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藤井聡・京大大学院教授(C)日刊ゲンダイ
橋下市長の作戦に騙されるな 「大阪都構想」反対派論客が警鐘
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159875
2015年5月16日 日刊ゲンダイ
【特別寄稿】藤井聡(京大大学院教授)
「大阪都構想」の住民投票を前にして、メディア各社も入り乱れての大論戦が繰り広げられていますが、言論空間はかなり荒れていて、言葉遣いもずさんになってきています。
例えば、ある報道には「(橋下市長が)賛成が上回った場合、平成29年4月の『大阪都』実現に伴う『都知事』には、『松井一郎大阪府知事がなるだろう』と述べ(た)」とありました。今回賛成派が勝てば、「大阪府」が「大阪都」に変わるかのような印象を与えますが、実はそんなことはありません。賛成が上回っても行政の仕組みが変わるだけで、名前は「大阪府」のままです。名前を変えるには別の法律改正と、また別の住民投票が必要になります。「府民」は「都民」にはなれません――というようなチョー基本的なところからして、十分に客観的な「事実」が周知されていないのです。だから、多くの人がまだ迷っておられる。
こうした状況では「ムード」や「ラストメッセージ」で最終的な投票行動が左右される可能性があります。
まずは「ムード」。橋下氏は昨年の衆議院選挙の投票日前日、演説で「完敗! もう負けを認めます」「努力を怠ったらこうなる」などと殊勝な発言を連発、フライングで敗北宣言を行いました。この演説で、「橋下さんを応援しようや!」という「ムード」が一気に広まり、大阪で大勝利を収めました。この顛末について、橋下氏は選挙後の記者会見で、それが「作戦」であったことを明かし、とてもうまくいったと喜んでお話しされています。
今回も市長はさながら布石を打つかの如く、「これが最後の投票だ」と宣言し、「負ければ政界を引退する」とほのめかしています。だからきょう(5月16日・土曜日)あたり、涙まじりの迫真の「演技(?)」(的なもの、あるいは、もっと手の込んだ『反対派』も出演するスゴイ演出?)がくるかもしれません。賛同される方は一斉に「キターー!」と叫んだらどうか。
■投票用紙の「文言」にも注意が必要
「ラストメッセージ」にも注目しています。
今回の「都構想の住民投票」は法律的には「大阪市を廃止し、特別区を設置することについての賛否」を問うもの。ですから投票用紙には「大阪市を廃止し、特別区を設置すること」というメッセージを記載し、それについての賛否を問うのが、最低限、必要です。
ところが、実際に使われている投票用紙には「大阪市に『おける』、特別区の設置について」と書かれているのです。つまり、今回の投票の肝である「大阪市を廃止して」という文章が記載されておらず、さながら「大阪市をそのまま置いといて特別区をつくる」かのようにも読める文言になっている。
私はGW中に754人を対象とした心理実験を行ってみました。すると「大阪市を廃止して」という文言が入るか入らないかで、賛否の差は「5.2%」も変化することが分かりました。このラストメッセージ作戦が意図的なものかどうかはわかりませんが、もし「作戦」だとしたら、すさまじい威力です。大阪市民の皆さんには理性的な判断を下してほしいものです。
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