http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/871.html
Tweet |
【寄稿】5・17大阪市住民投票と「日本の危機」 作家・適菜収
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159845
2015年5月16日 日刊ゲンダイ
大阪市解体の賛否を問う住民投票直前である。時間がないから結論から言う。橋下徹および維新の会がやっている「都構想」なるものは巨大詐欺である。橋下維新がやっていることは、ウソ、デマ、プロパガンダを流すことにより、大阪市民の財産をかすめとることである。
今回の住民投票で賛成派が1票でも多ければ、政令指定都市である大阪市は解体され、地上から消滅する。その財源や権限の多くは橋下維新により流用されることになる。今回の事態は、大阪市だけの問題ではなく、国家全体の問題である。橋下維新の運動を、政治学的にみれば、全体主義と断定せざるをえない。全体主義はプロパガンダとテロルにより拡大するが、橋下維新もまた、デマを流し、学者らに圧力をかけ、矛盾する発言を繰り返している。
橋下維新が垂れ流すデマにより、勘違いする人が続出したが、「二重行政の解消のために都構想を実現する」という話は住民投票とは関係ない。二重行政の解消でカネが出てくるという話自体がウソである。維新の会は、当初、年間4000億円の財源を生み出すのは「最低ライン」と言っていた。ところが、大阪府と大阪市が試算した結果は976億円。さらにその数字も橋下の指示による粉飾だった。この件について記者から追及された橋下は「議論しても仕方ない」と言って逃げている。
結局、橋下は学者らに指摘された疑問についても一切答えていない。ウソにウソを重ねて誤魔化すか、「もっと勉強しろ」「対案を示せ」「共産党の仲間か」などとレッテルを貼り、議論から逃げるだけだ。橋下は、学者に批判されると、「彼らは実務を知らない」と繰り返してきた。しかし、実務を知っている学者は、ほとんどが大阪都構想を批判している。
現在、大阪市大阪市会が出している「効果」はわずか1億円だ。この時点で当初の4000分の1だが、さらに制度を移行するための初期投資に680億円、年間コストが15億円かかる。「1円儲かるから680円払え」と言うのと同じで、「都構想」とは小学生でもわかる詐欺なのだ。にもかかわらず、橋下は大阪市のタウンミーティングなどで、二重行政の解消による財政効果は「無限」などと言い出している。細工が加えられた詐欺パネルも市民団体や学者により指摘された後も使い続けている。大阪市民は、完全に、橋下にバカにされているのである。
橋下維新は「大阪市民を騙す」という明確な悪意の下、住民投票を仕掛けた。それでは、橋下の目的はなにか?もちろん、大阪市の解体により、年間22〇〇億円のカネを流用することにあるのだろう。それが、府の借金の返済や、湾岸部にカジノ建設にあてられる可能性が高い。そこに莫大な利権があることは誰でもわかる。しかし、橋下個人の動機はもっと深いところにあると私は考えている。
橋下はタレント時代の著書で次のように述べる。
「なんで『国民のために、お国のために』なんてケツの穴が痒くなるようなことばかりいうんだ? 政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ」
「自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民のために奉仕しなければいけないわけよ」
こうした日本国民に対する憎悪に近い感情は、政治家に転身したくらいで消えるものではない。大阪の破壊が終わったら、国政で、次の破壊活動を始めるのだろう。全体主義は癌細胞と同じである。放置すれば、取り返しのつかないことになる。日本国民は、今すぐ、立ちあがるべきである。
(敬称略)
▽てきな・おさむ 作家、哲学者。著書に「日本をダメにしたB層の研究」「日本を救うC層の研究」など多数。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK184掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。