05. 2015年5月20日 19:28:18
: XxYT52PPyk
党首討論 安保法制関連法案など巡り議論 5月20日 18時16分 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150520/k10010086101000.html今の国会で初めての党首討論が行われ、安全保障法制の関連法案に盛り込まれている外国軍隊への後方支援について、民主党の岡田代表が、自衛隊の活動範囲が広がりリスクが飛躍的に高まると指摘しました。これに対し、安倍総理大臣は、活動場所で戦闘が起きたときは直ちに一時中止することを明確に定めているなどとして、指摘はあたらないという認識を示しました。 この中で、民主党の岡田代表は、後半国会の焦点の安全保障法制の関連法案に盛り込まれている集団的自衛権の行使について、「米軍とある国が戦っているときに新3要件に該当して自衛隊が出て行って戦うことは、限定的な集団的自衛権の行使だ。そのときに、相手国の領土、領海、領空に及ぶのは当然だと思うが、そういうことは制限されているのか」と指摘しました。 これに対し、安倍総理大臣は「新3要件の中には、はっきりと『必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと』と書いてある。そこから導き出される結論として、今までと同様、海外派兵は一般に禁止されている。他国の領土に、いわば戦闘行動を目的に自衛隊を上陸させて武力行使をさせる、あるいは領海や領空において、そういう活動をする、派兵をする、ということはない。大規模な空爆をともに行う、等々のことはない」と述べました。 また、岡田氏は後方支援について、「どう見ても活動範囲は飛躍的に広がった。戦闘に巻き込まれる自衛隊のリスクは飛躍的に高まるのではないか。そういったことを正直に説明するなかで、安全保障の議論は深まる」と指摘しました。これに対し、安倍総理大臣は「戦闘が起こったときには、直ちに部隊の責任者の判断で一時中止をする、あるいは退避をすると、明確に定めている。戦闘に巻き込まれることがなるべくないような地域をしっかりと選んでいくのは当然だ。安全が確保されている場所で後方支援を行っていく」と述べ、指摘はあたらないという認識を示しました。さらに、岡田氏は「『アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対ありません』と言うが、本当に絶対ないのか。断定的で、ある意味では粗雑なものの言い方では、国民の理解は深まらないし、ちゃんとした議論にならない」と述べました。 これに対し、安倍総理大臣は「アメリカとどこかの国が戦闘をしていて、例えば『助けてくれ』と言われても、自動的に『ここへ行く』ということはありえない。日本の意思に反して日本が戦闘活動に巻き込まれていくということは当然ないのは当たり前だ。『巻き込まれ論』はありえない」と述べました。 維新の党の松野代表は、「われわれの政党は、政府が改革を進めるならば、きちんと協力し、後退するならば、しっかり追及していく。何でも反対の野党をつくるつもりはない。憲法改正を胸襟を開いて話し合い、しっかりやりたい。戦後70年の節目に堂々と出していただきたい」と述べました。そのうえで、松野氏は安全保障法制の関連法案について、「国会をまたぐ覚悟で国会審議に重きを置いて、国会審議によって、さまざまな問題点が国民に伝わり、国民が覚悟ができる時間を作っていただきたい」と求めました。 これに対し、安倍総理大臣は「北朝鮮は数百発の弾道ミサイルの配備をしていて、核開発も進んでいる。この10年間で自衛隊のスクランブルは7倍に増えた。こういう現実を踏まえ、立法府の責任とは何かを考え、決めるべきは決めていく。やるべき立法は作っていく姿勢が大切だ。国会において、審議期限がありきではない」と述べました。 また、松野氏は「この場で当時の野田総理大臣と自民党の安倍総裁が、国会議員定数の大幅削減を消費税増税の前までにやると約束して野田総理大臣は解散したが、いまだにできてないというのは一体どういうことだ」と指摘しました。 