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2015年05月06日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆韓国の朴槿恵大統領が、ユネスコ世界遺産委員会傘下の民間諮問機構である国際記念物遺跡協議会「イコモス」(ICOMOS)にまたもや「いちゃもん」をつけている。世界文化遺産への登録を目指している「明治日本の産業革命遺産」について、イコモスが「世界遺産に登録することがふさわしい」とする勧告を行ったのが、よほど気に食わないらしい。
朴槿恵大統領自身が4月16日午後に出発し、27日までコロンビア、ペルー、チリ、ブラジル 南米4か国を歴訪、コロンビアやペルーなどユネスコ世界遺産委員会委員国で、「明治日本の産業革命遺産」の登録反対を訴えて回ってきた。
「明治日本の産業革命遺産」は、福岡県の官営八幡製鐵所や長崎県の三菱長崎造船所など、九州の5つの県と山口、岩手、静岡の各県にある計23の資産で構成されている。朴槿恵大統領は、これらの資産のなかに「朝鮮人を強制労働させた企業関係施設がある」として登録反対を触れ回っているのだ。しかし、朴槿恵大統領の言い分の一部が正しいとしても、世界遺産は、第一・第二強制収容所「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」の遺構は1979年、第二次世界大戦における悲劇の証拠であり後世に語り継ぐべきものとして、ユネスコの世界遺産に登録されており、日本では、いわゆる「負の世界遺産」に挙げられる。「産業革命遺産」のみならず、世界遺産の裏には、必ず「負の部分」が含まれているものであり、それらをすべてひっくるめて、人類遺産というべきものなのである。この意味で朴槿恵大統領の言い分は、正当ではない。
◆朴槿恵大統領が、「明治日本の産業革命遺産」登録に反対すればするほど、韓国が、「日本の明治維新」に見倣って、開国を拒否して、文明開化を怠り、大東亜戦争後、世界のなかで「最貧国」と言われた時代があったことを肯定することになる。つまり、朴槿恵大統領の父・朴正煕大統領が1965年6月22日、佐藤栄作首相との間で「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」(日韓基本条約)に署名して、日本政府から約11億ドルの無償資金と借款の援助を受けて、「日本に追いつけ、追い越せ」と高度経済成長の道を走り続けてきた近代化の歴史、すなわち、明治維新から97年遅れて始まった「韓国維新」をも否定することにもなる。
朴正煕大統領は、日本政府から得た約11億ドルのなかから、「慰安婦」に対する「慰謝料」を支払うべきであったにもかかわらず、これを怠った。それどころか、かなりの資金が、「汚職体質」の政財官に吸い取られたと見られる。朴槿恵大統領は、この父・朴正煕大統領に養われてきているので、その罪業を償わなくてはならない責任と義務がある。
◆なぜ韓国が、日本の「明治維新」を見習わなかったために「遅れた最貧国」になったのか、かつ、朴槿恵大統領が、「明治日本の産業革命遺産」登録に反対するのかの疑問を解くための手がかりの1つとして、このサイトで2014年05月30日 05時19分05秒に配信したブログを、以下再録しておこう。
中国の漢朝が紀元前108年、朝鮮半島西部にあった衛氏朝鮮を滅ぼし、楽浪郡を設置し、郡治所が朝鮮県(衛氏朝鮮の王険城、いまの平壌市)に置かれ、郡の南部には南部都尉が置かれて以来、約2000年にわたり、朝鮮は「中国の属国」であった。
中国・清朝から完全独立しようとした動きは、1884年12月4日に朝鮮で起こったクーデター「甲申事変=朝鮮事件」に現れた。
李朝時代後期の開明派政治家であった金玉均(きん ぎょくきん、1851年2月23日〜1894年3月28日)は、1882年2月から7月まで日本に遊学し、福澤諭吉の支援を受け、慶應義塾や興亜会に寄食した。また、留学生派遣や朝鮮で初めての新聞である「漢城旬報」の発行に協力。日本の明治維新を模範とした清朝からの独立、朝鮮の近代化を目指した。クーデターによって守旧派を一掃し、日本と協力して近代化を図ろうとした。だが清の介入で失敗し、わずか3日間の政権で終了し、金玉均は、井上角五郎らの助けで日本に亡命。1894年3月28日に上海におびき出されて李氏朝鮮の第26代王・高宗の妃「閔妃」の刺客洪鐘宇(ホン・ジョンウ)にピストルで暗殺された。
