http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/424.html
Tweet |
日本が70年戦争をせずに来たのは憲法に守られてきたから」(美輪明宏さん)、「戦争しない唯一無二の平和国家……時の政権が国民を置き去りにしたまま崩していく」(高田延彦さん)
http://blogs.yahoo.co.jp/moritakeue/12915880.html
2015/5/6(水) 午前 0:07 TABIBITO
「東京新聞」が5月3日付から「平和をつなぐ」と題した連載を始めた。
3日付の第一回は、歌手の美輪明宏さん(79)だ。
戦後70年の憲法記念日。
「『戦争をしない国』を支えてきた憲法九条は今、危機を迎えている」「政府は集団的自衛権が行使できるようにする法整備を着々と進め、その先には改憲も視野に入れる」としながら、「これからも憲法を守りたい」とメッセージを発信している。
華やかな舞台装置と衣装に包まれて、鍛え抜かれた美声で「愛の讃歌」などのシャンソンの名曲を歌う三輪さんの華麗なコンサート。それが第2次安倍晋三政権が発足した直後の2013年から変わったという。
美輪さんは自作の反戦歌を歌うようになった。
ロマンあふれるシャンソンとは趣が違う、長崎で原爆に遭った自身の体験を重ねた原爆孤児の悲しみを描いた「あの原爆の火の中を 逃げて走った思い出が 今さらながらによみがえる」(美輪明宏作詞・作曲「ふるさとの空の下に」より)を歌う。
三輪さんにとっては70年を経ても拭い去れない悪夢。不戦を誓う憲法を手にした時、「もう逃げ惑う必要がない」と安堵(あんど)したという。
その憲法が崩れるかどうかの瀬戸際にあるとして「私たちは憲法に守られてきた。世界一の平和憲法を崩す必要はない」と若い世代も多い観客に伝えたくて、反戦歌を歌う。原爆体験や軍国主義への強い嫌悪が美輪さんを駆り立てている。
「1945年8月9日、いつもと変わらぬ夏休みの朝だった。美輪さんは、防空ずきんを背にかけ、縁側の机で宿題の絵を描いていた。ピカッ。白い閃光(せんこう)の後、ごう音と揺れに襲われた。
お手伝いさんに手を引かれ外へ出た。全身が火ぶくれてうなり声を上げる人。首のない赤ちゃんの上に倒れ込み泣き転げる女性。『助けてくれ』とつかまれた人の手を振り払うと、肉片が自分の腕についた」
「原爆 水爆大好きな 戦争亡者の親玉よ お前の親や兄弟が 女房や子供が 恋人が 焼けて爛(ただ)れて死ぬだろう 苦しみもがいて死ぬだろう」(美輪明宏作詞・作曲「悪魔」より)
美輪さんにはもう一つ、胸に刻まれた戦争の光景があった。
「実家のカフェで働いていたボーイの三ちゃんが出征した時。汽車が出る寸前だった。三ちゃんの母親は、息子の足にすがり『死ぬなよ。どげんことあっても帰ってこいよ』と叫んだ。
憲兵に引きずり倒され、頭を打って血を流してもなお、母は「死ぬな」と声を上げた。その三ちゃんが生きて帰ることはなかった」
三輪さんは言う。「戦争や軍隊、軍国主義の正体をみんな知らなすぎます」
普通に暮らしていた人たちが、理不尽な暴力と死に直面する。それが美輪さんが体験した戦争の正体だった。だから、「国民を守る」「国を守る」という耳当たりのいい言葉で、改憲の議論が進むことにいら立ちを隠せない。
「改憲して戦争に参加できるようにって、どうして学習能力がこんなにもないのか」
そんな政治家を舞台に立たせたのは、国民の選択だった。そのことをもう一度考えてほしいと美輪さんは歌い、語り続けている。
「無辜(むこ)の民衆が戦争に狩り出されるのではない。選挙民に重い責任があるのです」
<みわあきひろ> 長崎市生まれ。16歳でプロの歌手となり、シャンソン喫茶「銀巴里」などに出演。1957年「メケメケ」が大ヒット。日本におけるシンガー・ソングライターの元祖として多数の曲を自作。2012年に初出場したNHK紅白歌合戦で、自作の「ヨイトマケの唄」を歌い反響を呼んだ。
翌日、4日付では、「政治の素人でも判定できる──つぶやく9条危機」と題して、元プロレスラーの高田延彦さん(53歳)が登場している。
「集団的自衛権行使容認、姑息(こそく)でインチキなやり口ですね。」
「時の政権が勝手に解釈変更など憲法の冒涜(ぼうとく)です。」
高田さんの「ツイッター」に突如、こうした怒りの書き込みが交じり始めた。
平和憲法が骨抜きにされていくことに憤り、この一年来、発信を続けているのだという。
