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対中国戦略 日米で完全に歩調を揃えた安倍首相訪米は「大勝利」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150511-00000001-pseven-soci
週刊ポスト2015年5月22日号
安倍晋三首相の訪米を単に成功と評価するのは正確ではない。大勝利というべきだ。誰に勝ったのかといえば、中国である。だが、マスコミはどうも、その核心部分を正確に認識できていないようだ。
それは、たとえば保守派の読売新聞でさえ米議会での安倍演説を「大戦『痛切な反省』」(4月30日付)という大見出しで報じたあたりに、にじみ出ている。中国や韓国が唱える歴史認識問題を演説の焦点と捉えていた。そうではない。演説のハイライトは日米がかつて互いに戦った戦争の傷と痛みを乗り越えて、いまや対中国戦略で完全に歩調をそろえた点にこそあった。
安倍首相は演説で傍聴席に招いたローレンス・スノーデン海兵隊中将と栗林忠道硫黄島守備隊司令官の孫である新藤義孝衆院議員を紹介し、2人の握手を「歴史の奇跡」と評した。米国の議員たちは立ち上がって拍手で応じた。
そのうえで首相は「太平洋からインド洋にかけての広い海を自由で法の支配が貫徹する平和の海にしなければならない」と述べた。もちろん中国を念頭に置いている。「中国の無法を許さない」という強いメッセージである。
そんな首相の対中認識はオバマ大統領との会談でしっかり共有された。大統領は「中国は東アジアや東南アジアで力を拡大しようとしている。中国のやり方は間違っている」と言い切ったのだ。
米国は一時、中国の習近平国家主席がもちかけた新型大国関係という事実上の「太平洋の縄張り分割提案」に乗りかけていた。だが、中国が一方的に防空識別圏を設定した2013年11月を境に、再び対中警戒感を高めていく。
今回の首脳会談では「日米が共同して中国に対処する」という路線が明確になった。安倍訪米は安保法制見直しをテコに、揺れていた米国を再び日本の側に呼び戻す役割を果たしたと言っていい。中国は米国取り込みに失敗した。だから「勝利」なのだ。
これは「外交」というものの本質を示している。左派系論者やマスコミは口を開けば「対中摩擦は話し合いで解決を」とまじないのように唱えてきた。「話せば分かるはず」と信じてきたのだ。
これは根本的な間違いである。外交は単に相手国との話し合いだけではない。第3国を巻き込んで相手にどう圧力をかけるかが勝負なのだ。今回の例で言えば、日本は中国との外交戦を米国を巻き込んで、米国も日本を巻き込んで展開した。両首脳は日米外交を展開したようにみえて、実はそれぞれ対中外交を展開していた。
その結果、日米が一致して中国に対抗する路線が確定した。外交はかくあるべき、という見本のような展開だ。繰り返す。だから勝利なのだ。ここが核心である。
■文/長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ):東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。規制改革会議委員。近著に『2020年 新聞は生き残れるか』(講談社)
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