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危険を冒さなくなってきた(C)日刊ゲンダイ
水島宏明・法大教授が危惧「TVの萎縮はバラエティーにも」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/159341
2015年4月26日 日刊ゲンダイ
【水島宏明・法政大学教授】
いまこそ、広い意味での“報道”のあり方が問われている。各局ともに、そんな段階での番組改編を迎えました。
自民党がテレビ朝日とNHKへの聴取を行った一件は、政権がテレビの中身に対して露骨に口を出し始めた象徴的な出来事といえます。これは報道にとってかなり危機的な状況です。しかし、この春の番組改編を見ても、テレビ側が現状に抵抗している気配は感じられません。
TBSは朝のニュース番組のキャスターやコメンテーターを入れ替えて、フジや日テレの視聴者である若い層を意識した改編を行いました。ニュース解説が少なくエンタメ色が強いニュース番組作りは、これで各局横並びになってしまった。
前回の衆院選挙の頃から、昼のワイドショーでも政治的なテーマが扱われる場面が減っています。当時、自民党が出した要請書がきいているのでしょう。選挙はもちろん、TPP問題のように「この日本をどうすべきなのか」といった類いの話題が、どんどん減っています。
テレ朝の「報道ステーション」で古賀茂明氏が打ち合わせにない発言で物議を醸した件に関して、私は古賀氏を支持しませんが、生放送でのあのハプニング自体は久々に面白いと感じました。ただ、あの一件で、テレビはますますコメンテーターへの事前コントロールを強めたり、無難なコメンテーターしか使わなくなるでしょう。予測不能なものや危ないものには手を出さないという姿勢を、皮肉にも、古賀氏が加速させてしまった。
テレビの萎縮は、バラエティーやお笑いにも広まっています。先日、亡くなった愛川欽也さんは、1970〜80年代に「11PM」(日本テレビ系)で、政権や警察を風刺するようなコントをしていました。いまはそんなことは不可能。TBSラジオで安倍首相をバカ呼ばわりした爆笑問題の太田光発言のようなものは、テレビではできません。
もともとテレビ関係者がサラリーマン化し、危険を冒さなくなってきたという流れがありました。そこに、安倍政権がどんどん力をつけて放送内容にまで口を出してくるようになった。2つのタイミングが、悪いことに見事にマッチしてしまったということでしょう。
テレビが政権をヨイショしなくても、政権への批判や風刺を控えて、政治的なテーマについて口をつぐむだけでも、政権にとっては好都合です。これがテレビへのさらなる政治介入を招くという、悪循環が始まっています。もはや、引き返すことができなくなるほどの危険ラインに近づいてきている。
こうなると、個々のテレビ局が政権からの圧力をはねつけるような番組を作って頑張ればいいといった精神論では、もうどうにもなりません。日本民間放送連盟(民放連)のような業界団体が自民党に申し入れを行うなど、業界がまとまって自民党に対抗する動きをとらなければ、テレビはいま以上につまらなくなっていくでしょう。
▽みずしま・ひろあき 法政大学社会学部教授。元日本テレビ解説委員。著書に「内側から見たテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造」(朝日新書)、「テレビはなぜおかしくなったのか」(共著、高文研)などがある。
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