その内容は、強敵に気後れせずに立ち向かい、最強を目指した「平成の格闘王」とも、テレビ番組で見る「ひょうきんなオジサン」ともイメージが異なる。
「政治の素人」と自任する高田さんだが、「ボクシングでも相撲でも見慣れれば、素人だって『この試合、ちょっと判定がおかしいんじゃないか』と分かるようになる」と述べ、「身近に悲惨な戦争体験をした人もいない。それでも、53年間生きていれば、この国の平和に対する風向きが変化していることは感じる」という。
高田さんは、中学を卒業してプロレスの世界に飛び込み、格闘家として身体と命を張って試合に臨んできた。大けがも負った。妻でタレントの向井亜紀さんはがんで子宮を摘出し、代理母出産で双子の男子を得た。
そうした経験から、「何の変哲もない昨日までと同じ普通の日常が何よりの幸せ」と感じるようになったという。
集団的自衛権の容認が議論になっていた昨年5月には「学のない私でも平和について今まで以上に日々真剣に考えるようになりました。明日も考えます。」と書き込んだ。
平穏な毎日が続くこと。それこそ、憲法九条の恩恵だと信じている。
「私が日本人として幸福と感謝を強く意識するのは、やはり九条のある時代を生かされているという実感からなんですね」
その「誇り」でもある部分に危機が迫っていると感じた。「戦争しない唯一無二の平和国家、その最も大事なところを時の政権が国民を置き去りにしたまま崩していくっていう…」。そんな切迫感から自然な流れで書き込みを始めた。
この取材にも「今からでも真剣に考えようなどと感じてもらえるならと、のこのこ出てきました」と言う高田さか。
今、その気持ちを、小学六年生になった二人の息子にも伝えようとしている。
高田さんは最近、漫画「はだしのゲン」を読み返したが、それを見ていた子どもたちも、いつのまにか本を手にして食い入るように読んでいた。
「戦争の悲惨さを知る材料を、子どもたちの手の届く距離に置いておきたい」。息子にも平和に感謝する気持ちを持ってもらいたいと願う。
<たかだ・のぶひこ>横浜市出身、東京都在住。元プロレスラーで総合格闘技にも参戦。現在はタレントや俳優として活躍する。子どもたちがレスリングや体育のスキルアップをする「高田道場」を主宰。全国各地で開く子ども向け体育教室(ダイヤモンド・キッズ・カレッジ)にも力を入れる。
子どものとき、長崎で戦争を体験した美輪さん。戦後生まれの高田さん。
二人とも共通するのは、「普通の暮らし」「何の変哲もない昨日までと同じ普通の日常」が壊され、「理不尽な暴力と死に直面する」のが戦争であるということ。そして、戦後70年間、憲法9条がそうならないように守ってきたとしている。
憲法記念日に向けて、マスコミ各社が憲法改正に関する世論調査を報じている。
どの社の調査結果も、この数年、憲法改正に「賛成」が多数だったものが、第二次安倍内閣が発足した2014年から「反対」が増加し、「賛成」と拮抗するという変化が起きている。
朝日新聞社の郵送による調査では、憲法を「変える必要はない」が48%で、「変える必要がある」43%を上回った。2014年に「変える必要がある」が大きく減少して「必要はない」を下回り、2015年もほぼ同様の傾向となった。
NHKが4月17日から19日まで、RDDによって行った調査では、憲法を「改正する必要があると思う」28%、「改正する必要はないと思う25%、「どちらともいえない」43%だった。2013年までは「改正する必要がある」が「必要はない」を大きく上回っていたが、2014年からほぼ同数になったという。
産経新聞とFNNが4月25,26日に行った調査でも、賛成40.8%に対し反対が47.8%となっている。
安倍政権による集団的自衛権行使の憲法解釈変更や、安保法制の論議などに対して国民世論が敏感に反応し、戦争放棄を定めた9条などの改正に慎重になっていることがうかがえる。
美輪さんも、高田さんも「憲法に危機が迫っている」と危惧する。
今こそ、国民的に「憲法とはどういうものか」「憲法9条は何を言っているのか」について多くの人に知ってもらい、議論していくことが必要だろう。
二度と戦争の惨禍を繰り返さないために。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK184掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。