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2015年5月18日
大阪都構想の住民投票で大阪市民が賢明な判断を示した。
投票率は66.83%。
大阪府知事選とのダブル選となった2011年の市長選での投票率60・92%を5・91ポイントも上回った。
日本政治を立て直すには主権者が参政権を行使し、正しい判断を示す必要がある。
大阪市民の責任ある行動に心から敬意を表したい。
僅差で「反対」が「賛成」を上回った。
この住民投票は、大阪都構想の是非そのものよりも、今後の日本政治の方向に強い影響を与えるという側面により重要な意味があった。
したがって、私はブログ、メルマガ記事で、大阪都構想の是非ではなく、安倍晋三政治の暴走を阻止するための判断を重視して投票してほしいと訴えた。
僅差ではあったが、私が期待した通りの結果が示された。
このことを率直に喜ぶとともに、賢明な判断を示された大阪市民に心から感謝申し上げたい。
もちろん、主権者の意見、判断はさまざまである。
特定の考えだけが正しく、それ以外が間違っているということではない。
重要なことは、問題をよく論議して、主権者が参政権を放棄することなく、熟慮して権利を行使することである。
そのうえでの決定であるなら、民主主義のルールに沿って、決定を認めてゆくしかない
私は日本の地方自治を根本から刷新するべきだと考えている。
「地域のことは地域が決める」
というのが地方自治の本旨である
「主権者の主権者による主権者のための政治」
を実現する基礎は地方自治にある。
地域に基本的にすべての権限を付与する。
そして、すべての地域が地域独自の意思決定を行う。
これが本来の地方自治である。
その際に重要なことが二つある。
一つは一つの自治体の人口数を平準化することだ。
いま一つは中央政府の権限を基本的に地方政府に付与することである。
そして、各自治体が独立性のある政治、行政を実現する。
これを目指すべきである。
具体的には、日本を人口40万人規模の300自治体に再編するべきだ。
現在の村のなかには、人口200人という村もある。
しかし、200人の村にすべての地方自治の権限を付与することは難しい。
最大の問題は人材の層の厚さだ。
人口40万人規模で平準化させる目的は、人材の層の厚さを平準化することである。
現在の小さな自治体の庁舎は、広域自治体の支所として活用し、人口40万人規模の陣容を確保するべきだ。
こうすれば、すべての自治体が必要十分な独立行政の体制を確立することができるだろう。
この面から考えれば、人口が210万人の大阪市を五つの自治体に分割するという発想は決して間違っているものではない。
しかし、現行の特別区の制度で分割しても、各自治体の独立性は著しく制限されたものにしかならない。
日本全体の問題であり、大阪だけが単独で特別区を創設しても、その効果は極めて限定的だ。
今回の住民投票が重要な意味を持ったのは、都構想の是非を判断する住民投票だったからではない。
投票結果で大阪都構想が実現すれば、橋下市長が任期いっぱいで市長を辞任して、来年夏の参院選に出馬し、安倍晋三氏と憲法改定に突き進むことが予想されていたからである。
こちらの問題の方が、はるかに重大で、影響の大きいものだったのだ。
幸い、都構想が否決されて、橋下徹氏は任期満了後に政治家を辞めることを明言した。
記者会見では、過去に「2万パーセントない」と断言して、のちに翻したことについても質問が飛んだ。
橋下氏は今回はウソをつく必要がないから、ウソはつかないと明言したが、憲法改定を推進する勢力が執拗に橋下氏の国政進出を画策する可能性が残されている。
しかし、政治家がウソをつくことが、現在日本政治の劣化の最大の原因になっていることを、私たちは忘れてはならない。
万が一にも橋下氏が参院選に出馬する行動を示したときには、そのときこそ、大阪市民は怒りの鉄槌を橋下氏に下すべきである。
大阪都構想住民投票は、暗黒の日本政治に一筋の光差し込ませる重要な契機になったと思われる。
人々が大同団結して、参政権を間違いなく行使すれば、道は拓けるのである。
「オールジャパン平和と共生」連帯運動に大いなる勇気と希望を与える住民投票となった。
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