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鳩山元総理のクリミア訪問は、日本政府やアメリカ政府から強く批判された。メディアでも、鳩山氏の言葉の一部を取り上げ、鳩山氏の主張を意図的に曲解したような議論ばかりが見られた。
このインタビューを読めば、鳩山氏がアメリカからの独立を目指しており、またロシア側の主張を鵜呑みにしているわけではないことがわかる。
『月刊日本』5月号
鳩山友紀夫「私がクリミアを訪問した理由」より
http://gekkan-nippon.com/?p=6792
なぜクリミアを訪問したのか
―― 鳩山さんは3月にクリミアを訪問されました。なぜクリミアを訪問しようと思ったのですか。
【鳩山】 私は日本を真の意味で独立させたいと願っています。そのためには、特に外交問題について、何でもアメリカの顔色をうかがって政策を決めるのは止めるべきだと思っています。実際これまでにも、イラクへの自衛隊派遣など、アメリカに追随した外交のために日本の国益を著しく損なうようなことが何度も起こっています。
今回のクリミア問題も同様です。この問題が起こると、日本政府はすぐにアメリカの方針に従い、ロシアへの経済制裁に踏み切りました。これにより、それまで安倍総理とプーチン大統領のムードは非常に良かったにも拘らず、北方領土問題の解決どころかプーチン訪日さえ叶わなくなってしまいました。
これは日本の国益を相当害するものです。しかし、日本政府はクリミアで実際に何が起きているかを知ろうともせず、未だに経済制裁を続けています。
クリミア問題で本当に非があるのはロシアなのか、本当に経済制裁は必要なのか。私は実際にクリミアをこの目で見て判断したいという思いが強くなりました。それが今回クリミアを訪問した一番の理由です。
―― 現地を訪れてどのように感じましたか。
【鳩山】 クリミアでは日常的な光景が広がっており、少なくとも私が見た限りでは戦車もなく、兵隊も一人もいませんでした。住民の方々からは、自由を満喫し、幸せを感じていることが伝わってきました。私はクリミア連邦大学とモスクワ大学の分校で講演させていただきましたが、学生たちは非常に前向きで、真面目で、目が輝いていました。圧政の中で苦しんでいるという雰囲気は全くありませんでした。
実際、2014年3月に行われた住民投票では、投票者の97%がロシア編入に賛成しています。これほどの方々がロシアに戻りたいという意思表示をしたということは、大きな意味があると思います。住民投票も平和裏に行われており、ロシアが住民の意思に背いて無理やり併合したといった認識は間違っています。
もちろん97%という数字がそのまま素直にクリミア全地域の声というわけではありません。例えば、少数民族であるクリミア・タタール人は55%しか投票していません。彼らが不満を抱いていたのは事実だと思います。
しかし、クリミア政府はタタール人の人権に配慮し、彼らを厚遇しています。クリミア政府の副首相の一人もタタール人です。そのため、今ではタタール人の7割以上がロシア編入に賛成しており、99%がロシアのパスポートを持っています。これは彼らがロシア人であることに理解を示しているということだと思います。
大手メディアの報道は疑ってかかるべし
―― 鳩山さんはクリミアの記者会見で「多くの国民が、間違った情報の下に洗脳されてしまっています」と発言されていましたが、ウクライナ・クリミア問題をめぐる日本の報道についてどのような印象を持っていますか。
【鳩山】 洗脳は言い過ぎだったかもしれませんが、日本に入ってくる情報のほとんどはアメリカというフィルターを通しており、ロシアからの情報は国民の皆さんに届いていないのではないかと思います。アメリカからの情報しか伝わってこないため、それが一面的な情報だという感覚さえ持てなくなってしまっているように思います。
もともとウクライナ問題は、プーチン大統領がソチオリンピックの準備で忙しく他に手が回らなかった時に、アメリカが相当不法な画策を行い、親ロ派のヤヌコビッチ政権を倒したことに端を発しています。とりわけネオコンが暗躍し、小さなデモ活動に過ぎなかったものを大きな騒動にまでしてしまいました。
しかし、こうしたことは日本の大手メディアではほとんど報じられず、ヤヌコビッチ政権を倒したことは正義だという話になってしまっています。もちろんロシア側が100%正しいとは言いませんが、アメリカが常に正義で、ロシアが常に悪だといった議論は疑ってかかるべきです。そうでなければ、日本はまたイラク戦争の時と同じ過ちを犯してしまう恐れがあります。(以下略)
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