http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/789.html
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「読売新聞:安倍氏の応援紙とみていたが、首相よりも忠誠を誓うものがある:孫崎 享氏」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/785.html
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読売新聞社が安倍首相と米国支配層のどちらにより忠誠を誓うと思うかと問われれば米国支配層と答える。在任期間がたかがしれている首相より、長期に意思が引き継がれている米国支配層のほうが存在感が重いと考えるからである。
しかし、今回の先の戦争について反省とお詫びを表明すべしという読売新聞の社説をもって、首相よりも米国に忠誠を誓う姿勢と評した孫崎さんは、それが本気なら、お人好しか、安倍政権の外交政策を理解してないと思う。
読売新聞社は、先の大戦について安倍首相が反省やお詫びを表明したとしても、対米関係が背景にあるのなら仕方がないと判断してもらえるのでたいして反発も起きないと考え、あのような社説を載せることで、安倍首相がスムーズに“変節”できるよう露払いに動いたのである。
安倍首相が、中国や韓国の要求に聞きいれたかたちで反省やお詫びを表明すれば、安倍氏を“保守の救世主”と勘違いして支持している右派層の激しい反発や大きな落胆を招くことになる。
小林よしのり氏や西尾幹二氏などは違うが、安倍首相を支持するような保守層の多くは、日米関係を、日本存立の基軸と考え何より重視している。
そして、尖閣諸島問題や歴史認識問題で“反日”的活動をしながら台頭してきた中国を牽制するためには、米国の後ろ盾が是が非でも必要だと考えている。
だから、先の戦争に関する安倍首相の表現が変わったとしても、それが日米関係を考慮したうえのものと理解されれば、中国や韓国が求めている内容と同じであっても許容してもらえると踏んでいる。
強硬な愛国保守主義政治家のふりをしている安倍首相だが、実のところ、心情は愛国だとしても政治的価値観はリベラルに近い。
そうであっても、責務としてリベラルな外交政策を推進しなければならない安倍首相は、リベラルな政治家だと烙印を押されてしまうわけにはいかない。
リベラルな政策を保守層から抵抗を受けずに実現しようと思ったら、愛国保守の政治家として見られる必要があるからである。(これは、米国政治史におけるニクソン元大統領を想起してもらうとわかりやすい)
安倍首相は、対中関係・対北朝鮮関係で融和的な政策を実現しなければならない責務を負っているからこそ、反中国・反北朝鮮の意識が強い愛国主義者や保守主義者の強い支持を得なければならないという奇妙で困難な立場に身を置いている。
対中関係や対北朝鮮関係の改善は左派やリベラルの願うところだから、反安倍が大半と思われる左派やリベラルを配慮する必要はまったくない。そのような政策を進めるために絶対的に必要な配慮は、右派や保守層に対するものである。
安倍首相が反中国・反北朝鮮の考えが強い保守層の支持を失ってしまえば、日中関係の改善や拉致問題解決を突破口とした日朝国交回復はおぼつかなくなるだろう。
歴史認識問題が過去に関する要求だとすれば、日朝国交回復は、米国支配層が要求している現在の要求である。
米国は、宿痾とも見られていたキューバやイランとの関係を改善する動きを見せている。キューバとイランの関係が改善されれば、冷戦期から残る唯一のトゲは、対北朝鮮ということになる。
米国の対北朝鮮関係改善は、90年代前半から始まり、02年には時の小泉首相に訪朝を実施させたが、拉致問題がネックになり未だ国交回復のめどがたっていない。
朝鮮半島南北の和解さらには形式的統一のスケジュールは2020年とされているから、安倍首相に残された時間は少ない。(昨年末に必要のない解散総選挙を行ったのも、首相として外交課題の解決に費やせる時間がもっと欲しかったからである)
安倍政権のブレーンが国内保守層の反発を避けながら外交を進めるために腐心していることは、先ほど開催されたアジア・アフリカ首脳会議における安倍首相演説でもわかる。
「安倍首相が「大戦の反省」に言及、バンドン会議で演説:安倍首相演説 歴史認識に多くの時間割かず」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/627.html
という投稿で、AA首脳会談で行った安倍首相演説について、
「「侵略または侵略の脅威、武力行使によって」の主体が、かつての大日本帝国であるようにも解釈できる一方、55年のバンドン会議で確認された内容を援用しただけとも解釈できるからである。(英文でどうなっているかがポイント)」と書いたが、読売新聞が、次のように、その種明かしをした。
「1955年のバンドン会議の『平和10原則』には、帝国主義と植民地支配に言及した部分がある。これを引用したらどうか。『反省』を言うなら、英語訳で『deep remorse』と表現するのがいい」( http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150424-00050032-yom-pol )
「安倍首相はアジア・アフリカ会議(バンドン会議)首脳会議の演説で、英語訳に細心の注意を払った。
中韓両国や一部の欧米メディアには、首相に「歴史修正主義者」といったレッテルを貼り、日本の威信低下を狙う向きがある。首相は、誤解を解くため海外への発信に力を入れていく考えだ。
首相が演説で使った「深い反省」を、日本政府は「deep remorse」と英語訳にした。「remorse」は「自らの罪悪への深い後悔」「自責の念」といった意味で、謝罪を連想させる。西ドイツのコール首相(当時)が1989年9月、先の大戦勃発50年を踏まえて行った演説の英訳で、米ニューヨーク・タイムズが使ったことがある。この演説は海外で評価されている。」( http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150424-00050034-yom-pol )
安倍政権のブレーンは、権謀術数とはいえ、安倍首相のコアな支持層である国内右派向けと対外向けで趣旨やニュアンスが違う言動を行う危険な綱渡りを続けているのである。
※ 関連投稿
昨日投稿したものだが、コメント欄を読む限り、何を言いたいのかさえ理解してもらえていないようだ。
「民主・岡田代表 安倍政権下の行使容認認めず:安倍首相より“危険”で“恐い”岡田民主党」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/748.html
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