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2015-04-24 08:13:01
92歳の寂聴さんが、「戦争反対を訴え続けるために、改めて生命を与えられたと思った」と語ったそうです。釈迦の誕生日である今月4月8日の花祭りに日に、病み上がりの姿を11か月ぶりに見せ、記者会見で話したのです。
「葛城の山ふところに寝釈迦かな」(阿波野青畝)
寂聴さんは京都・嵯峨野の寂庵で療養していましたが、再び活動を始めました。3年前の2012年5月2日には、東京・経産省前のテント村でハンガーストライキにも参加した寂聴さんは、いまも反戦の思いを烈々とたぎらせ続けています。
「お子さんに、『何のために生きるの?』と聞かれたら、『誰かを幸せにするために生きるのよ』と答えてあげてください」と説き続けています。「あらゆる戦争は悪だと思っています。戦争にいい戦争なんてありません。私たち老人は、そのことを語り続けなければなりません」とも話しています。
社民党の福島瑞穂さんが今月4月1日の国会質問で、安倍政権が進めようとしている安全保障関連法案を「戦争法案」と発言したことに対し、自民党からはただちに発言の撤回ないし修正を要求する声が上がりました。
他方、野党側の反応はきわめて弱い。3週間以上経ってようやく昨日4月23日に、民主党の長妻昭・代表代行が記者会見して、「国会での発言の削除や修正の要求は、絶対に許さないという意志を明確に出さないと、どんどん押し切られて議会の役割りを果たせなくなってしまう」と、語りました。
1940年(昭和15年)に日中戦争の長期化を批判する斎藤隆夫の有名な「反軍演説」に対し、当時の国会は支えるどころか、国会議員の資格をはく奪し「除名」したのでした。その後は一瀉千里、戦争が太平洋戦争にまで拡大、国民は塗炭の苦しみにあえぐことになりました。
そうした歴史があるにもかかわらず、最近の国会の感度の悪さはどうしたことか。なかでも情けないのが民主党の立ち位置のあいまいさ。いまだに安倍政権の戦争法案に対する姿勢を明確に打ち出せていません。昨日も安全保障総合調査会などというもっともらしい会議を開きましたが、ごちゃごちゃと議論ばかりして、結論が出せず、岡田克也とかいう代表の座に座っている男も、「今月中に見解をまとめる」という悠長さです。
民主党の立ち位置のあいまいさは、党内が安全保障政策で明確な方向性を持ち得ていないからです。右から左までがいまだに勝手なことをしゃべるばかり。
その点、寂聴さんはスカッと明快です。「戦争はダメ。死ぬまで闘う。私たちはそのことを語り継がなければなりません」
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