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安倍首相、じつは自民党にとって天敵説|プチ鹿島コラム
http://dmm-news.com/article/967828/
DMMニュース 2015.05.17 15:50
安保政策を大転換ということで大騒ぎです。
「日米同盟の抑止力強化 安保法案を閣議決定」(読売新聞)
「反戦、ここが正念場 安保法案 閣議決定」(東京新聞)
安倍首相が登場して「戦後レジームからの脱却」と最初聞いたときは「日本はアメリカとの体育会関係を脱してマイペースでいくのか」と思った。しかしむしろアメリカ先輩との関係強化らしい。これって戦後レジームの脱却なのか強化なのかわからなくなってきた。
■安倍首相はなぜ憲法改正を堂々と問わないのか
こういうときは別の面から考えてみたい。先日ライブのなかで政治家の新ニックネームを勝手に発表した。鳩山由紀夫は「平成の風船おじさん」(フラフラ飛んでゆくから)、プーチンは「あばれる君」。今なら鳩山さんは「ドローンおじさん」でもいいかもしれない。
そして安倍首相は「じっちゃんの名にかけて」にした。「いつも心に岸信介」という意味である。そう考えたほうがニュースが少しわかりやすくなる気がする。
《12年12月、政権に返り咲いた首相は就任直前、敬愛する祖父・岸信介元首相に自らをなぞらえるかのように墓前でこう語った。「祖父は混乱の時代に日米安保条約を改定した。同じ信念と決断力で恥じない結果を出していくと報告した」》(5月15日 朝日新聞デジタル)
まさに「じっちゃんの名にかけて」ではないか。「昭和の妖怪」岸信介は、果たして平成の世に甦ったのである。
さてもうひとつ。なぜ憲法改正を堂々と問わないのかという謎である。姑息にみえる。平等に言うなら同じことは「憲法9条をノーベル平和賞に」という主張にも感じる。解釈改憲をするのも、ノーベル賞頼みの護憲も、どちらも「議論の棚上げ」をしているようにみえる。それぞれの安全圏に逃げているとしか思えない。両派がそうなら、今現在も「護憲か改憲か」と迷ったり考えてしまう人間はどうしたらいいのか。
熱い議論がみたいのだ。
最後に。安倍首相こそ自民党にとってじつは異端な存在なのではないかという説である。そもそも自民党にとって憲法改正は党是。目標のひとつ。だからこそ、憲法改正を最初に訴えないで閣議決定や安保法制の関連法案を出して自衛隊のあり方を変えようとする安倍首相は異端だ。自民党の伝統の天敵かもしれない。
最終ゴールが憲法改正というかもしれないが、この手を使ったらめんどくさい改正の必要もなくなる可能性もある。「異議あり」と思う自民党の政治家はいないのだろうか。
野党のツッコミより、自民党内からのツッコミのほうが説得力があると思うのだが。
著者プロフィール
putikashima
お笑い芸人(オフィス北野所属)
プチ鹿島
時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。
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