遺体は清国軍艦咸靖号で本国朝鮮に運ばれ凌遅刑(清の時代まで中国で行われた処刑の方法のひとつ。生身の人間の肉を少しずつ切り落とし、長時間苦痛を与えて死に至らす刑)に処せられた。すなわち、その遺体はバラバラにされ、胴体は川に捨てられ、首は京畿道竹山、片手及片足は慶尚道、他の手足は咸鏡道で晒された。
福沢諭吉は、金玉均の死を嘆き悲しみ、真浄寺住職寺田福寿に依頼し、「古筠院釈温香」という法名を付け、福澤邸に招いて法要を営んだ。犬養毅、頭山満らが支援し、東京・青山霊園の外人墓地に墓を建てたという。
福沢諭吉は、1885年3月16日付け新聞「時事新報」社説に「脱亜論」を掲載。「不幸なるは近隣に国あり」として、支那(清)と朝鮮(李氏朝鮮)の両国が近代化を拒否して旧態依然とした体制にのみ汲々としているのを批判、甲申政変を念頭に、「両国に志士が出て明治維新のように政治体制を変革できればよいが、そうでなければ両国は今より数年を出でずして亡国と為り、西洋列強諸国に分割されてしまうだろう」と予測。「我れは心に於て亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」、すなわち、「東アジアの悪友である清国と朝鮮国とは、隣国という理由で特別な関係を持つのではなく欧米諸国と同じような付き合いかたにして、日本は独自に近代化を進めて行くことが望ましい」と力説して結んでいる。
【参考引用】
NHKNEWSwebは5月4日午後10時47分、「『明治日本の産業革命遺産』世界遺産に登録を勧告」という見出しをつけて、以下のように配信した。
世界文化遺産への登録を目指している「明治日本の産業革命遺産」について、ユネスコの諮問機関・イコモスは、世界遺産に登録することがふさわしいとする勧告を行いました。
「明治日本の産業革命遺産」は、福岡県の官営八幡製鐵所や長崎県の三菱長崎造船所など、九州の5つの県と山口、岩手、静岡の各県にある合わせて23の資産で構成されています。
ことしの世界文化遺産への登録を目指して、国が推薦し、ユネスコの諮問機関・イコモスが去年9月に現地を調査するなど、世界遺産にふさわしいか検討し、ユネスコ側に勧告を行いました。
これを受けて、内閣官房の推進室の担当者が4日夜、記者会見し、勧告の内容を明らかにしました。
それによりますと勧告では、「明治日本の産業革命遺産」を世界遺産に登録することがふさわしいとしており、23の資産をいずれも構成要素として認めるとしています。
一方、名称については「明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域」を、「明治日本の産業革命遺産製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」と変更したうえで、登録することがふさわしいとしています。
さらに、構成資産の保全状況はおおむね適切だとしながらも、「軍艦島」の通称で知られる長崎市の「端島炭坑」について、緊急の保全措置などの必要性を指摘しています。
内閣官房の担当者は記者会見で、「勧告を尊重して、しっかり対応していきたい」と述べました。
イコモスの勧告を受けて、「明治日本の産業革命遺産」は、来月28日から7月8日にかけて、ドイツのボンで開かれるユネスコの世界遺産委員会で審議されることになっています。
今回の勧告は、4つある区分の中で最も評価が高く、これまでに日本が推薦した候補のうち、この勧告を受けた17のケースは、いずれも世界遺産に登録されています。ただ、世界遺産委員会の21の委員国のうち韓国は、「韓国の国民が強制徴用された悲しい歴史がこもった施設だ」などとして、登録に反対する立場をとっており、政府は、関係国に歴史的な意義を説明するなど、登録実現に向けた取り組みを進めることにしています。
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