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[FT]TPP締結でも中国を抑え込めない米国
2015/5/19 14:45日本経済新聞 電子版
米オバマ大統領はなぜそれほどまでに環太平洋経済連携協定(TPP)締結にこだわるのか。公式な答えとされてきたのは、TPPによって環太平洋12カ国の垣根を取り除き、より大きな繁栄をもたらすことができるとオバマ氏が考えている、ということだが、端的に言えば、答えは「中国」につきる。
オバマ大統領。民主党の集会で、アジア諸国との貿易の重要性を力説、雇用も生み出せるとした(8日)=ロイター
TPPに関する重要な事実は、TPPが米国と日本のほかに環太平洋の10カ国が参加する協定だということだ。ここに中国の存在はない。TPPを巡る米政府の議論の多くは、貿易交渉につきまとうありふれた議論、つまり農業従事者、通貨、知的財産に関することだ。だが、オバマ氏と安倍首相の根底にある(TPPに対する)もくろみは戦略的なものだ。
残念なことに、TPPが仮に締結されても、日米政府にとっては、その地政学的な期待を全てかなえられるほど意味あるものでもない。
■オバマ氏「中国がルールを確立してしまう」
TPPの背景にある戦略的な論理を議論することは難しかった。なぜなら、米国は最近まで中国を除外している理由について率直に語ることはなかったからだ。公式な見解としては、中国経済は参加国が得る利益に見合うほど十分に開かれていないということだった。しかしオバマ氏は、数週間前に米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に対して、TPPが貿易問題以上であるとの認識を示した。TPP締結が重要な理由として「もし米国がルールを作らなければ、中国がルールを確立してしまうだろう。そうなれば米国が締め出される。米国は、中国が規模の力で地域の国々を抑え込むことを望まない」と明かしたのだ。
オバマ氏は、議論をなおも経済的観点に落とし込んだが、米外交政策機関は、パワーポリティクスによる様々な問題を明確にしようと前向きだ。最近話題になった米外交問題評議会の報告書によると、「中国を自由な国際秩序に統合する」この数十年の米国の取り組みが、実際は裏目に出ていると指摘した。というのも、いまや中国の力が米国の「アジアの優位性」を脅かしているからだ。同報告書の著者で、米国の最も著名なアジアウオッチャーであるロバート・ブラックウィル氏とアシュレイ・テリス氏は、「米国の親密国や同盟国で、意識的に中国を除外した機関を通じ、新しい選択的な貿易協定」など様々な対抗策について論じる。つまりこれがTPPの定義だ。
経済的側面を見ると、米国は、中国が主な出資国であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を米国の重要な同盟国に思いとどまらせることができないという屈辱を受けた。いまや米国はAIIBが、中国が提唱する「シルクロード(一帯一路)構想」を促進するための手段になってしまうのではないかと危惧している。この構想は、中国を中心としてアジア環太平洋地域をまたいだ新たなインフラ網を築くというものだ。
このような影響力低下に直面し、オバマ政権はアジア太平洋地域における米国の影響力を、目に見えるTPPという形で確保しようと意気込んでいる。オバマ氏は、外交政策における独自の取り組みの一つにアジアの「リバランス」(再均衡)政策を掲げた。米政府高官は、リバランス政策が健在で機能していることを示すためにTPPが重要になったと認めている。
■中国、既にアジア内で貿易の重要国に
しかしながら、TPPは負わされた責任ほど、戦略的期待に応えられない。まず、参加する12カ国が合意できるかも、米国が大統領貿易促進権限(TPA)法案を可決できるかも全くはっきりしない。オバマ氏は議会でTPA法案の審議入りで苦戦し、(期限内の可決に)警告が発せられた。
より重要なのは、アジア経済において中国がその中核になることを阻止するにはもう手遅れだということだ。中国は既に日本、シンガポール、オーストラリアといったTPPの重要交渉国の最大貿易相手国になっている。そして米国自身にとっても中国は2番目に大きな貿易相手国だ。中国はTPP交渉に参加していないアジアの主要2カ国、韓国とインドの最大貿易相手国でもある。実際オバマ氏は先週、議会でTPPを存続させるべく奮闘していたが、インドのモディ首相は訪問先の中国で220億ドルにのぼる(投融資を含めた)合意や覚書に調印した。
モディ氏は中国とのビジネスに熱心だが、インドが中国の台頭に完全に気を許しているわけではない。域内の米国の親密国や同盟国と同様に、インドは米国がアジアで軍事的存在感を高めるよう促している。だが、米国が依然としてアジア太平洋地域において支配的軍事力を持つ一方、中国はいまや卓越した経済力を持つ。TPPはこの現状を変えるだけの影響力もないうえに、時期をも逸しているようだ。
By Gideon Rachman
