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実質賃金は23カ月連続マイナスなのに(C)日刊ゲンダイ
2年連続アップ…国家公務員“民間にならって”賃上げの詭弁
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159759
2015年5月14日 日刊ゲンダイ
国家公務員の月給とボーナスが2年連続で引き上げられる公算が高いと日経新聞が報じた。2年連続の引き上げは91年以来、24年ぶりのこと。引き上げの理由は、民間企業の賃金が上がったから、「公務員も賃金アップを」というわけだ。
昨年も民間企業のベアを受けて、国家公務員の月給は0.27%、ボーナスは0.15カ月分引き上げられた。しかし、「民間企業の賃金が上がったから」というのは、ペテンもいいところだ。
「賃金が上がった」といっても対象にされているのは、大手企業のサラリーマンだ。中小企業や派遣社員の給与はほとんど上がっていない。全労働者の実質賃金は23カ月マイナスが続いている。2014年の基本給も、13年に比べ0.4%下がっているのだ。
結局、給料が上がるのは国家公務員と大企業社員だけ、ということになりそうだ。こんなことが許されていいのか。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
「民間企業の社員の平均年収412万円に対し、国家公務員は約700万円。年収だけでなく、年金、退職金も相当優遇されています。もちろん、原資は全て税金です。それで国の財政が厳しいというのだから、到底納得がいきません。安倍政権は、中小零細や非正規雇用の方たちの給料を上げる施策を取ることができていない。格差は広がるばかりです」
消費税増税に始まり、4月からは軽自動車税も増税され、今後、酒税の引き上げまで検討されている。いつの時代も割を食うのは一般庶民だ。
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