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2015-05-07 哲学者=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記
櫻井よしこと中西輝政と田久保忠衞は、何故、終戦直後の昭和天皇の「東條批判」を知らなかったのか? 「開戦の責任は東條にある」という「天皇発言」を。
櫻井よしこ等は、「マッカーサー回想録」によって伝えられ、それがいつのまにか、大衆化し、通俗化したところの、紋切り型の「天皇発言」を鵜呑みにし、もう一つの「天皇発言」を知ろうとしなかったということだろう。櫻井よしこの『異形の国 中国』(新潮文庫)を読むと、その歴史的知識があまりにも幼稚・素朴なのに驚く。
日本が占領されたとき、昭和天皇はマッカーサーに、全責任は自分にありと言って日本国と国民を守ろうとした。マッカーサーが感動して重光葵外相むに伝えた天皇のお言葉は次のようなものだった。(中略)
決して他人に責任転嫁されない姿勢に感動するのはひとりマッカーサーだけではないだろう。このような天皇を守り通したのが、「a級戦犯」とされた人々、就中、東条だった。
(櫻井よしこ『異形の国 中国』(新潮文庫))
国際政治の専門家、京都大学教授の中西輝正氏は、「東条、或いは広田弘毅元外相のように天皇の身代わりになって処刑台に立った人々が靖国神社にまつられることに関して昭和天皇が抵抗感をお持ちなわけがありません。もし、お持ちなら、それは人の道に反します。東条も広田も平沼麒一郎も皆、開戦に反対でした。冨田メモから『a級戦犯』全てについてむ天皇が不快に思っていたと結論づけるのは、したがって不完全な解釈だと思います」と語った。
(櫻井よしこ『異形の国 中国』(新潮文庫))
つまり、櫻井よしこや中西輝政等は、素朴に「マッカーサー回想録」信じているということだろう。無論、現在、マッカーサーの証言した「天皇陛下」や「昭和天皇発言 」をそのまま信じる人は少ない。東京裁判対策のために、自分たちに都合のいいように創作された「すべての責任は自分にある」「自分の命はどうなってもいい」というような「天皇発言」、『マッカーサー回想録』が垂れ流したニセの天皇発言しか知ろうとしなかったということだろう。
要するに、櫻井も中西も、田久保も、ステレオタイプ化したガセネタ情報しか持っていないということだ。学者、思想家、ジャーナリストとして失格である。
豊下楢彦は、1990年2月と3月、総合雑誌『世界』に発表した「『天皇・マッカーサー会見』の歴史的意味」という論文で、「天皇発言」には、オモテの「天皇発言」とウラの「天皇発言」と、二つの「天皇発言」があったことを実証的に明らかにしている。
(続く)
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