(2015年5月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO86973580Z10C15A5000000/
東京市場 甘利再生相 TPA可決がないとTPPまとまらない
掲載日時:2015/05/19 (火) 09:21
甘利経済再生相は閣議後に記者団に答えた。TPP問題について、TPA(大統領貿易促進権限・ファストトラック)法案が米国の上下院で可決しないと、TPPはまとまらないとした。
同法案については共和党の上院院内総務が週内の可決に自信を示したほか、下院の共和党幹部も可決見込みを示している。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=257487
TPP反対派のウォーレン議員、外国の労働者保護で大統領を非難
By WILLIAM MAULDIN
原文(英語)
2015 年 5 月 19 日 15:19 JST
オバマ大統領の貿易政策を批判する急先鋒の一人、ウォーレン上院議員(16日、カリフォルニア州アナハイム) Damian Dovarganes/Associated Press
エリザベス・ウォーレン米上院議員(民主党、マサチューセッツ州)はこれまで、上院で審議にかけられている貿易条項が、高評価を得ている自らの金融規制を骨抜きにする可能性があると声高に警告してきた。オバマ大統領の貿易政策を批判する急先鋒(せんぽう)の一人であるウォーレン議員が、今度は貿易協定に関連して、大統領が外国の労働者保護をおろそかにしているとして非難している。
TPP 特集
ウォール街の金融規制改革の提唱者であるウォーレン氏は「Broken Promises(破られた約束)」と題した新たなリポートで、オバマ氏や歴代大統領が現在交渉中の環太平洋経済連携協定(TPP)などの貿易協定の交渉で労働者の権利や賃金の保護について十分な対処をしてこなかったと述べた。ウォーレン氏のこうした批判は、大統領への貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)付与法案の表決で民主党議員の票確保は難しいのではとの懸念を裏付けるものだ。
ウォーレン氏は「言っていることと現実が合っていない」とし、「広い範囲にわたって施行上の問題と不備がある」と指摘した。
TPA法案は、TPP案の完成後にそれを修正することなく議会で適時に最終投票を実施できるようにするためのもので、上院で現在、審議が進んでいる。上院は早ければ今週にも法案を承認する可能性があるが、下院での可決は一段と難航する公算が大きい。下院ではTPA法案に反対する過半数の民主党議員に多くの保守派が賛同している。
TPA法案とTPPを最も厳しく批判してる人たちは、主に労働者団体と懸念を共有する民主党議員だ。TPP交渉にはベトナムをはじめとする労働基準の低い国も参加しており、TPP締結によって国境間の障壁が取り除かれ、生産拠点の海外移転(オフショアリング)や業務の外部委託(アウトソーシング)が一段と進む可能性が危惧されている。
そうした懸念に対抗しようと、大統領はTPP交渉では労働や環境規制についても協議されていることを強調している。大統領は最近、ベトナム製のシューズを販売しているスポーツ用品大手ナイキの本社を訪れ、TPPがベトナムの諸基準にとっても有益であると説明した。
ウォーレン氏と大統領は貿易をめぐって何週間も辛辣(しんらつ)なやり取りをしている。大統領はウォーレン氏が不当な危惧をあおり、交渉中の協定の事実を無視していると非難している。ホワイトハウスは、TPPでの労働と環境に関する施行規則が過去の協定――特に大きな批判を浴びた北米自由貿易協定(NAFTA)――と比較して、厳しい内容になっていると述べている。
ウォーレン氏は「破られた約束」のリポートの中で、オバマ氏や歴代大統領が労働規則の施行を確約したにもかかわらず、実際はあいまいな結果に終わっていることを詳しく説明している。会計検査院の検査報告を引用し、オバマ政権下では、労働省が貿易相手国の労働基準についてほとんど調査しておらず、調査を実施した場合も繰り返し期限を超過したと指摘している。
NFTAでは、クリントン政権が労働基準の向上を約束したにもかからず、メキシコでの高い労働基準の確保について十分な措置が取られなかったとして批判されている。
下院では、サンダー・レビン議員(民主党、ミシガン州)が中心となって、ベトナムでの労働者保護の強化を要求している。
マイク・フロマン米通商代表の事務所は昨年9月、中米諸国との貿易協定に関連して、グアテマラに対して労働訴訟を起こすことを発表した。フロマン氏は当時、こう述べている。「われわれは依然、ガテマラが現場の労働環境を具体的に向上させることができることを期待している。そうなれば世界に前向きなメッセージを送ることになり、投資の誘致や経済活動の拡大、包括的成長の推進を後押しすることになる」
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