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2015年05月09日 「ジャーナリスト同盟」通信
<歴史を教えない日本の学校教育>
昨日の東京からの取材電話は、侵略や植民地支配と関係する明治の悪しき経済的建造物が、果たしてユネスコ文化遺産として適当か、という質問だった。これは「明るい明治」と位置づける極右の面々の代表がアンベイ、それに従属する教育・文化官僚によって表面化したもので、根っこは従軍慰安婦問題同様に腐食している。民族差別でもあろう。平和・軍縮派の宇都宮徳馬は、常々「本当に明るい明治なのか。実際は暗い勢力(長州閥)が政治を壟断して、いい民主の芽は皆押しつぶされてしまっていた。そうして侵略戦争へと突入した」と喝破・指摘していた。彼は陸軍幼年校の先輩・大杉栄虐殺事件に驚いて、軍人のエリートコースを飛び出したリベラル派で知られる。
<勝者の歴史が敗戦後も継承する不思議な日本>
歴史は勝者によって、史実とは異なって成立するものである。日本は違う。敗者になったものの、それでも変わらない。「明るい明治」が敗戦後の今も継承されている。その理由を国民は知らない。
敗戦でも、行政官である官僚は、戦争責任を回避して、戦後もそのまま継続したためだ。ドイツとの大きすぎる落差だ。そうして、戦争勢力でさえも、首相になってしまった日本である。戦争責任者が首相になり、現在、その孫が政権を担当している。ここに隣国との歴史認識に大きな軋轢と落差が存在する。
アメリカの戦争屋に操られ、好んで与する極右の戦前派の政権である。リベラル政権の誕生がいつなのか。野党内も右翼化が著しい今の日本である。
占領政策に問題があった。同時に、国民・議会にも問題があったからである。
世界に冠たる立派な憲法を手にしながら、それを運用する人間に狂ったものが少なくない。三権分立を害する最高裁がその典型とも言える。戦前と同様、財閥が、政界と官界・司法界をコントロールする奇怪な日本が誕生している。
<群馬県農協幹部の率直な告白>
旅は道連れとはよく言ったものである。半年近く前になろうか。成田からソウル経由の北京行きの大韓航空に乗った。割安の航空券を手にしたお陰である。隣の椅子に赤ら顔の農民の仲間数人がいた。彼らは韓国旅行がお目当てだった。
話しかけられ、つられて応じた。出身が群馬県というので、話題を群馬の政治に切り替えると、彼らは実に詳しい。当方も群馬というと、中曽根康弘や福田赳夫、小渕恵三ら群馬についての話題は豊富だ。
話に弾みがついてきた。彼らの正体も分かってきた。群馬の農政に関与してきた大農家の面々である。農協のボス連中だ。農協と言えば、韓国へのキーセン観光が有名である。その癖が今もついているのだろうか。
ひょんなことから安倍の歴史認識も出た。むろん、安倍批判は事欠かない。なんと農協幹部らも「そうだ」と応じてくるではないか。TPP問題もからんでいるのだろう。安倍批判は強く、自民党応援をしない、とまで言い切ったのだ。
<「福田康夫は立派になった」と評価する農協幹部>
他方、親中派を任じる福田康夫を「立派」と評価した。長谷川四郎という農林族の後援会幹部だったのだ。中曽根嫌いでもあった。当方との波長が合うはずである。
むろん、今は応援したくても長谷川四郎という政治家はいない。群馬はこんにゃくの産地で知られる。太いねぎの産地で、暮れには中曽根番記者時代、事務所からこの太いねぎが、自宅によく届いたものである。
<「南京大虐殺は最近知ったばかり」という農協幹部>
この威勢のよい農協幹部は意外な言葉を口にした。
「いままで南京大虐殺のことを全然知らなかった。最近になってようやく知った」と告白するのである。年齢は60歳程度の、群馬県農協幹部で、大農家の主人でもある。
彼は群馬県政に何がしかの影響力を有する農民代表だ。一般常識は知っているだろう。新聞を読んでいるはずだ。それでいて「南京大虐殺を最近知った。それまでは石原慎太郎の嘘を信じていた」というのだ。
これは正直な日本人の生の声である。学校で教えられなかったせいである。近現代史を知らない日本人は多い。
ついでにいうと、日本国憲法第9条をよく理解していない日本人も多数である。これも学校でおしえない。先生が知らないせいでもあろう。
中国の友人にも「中国人の教養レベルは低すぎる」といって嘆いているが、それはそっくり日本人にもいえる。原因は学校教育に問題があるからだ。
<「農業研修の中国人に教えられて初めて知った」農協幹部>
くだんの群馬県農協幹部に「どうして南京大虐殺のことを知ったのか」と質問してみると、意外な事情を打ち明けてくれた。
農業研修生を受け入れている農協は少なくない。群馬県はその先進地なのだろう。受け入れ先は中国である。彼らとの交流は、彼らの帰国後にも続いた。
「ぜひ中国に来て見て欲しい、と連絡があり、喜んで行って見た。そのときに南京大虐殺の話が出て、知ることが出来た。中国人研修生との出会いが、歴史を知るきっかけを作ってくれたものだ」
ある種の民間交流であろう。それにしても、以上の具体的な話は、日本の歴史教育のいい加減さが背景にある。都合の悪い史実を教えない学校の教師の存在である。
<「石原慎太郎に騙されない」農協幹部>
石原慎太郎は台湾は行くが、中国にはほとんど行かない。市民との交流もしない。むろん、南京に行ったことはない。それでいて「南京大虐殺は幻だ」と大嘘をついて、話題を振りまいて生きてきた。
こんな大嘘の三文作家が、最近、勲章をもらったらしい。要するに勲章など値打ちのないものなのだ。眠っていた尖閣・釣魚を起して、日中の政治問題にした政治屋にすぎない。徳洲会大疑獄事件に関与して、そこからの大金で選挙をしてきた悪人であろう。
ともあれ、日本の戦後教育はまともではなかった。従軍慰安婦という言葉を知ったのは、1991年ごろか。被害者が勇気ある行動をとることで、それまで闇に隠されていた悲惨すぎる女性の尊厳を奪う日本軍の蛮行が国際社会に露呈した。
「軍紀に厳しい天皇の軍隊」というまやかしのベールがはがされることに、極右は衝撃を受けた。これの隠蔽を図るための安倍登場だったのだが、いまや安倍は完全孤立に追い込まれてしまった。
<21世紀の性奴隷社会の撲滅へ>
農協幹部でさえも、南京大虐殺を知ったことは、これは注目に値する事例だろう。もはや、石原の大嘘にごまかされることはないのだから。それは従軍慰安婦のことについても言える。
筆者もそこから木更津レイプ殺人事件を知り、その追及を開始している。21世紀の、この日本に隠れている性奴隷社会を撲滅するための闘争である。麻薬も関係して可能性が強い。性奴隷・麻薬は、21世紀最大の国際社会問題なのである。
2015年5月9日記(武漢大学客員教授・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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