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安倍首相が嫌われる理由は?
欧米メディアがバッシング 安倍首相が嫌われる理由〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150430-00000012-sasahi-pol
週刊朝日 2015年5月8−15日号
東京株式市場の終値が15年ぶりに2万円台に乗り、政権運営にもはや敵なしの安倍晋三首相(60)。ところが海外に目を転じると、違った風景が見えてくる。安倍首相への厳しい批判や警戒の声が、欧米メディアから次々に上がっているのだ。
最も厳しい批判が、米国の経済専門誌「フォーブス」だ。4月19日(現地時間)、東アジア問題の専門家であるエーモン・フィングルトン氏が電子版にコラムを寄稿し、安倍首相が歴史問題で謝罪を避けるように見えることから、
<(安倍首相は)日本の首相として初めて米国上下両院合同会議で演説をする栄誉を得たが、1945年以降の日本の首相では、彼はおそらく最も議会演説をするに値しない人物だ>
と、敵意をあらわにした。
ニューヨーク・タイムズ紙も20日付で「安倍晋三と日本の歴史」というタイトルの社説を掲載。訪米の成否は「戦時の歴史に安倍氏が誠実に向き合うかどうかだ」と書いた。また、2月23日に55歳の誕生日を迎えた皇太子が、記者会見で「歴史が正しく伝えられていくことが大切」と語ったことに触れ、「安倍氏を非難する意図」と紹介した。
日米同盟の強化が信条の安倍首相が、なぜここまで批判されるのか。ジャーナリストの高野孟(はじめ)氏は言う。
「オバマ米大統領は、米国と中国を対立させないことを基本にしている。だから、日本には中国や韓国と良好な関係を築いてほしい。そのためにも、侵略戦争を認めた『村山談話』の踏襲を訪米中に明言してほしいが、安倍首相はしたくない。そこに日米両国の溝がある」
安倍批判をした外国メディアに、圧力と取られかねない抗議をしていたことも暴露されている。
ドイツの保守系高級紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」のカーステン・ゲルミス元東京支局長は、日本外国特派員協会の会報誌に寄せた手記でこう書いている。
<私が安倍政権の歴史修正主義に批判的に書いた記事が掲載されると、フランクフルトの日本総領事が、(中略)中国がこの記事を反日プロパガンダに利用していると抗議した>
さらにその総領事はゲルミス氏をスパイ扱いし、「(中国の)カネが絡んでいると疑わざるをえない」と話したと書かれている。
前出の高野氏は言う。
「安倍首相は欧米メディアから、軍事強国を目指していて、そのためには異論を排除し、言論を抑圧する『反民主主義者』と思われている。それが欧米メディアの怒りにつながっている」
政権与党の自民党がNHKとテレビ朝日の幹部を呼び、番組内容について事情聴取をしたことも、欧米メディアの安倍不信に拍車をかける結果になった。
国境なき記者団がまとめる「世界報道自由度ランキング」(2015年)で、日本は61位。東京電力福島第一原発事故以前の11位(10年)から急落している。安倍政権が続くかぎり、順位の上昇は望めそうにない。
(本誌・西岡千史)
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