿勢があったからではない。首相にとって、14日に閣議決定したばかりの安保法制を国民に説明できる絶好の機会だったからだ。国民の生命と財産を守るための安保法制という趣旨が、一部の野党やマスコミによる「戦争法案」とのレッテル貼りにかき消され、浸透していない焦りもある。
首相は討論中、自身の答弁をかき消すほどの大きなやじを飛ばす野党議員にいらだちを隠さず、「皆さんが分かっているかどうかではなく、国民に理解をいただきたいから、あえて3要件を説明した」と声を荒らげる場面もあった。
また、党首討論の場であれば、逆質問するチャンスもあった。しかし、あえてそれを封印したのも、法制の意義を国民に説明する機会と捉えていたからだ。
だが、岡田氏は「納得できない」と反発し、討論後も「聞いていないことを延々と答えている。一国の首相としてどうかと思う」と記者団に不満をぶつけた。
両氏とも国民への「分かりやすさ」を求めたことでは共通していた。それがかえって自身の主張を述べ合うだけになり、議論が一方通行になってしまった。
公明党の山口那津男代表は討論後、記者団に「かみ合った議論にはなり切れていなかった。お互いの主張を言い合うより、早く平和安全法制特別委員会で本格的な議論をすることが国民に正しく伝わる道だ」と指摘した。(峯匡孝)
[産経ニュ−ス 2015/5/20]
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