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「将来の日本「良い国にならない」66% 暮らし守り文化的大国に」
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/907.html
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団塊世代「里帰り」のすすめ
いまだに「医師不足は地方の問題」と思っている人が多いかもしれないが、今後医療・介護施設不足が深刻化するのはむしろ大都市の方である。団塊世代をはじめ高度成長期に地方から出てきた人たちが一斉に高齢化していくのだから、それも当然といえよう。
もともと大都市の生計費は地方に比べかなり高い。それでも暮らす人が多いのは、都会には生計費以上に高い収入を得る機会があるからだ。ならば、リタイアした高齢者が大都市に住み続ける理由は乏しい。芸術鑑賞や高級料理など、都会にしかない消費機会を求める富裕層にはせっせとお金を使ってもらえばいい。だが普通の高齢者は自然環境にも恵まれた地方で暮らす方が合理的だ。
もちろん、移住先は故郷でなくてもいい(夫婦で出身地が違うことは多い)。空き家急増に悩む自治体が多いのだから、家賃は当然安く、地方暮らしで生計費は大幅に下がるはずだ。将来、都会で介護難民になってしまうリスクも低下する。
一方、年金を背負った高齢者がやって来て、消費をしてくれれば、地方は大歓迎である。いずれは医療・介護需要が増えて、地方が強く求める雇用機会の創出につながる。また大都市では、将来の医療・介護分野の人手不足を緩和できる。
都市と地方のコスト差を考えれば介護費用などは節約が可能となろう。まさに地方創生策にも、人手不足対策にも、歳出削減策にもなる一石三鳥の妙案ではないか。実際、政府でも地方創生策として、高齢者の地方移住の議論が始まっているようだ。
ただ、ここで大きなネックとなるのは、公的な医療・介護保険の運営主体が地方自治体となっている点である。本紙「経済教室」欄でアジア成長研究所の八田達夫所長と学習院大の鈴木亘教授が指摘されたように、現行制度では移住した高齢者の医療・介護利用が増えれば、地方財政がパンクしてしまう。移住元の大都市がその費用を負担するような財政的仕組みを早急に検討することが求められる。
もう一つのネックは、都会の高齢者が将来の医療・介護施設の不足問題を十分に認識していない点にある。衰えた後では移住も難しくなることを考えると、団塊世代がまだ元気な今のうちに「里帰り」の啓蒙活動を始める必要があろう。
(希)
[日経新聞5月12日朝刊P.19]
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