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安倍文殊院境内にある安倍氏の献灯碑。民主党政権下で野党に甘んじた2010年頃に寄進されたという。(AFLO=写真)
なぜ、安倍総理は「神憑り」「霊能師」を信じるか
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150424-00015088-president-nb
プレジデント 2015/4/24 12:15
毎年1月5日、総理大臣は三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝する。安倍晋三首相もその例にもれず、参拝後の会見で「今年も経済最優先とし、1人でも多くの人にアベノミクスの果実を味わっていただきたい」と語った。
伊勢神宮は天皇家の氏神「天照大神」を祭る神社で、伊勢神宮年頭参拝は歴代首相による新年の恒例行事だ。安倍首相は会見で通常国会を「改革断行国会」と位置付け、原発再稼働を実現させる責任があるなどと決意を語った。
安倍氏は今年5月20日に首相在職1242日を迎え、戦後首相の中では、祖父の岸信介元首相を抜き第6位に浮上するが、悲願の憲法改正実現には、まだ時間が必要。伊勢神宮で首相は自身の政権の長期化を神に祈ったはずだ。“一寸先は闇”の政界に生きる政治家には、信心深い人物が少なくない。大平正芳元首相はクリスチャンだったし、池田勇人元首相も金光教信者の伊藤昌哉秘書官を通じて金光教教祖の意見によく耳を傾けていた。安倍氏の祖父の岸元首相も「踊る宗教」として知られる天照皇大神宮教(てんしょうこうたいじんぐうきょう)の開祖、北村サヨを敬い厚遇した。安倍氏周辺が語る。
「安倍首相は、以前から、踊る宗教のサヨに感心して“あの人はすごい人だ”と、よく話しています。山口県の農家に生まれたサヨは岸元首相の故郷・田布施町に嫁ぎ、戦後に神憑(かみがか)りして教団を起こした。岸氏が戦犯として巣鴨プリズンに入獄する前、サヨは岸氏に“あなたは10年以内に必ず首相になる”と予言して的中させました。
一方、サヨの予言を信じなかった人に“あんたは3年後に死ぬ”と言ったら、こちらもその通りになったのです。
このため岸氏はサヨの力を高く評価。岸政権誕生後、サヨが公邸を訪ねてきたときも、岸氏自らサヨを出迎えた。このとき普段着姿で“野菜を持ってきた”と言ったサヨを、衛視は“何だ、このバアさんは”と追い返そうとしたらしい。安倍首相は幼少時からこの話を岸氏によく聞かされていたので、今も北村家を大事にしています」
前回参院選に北村サヨの孫の北村経夫参氏が出馬したが、北村氏は安倍氏の全面支援を受けて当選し、安倍氏がいる清和会(細田派)に入った。
■阿倍倉梯麻呂が建立した寺院
だが北村家に頼らずとも、安倍家じたいが、もともと霊能師の血筋を引いているという話もある。安倍家は映画「陰陽師」で有名な、あの呪術師の安倍晴明とルーツが同じというのである。
奈良県桜井市に「安倍文殊院」という寺院がある。大化の改新(645年)創建という由緒ある寺院だ。この寺院の一角に「安倍晴明堂」と安倍晴明に関係する資料の展示スペースがあって、平安時代に亡くなった安倍晴明を偲ぶ法要が定期的に行われているのだが、実は、この寺院には「第90代内閣総理大臣」と書かれた安倍氏の献灯碑もある。寺院の説明によると「2010年頃に安倍氏がお参りになって寄進していただいた」という。
「日本書紀に出てくる大彦命が安倍氏の祖で、その後、大化の改新で初代の左大臣になった阿倍倉梯麻呂(くらはしまろ)が当寺院の前身・安倍寺を建立しました。この倉梯麻呂が全国の安倍氏(阿部、安部などすべての『アベ』氏)の太祖で、安倍晴明も安倍首相の安倍家のルーツも倉梯麻呂です。遣唐使の阿倍仲麻呂も一族。当寺院にはかつて阿倍仲麻呂の屋敷もありました」(同寺院の説明)
安倍文殊院は「御祈祷の寺」として知られ、陰陽師の安倍晴明はとくに大事にされている。また同寺院で行われた法要に安倍首相の母の洋子さんが訪れ、「安倍晴明公を誇りに思います」と挨拶したこともある。
ちなみに阿倍倉梯麻呂の子孫に平安時代中期の東北の武将、安倍貞任、宗任の兄弟がいる。2人は前9年の役で朝廷軍と戦って敗北。貞任は死んだが、生きのびた宗任の子孫のうち、山口県に落ち延びた一族が安倍家の直接のルーツとされる。13年7月の参院選で岩手県入りした安倍首相は演説の中で「安倍貞任の末裔が私になっている。ルーツは岩手県」と話した。
荒俣宏の小説『陰陽師鬼談』で安倍晴明は「この世は魔道」ゆえに物の怪を払い、幸運を恵む陰陽師が必要とされると言った。政治という魔道を往く首相も陰陽師の力を借りたい?
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