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正直っぽいアベがオバマのピボットを激賞
米国のリバランスと日米同盟の微妙な関係
2015.5.1(金) Financial Times
(2015年4月29日 英FT.com)
ホワイトハウス公式夕食会、安倍首相がジョークで笑わす
米ホワイトハウスでの公式夕食会へ向かうバラク・オバマ大統領夫妻と安倍晋三首相夫妻〔AFPBB News〕
外国首脳の演説に関して言えば、安倍晋三首相のそれは興奮を呼ぶほどではなかった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は演説の1段落ごとに、安倍氏の演説全体よりも多くの拍手喝采を浴びた。だが、安倍氏の目標の方が成功する確率が高い。
安倍氏の演説――日本の指導者が米議会上下両院合同会議で演説したのは、これが初めて――には、2つの明確な狙いがあった。
1つは米国のアジアへの軍事的リバランスを激賞すること。2つ目は環太平洋経済連携協定(TPP)締結の可能性を高めることだ。
安倍氏が語ったことから判断すると、軍事的な側面の方が大きな前進を遂げている。同氏はバラク・オバマ大統領の「アジアへのピボット」に対して、アジアの指導者としては最も力強い支持を表明した。
貿易障壁撤廃の約束を期待していた米議員は失望
安倍氏は「中国」や「封じ込め」といった言葉を使わなかったが、台頭する中国に対する日米のヘッジを強化することが同氏の暗黙のテーマだった。だが、それがどう達成されるかという軍事的な詳細については、はるかに具体的に語った。
懐疑的な米国議員のうち、米国産の牛肉やコメ、自動車に対する障壁の撤廃について日本から詳細な確約を得ることを望んでいた人々は、失望しただろう。安倍氏は、同氏とオバマ氏が4月28日にホワイトハウスでの共同記者会見で使った曖昧な約束に何も加えることはなかった。
安倍氏の訪米がTPP交渉を決定的な瞬間に向かわせるという期待があった。だが、議会演説は、我々はまだTPPのブレークスルーを待っているという懸念を増大させるだけだろう。
最も際立つ安倍氏のコメントは、12カ国が参加する協定は「いかなる国の恣意的な思惑にも左右されない」市場を作り上げるべきだと語った時の歪曲的な中国への言及だった。
米国の軍事装備に対する需要については、米国の製品・サービスに対するそれよりもはるかに率直だった。この点では、安倍氏は歴代首相の伝統を引き継いでいた。
だが、安倍氏の演説には代々の前任者よりずっと軍国主義的な趣があった。
日本は米国によるアジアへのリバランスを「徹頭徹尾」支持すると安倍氏は語った。さらに、自衛隊がより顕在的な役割を担えるように、米国が書いた日本国憲法を骨抜きにするための取り組みを詳細に描いてみせた。
中国の海洋進出を暗に牽制
中国との領土争い、武力衝突の不安がアジアで増加
南シナ海で接近する中国の沿岸警備隊の船舶(上)とフィリピンの補給船〔AFPBB News〕
日本は地域で米軍ともっと十分に協力できるようにする「確かな抑止力」を築くという。米軍のグアム基地整備にも資金(20億ドル以上)をつぎ込む。
日本政府は、中国の漸進的な拡張主義に対する2大防波堤であるインド、オーストラリアとも軍事関係を強化している。
安倍氏は「アジアの海の状況」に関する原則も示した。これは南シナ海における中国の過剰な活動に対する反応だ。
米国人が聞く限り、安倍氏の言葉は、太平洋戦争終結の70周年記念の直前に自国の軍国主義の過去を悔いている力強い同盟相手の言葉だった。安倍氏は、たとえ先例があるにせよ、バターン・コレヒドール、珊瑚海で失われた米国人の命に対する日本の悔恨にも力強く言及した。
だが、日本のアジア近隣諸国に対しては、安倍氏は何も新しいことをもたらさなかった。
第2次世界大戦中の日本による「慰安婦」の扱いに対する過去の謝罪に進展はなく、日本の教科書が歴史修正主義に傾くトレンドを覆すという言葉もなかった。
その意味で、安倍氏の演説は失望を招いた。
このことは、オバマ氏のアジアへのピボットに対する安倍氏の支持の限界も際立たせた。米国のリバランスは日米同盟にかかっている。だが、日米同盟によって制限される面もある。
日本が、中国を含む近隣諸国に完全に悔い改めた国として受け入れられるまで、米国の同盟相手としての安倍氏の有用性は、諸刃の剣となるだろう。
By Edward Luce in Washington
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43682
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