これに対し、安倍総理大臣は「定数削減を進めていくということで同意したが、私からは、『少数政党の意見も聞いて土俵を作っていくべきだ』と申し上げた。私たちはすでに30人削減という案を示しているが、国会で多数を持っているからといって、直ちにこれで決めていいとは思わない。民主主義の土俵は、議会で各会派がしっかりと議論して、結論を出していく」と述べました。 共産党の志位委員長は、「ことしは戦後70年で、節目の年にあたって、安倍総理大臣自身がどういう基本姿勢をとるかは大変、重大な問題だ。過去の日本の戦争は間違った戦争という認識はあるか」とただしました。 これに対し、安倍総理大臣は「先の大戦において多くの日本人の命は失われ、同時にアジアの多くの人々が戦争の惨禍に苦しんだ。不戦の誓いを心に刻み、戦後の70年間、平和国家としての歩みを進めてきた思いに全く変わりはない。当然、村山談話や小泉談話、節目節目に出されている政府の談話を、全体として受け継いでいく」と述べました。 一つ一つ丁寧に答えた 菅官房長官は午後の記者会見で、「安倍総理大臣は一つ一つに非常に丁寧にお答えになったのかなと思っている。安全保障法制に関しても、限られた時間の中で国民の皆さんに理解を少しでも深めてもらいたいという安倍総理大臣の真摯(しんし)な思いが出ていた」と述べました。そのうえで、菅官房長官は、安全保障法制の関連法案の取り扱いについて、「特別委員会が設置されたわけで、できるだけ早く委員会を開催して議論を進めていくことが大事だ。政府とすれば、その中で理解を深めることができればと思う」と述べました。また、菅官房長官は、安全保障法制を整備することで自衛隊のリスクが高まるのではないかという指摘について、「そこはありえない。日米が隙のない、切れ目のない連携をすることが可能になるので抑止力が高まる」と述べました。 平和安全法制の議論はきょうがキックオフ 自民党の谷垣幹事長は国会内で記者団に対し、「一人一人の時間は必ずしも十分だったとは言えないが、平和安全法制の議論のきょうがキックオフだ。国会論戦を積み重ねていくと、いろいろな議論が深まっていくのではないか。安倍総理大臣も、基本的なことを説明しようという気持ちを打ち出した」と述べました。 非常に残念な答弁だった 民主党の岡田代表は国会内で記者団に対し、「非常に残念な答弁だった。自衛隊員の後方支援でのリスクを改めて聞いたが何も答えていない。リスクが高まらないはずはないが、そのことについてずっと逃げて、答弁しないという姿勢は非常に残念だ。また、集団的自衛権を行使する場所について、安倍総理大臣は、アメリカ軍と戦っている相手国の領土、領海、領空は、『ない』と言ったが、法文のどこを見ても、そんなことは書いていない。答弁を修正するか、法文を修正して出し直すべきだ」と述べました。 早く特別委員会で本格的な議論を 公明党の山口代表は国会内で記者団に対し、「限られた時間の中で、それぞれの主張を並べるということになり、とくに平和安全法制に関するやり取りは、かみ合った議論になっていなかった。早く、特別委員会で本格的な議論をすることが、国民に法案の内容が伝わるいちばんの道だ」と述べました。 答弁がだらだらと長い 維新の党の松野代表は国会内で記者団に対し、「安倍総理大臣の答弁はだらだらと長く時間を潰している。調子のいいときだけ『少数政党にも配慮する』と言いながら、安全保障法制の特別委員会は少数政党が入れない形で設置するなど、都合が悪いことになるとはぐらかす印象だった。議員定数の削減に後ろ向きな感じがしたし、行政コストを下げる努力をしようという気迫も、全く感じなかった」と述べました。 総理大臣の資格がない 共産党の志位委員長は記者会見で、「日本の戦争は、間違った戦争だという認識が明記されているのがポツダム宣言で、この認識を認めるのか繰り返し聞いたが、ついに認めるとは言わなかった。これは、戦後政治の原点の否定だ。戦後の日本の民主化の原点になった、この歴史的文書を読んでないというのは驚きで、それだけで、総理大臣の資格がない」と述べました。
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