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議員の経費 透明化するにはすべてカード決済にすればいい
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150425-00000003-pseven-soci
NEWS ポストセブン 4月25日(土)7時6分配信
統一地方選後半の投開票も間近だが、昨年話題となった「号泣議員」こと野々村竜太郎氏で問題となった「政務活動費の透明化」を含めた「政治とカネ」を一つの争点とする候補者もいる。税金で支払われているにもかかわらず、つい給料の一部かのように考えてしまい仕事とは関係のないものに使ってしまうこともある政治家の経費処理。透明化するには、「すべてクレジットカード決済にすればいい」と語るのは、NPO法人社会保障経済研究所代表の石川和男氏だ。石川氏がクレジットカード決済の合理性について語る。
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統一地方選では、野党が献金の使い道なども含め与党の「政治とカネ」の問題を追及しています。もらうことについても取り沙汰されますが、支出の方についても追及されますよね。それこそ、領収書を1円単位まで取っておくことが求められます。
私自身も会社を持っているので、領収書は全部取るようにしていますが、政治家の行動パターンを考えるとこれって現実的ではないんですよ。政治家が全部の支出について領収書を回収するのは不可能に近い。秘書だって何人もいますし、その人たちがバラバラに領収書を取っているし、なくしてしまうこともあるかもしれない。地元に事務所があり、議員会館にも秘書がいて、全員の使ったものを集約するにも手間がかかります。
領収書の管理って、頑張ればできないことはないですが、ものすごい手間暇がかかり、抜けが出てしまうんですよ。そこを追及するために、大切な予算委員会がストップしたりもします。この問題をどう解決するかといえば、経費の決済はすべてカードを使えばいいんです。1枚ではなく、議員会館向け、地元向けなどに分けてカードを作っておく。
各カードの支出を秘書ごとに明細を取っておけば、領収書はもういりません。IT社会になっているし、まったくそれを活用せず、「領収書がないから証明できません」とか未だにやっているのはバカバカしいことです。私は10年前から思っていましたが、誰もこれについて言わないんですよね……。
カード会社にとって色々と手間があるのでは? いえいえ、カード会社としてはいくらでも協力しますよ! そりゃ、手数料収入が増えるわけですから顧客が増えるのは大歓迎です。もちろん海外でJCBが通じない、VISAでなくてはだめ、牛丼屋やファストフード店で使えるか? という不便さはあるものの、ここは使える場所が増えるよう、カード会社に頑張ってもらわなくてはいけないところです。頑張ればなんとかなります。ここはひとつ、合理的に考えてみましょうよ。
追及を受ける方の言い分としては「領収書全部出せって言われても困りますよ……」というものがあります。しかし、追及する方は「出せないってことはヘンなことに使ってるんじゃない?」となります。そして、1万円未満のものでも、領収書の提出を求めてくる。でもね、1万円でどんな悪いことができるのでしょうか? 確かに100万円であれば、悪いことはできるでしょうが、1万円ではそこまで悪いことはできないでしょ?
「支出をすべてカード化しよう!」ということをなぜ誰もなぜ言わなかったんですかね? カード会社も少しPRすれば、と思います。電子決済だから、領収書も何もいらないんですよ。そういうことで合理化していけばいいのに、いつも問題視されるのは「支出を減らそう」とか「企業献金をやめよう」とかそういったことばかり。こんなことやり続けていても、政治活動を委縮させるだけですよ。政治支出は範囲内であれば、いくらあってもいいじゃないですか。あくまでも「透明化」されることが大事なんです。
政治家個人に対する企業献金がダメとなって、個人献金でちょろまかす人も出てきています。会社がダメだから、社長の個人名、取締役の個人名、部長の個人名で献金するなど、どんどんトリッキーなことをやるようになってきています。こんなムダなことを横行させないためにも企業献金を再開し、支出についてはは電子決済でやる。これで透明化は達成されます。
そもそも、国会議員の文書交通費や地方議員の政務活動費なんてものは月々の限度額決まっているんですから、カードの限度額もそれに合わせてしまえばいいんです。なんでこのこと、どの政治家も表で言わないんですかね? 選挙演説で「支出はカードで透明化させます!」と言えばいいのに言わない。これで案外支持集められるんじゃないですかね? 政治家の支出に関心の高い有権者って案外いるのになぁ……。本当に、お金を使った時も店のママから「領収書おいくらにする?」「う〜ん、空にしといて。いや、10人いるから交際費にはならない45000円にしといて」みたいなバカなかけひきをやってるんです。
もちろんカード化を提唱すると「田舎の方ではカード使えないことがあるんです!」と言ってくる人もいます。でも、そこはカード会社頑張れ! ということです。もはや、カードを使えない商業施設や店は遅れている、という解釈をすればいいのではないでしょうか。海外旅行では現金なんて使いませんよね。すべてカードで決済します。私は政治家のいわゆる支出・歳出の問題は、カード化でほとんど解決すると思っています。
時々政務活動費をヘンな使い方をしている議員もいるので、「政務活動費を削ろう」みたいな声が高まります。でも、政治活動が萎縮し、今度はちょろまかす議員が出たりするんですよ。みんな人間なんだからそんなことはしてしまう。だったら政務活動費削減を叫ばずに、透明化する方向にシフトしてはいかがでしょうか。減額より、透明化の方が重要でしょ? 透明化することで、適切な政務活動費の額がいくらぐらいかも分かるようになります。こういった話をすると野党側は「お前は何を言ってるんだ」と言ってきますが、「あなたたちが与党になったら同じことするんでしょ?」と言いたい。
自身の経費の使い方がクリーンだという自信がある人だったらカード化には賛成するはずですよ。地元に帰るのに飛行機乗りました。地元の会合で鉄板焼き屋行きました、政策を書いたパンフレット作るのに印刷代がこれだけかかりました、うちわを何枚作ったのでこれだけかかりました――こういったことについていちいち領収書を取っておいてなくしたら元も子もない。カードだったらすべて電子化され、証拠が残っている。
いちいち領収書の整理や記帳などでも、秘書がえっちらおっちらやっていて疲弊しているワケですね。カード化するだけで残業時間も減るでしょうし、その分政策作りなどの重要なことを考える時間も増えます。カードについては本当に、「限度額」があるのだから、決められた額を使い切ったら、はい、もっと考えて使いましょうね、ということです。
「ホワイトデーデート」疑惑で国会を欠席した上西小百合衆議院議員だって、「いつどこに行った」が問題視されたワケですよね。カードの明細があれば、そんなのすぐに分かるんですよ。もちろん、怪しいものについてはポケットマネーで現金で払うってことにはなるかもしれませんが、少なくとも政務活動費で私的な旅行なんてことはしなくなる。
私だってこんな提案、自分からしておきながらバカバカしいと思っていますよ。でも、1円10円で追及されたり、2000円の松花堂弁当は高過ぎるとか、そんなことをやってるのであれば、カードで支出を一括管理・データ化した方が合理的ですよね、と言いたいだけです。
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