76. 母系社会 2015年4月25日 09:09:27
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<<安倍の軍事力偏重の解釈改憲や国防軍構想、地政学に基づく「シーレーン防衛」構想=中国包囲網構想は、中国の「海のシルクロード」構想が世界から支持されて、完全に破綻した。安倍は軍拡路線から軍縮路線へと転換し、中国にも軍縮を呼びかけるべきである>>●中国を日本の潜在的な敵国と見なしている安倍自民党が、AIIBに参加できない本当の理由の一つには、安倍自民党の「シーレーン防衛」構想と、中国が提案している「海のシルクロード」構想とは、真逆の関係にあると考えていることがある。 現在、中国海軍が専用軍港として保有する可能性がある「シーレーン」地域の湾港はパキスタンのグワダル港で、その他には、イエメンやスリランカ、マダガスカル(西大西洋ではナミビア)などでも、中国は軍港建設を計画しているという説もある。一方で、日本が継続的に使用できる海外の湾港は海賊対策で派遣されている自衛艦用のジブチ港だけである。 こうした情勢から、安倍自民党は「海のシルクロード」構想で、主に中国資金で各地の湾港が整備された場合、中国海軍用の軍港や中国海軍の艦船が補給のために利用できる湾港が各地に造られ、中東から日本までの「シーレーン」が脅かされると危惧しているので、これもAIIBに参加できないと判断した理由の一つである。(他は、「元」の国際通貨化阻止、中国の国際的な金融界での発言力増大阻止) ★中国が、「海のシルクロード」構想を利用して中国海軍が利用できる湾港を各地に造りたいなら、中国が一国で運営する「シルクロード基金」 を利用し、2国間の交渉で、こうした湾港の軍事利用条件を押し付けるはず。だから、AIIBと軍事を結び付けるのは妄想である。 ●周知のように、安倍自民党の安全保障政策は、米国との軍事同盟を柱にしつつ・・・ @中国の軍拡に対しては、日本も軍事力を増大させて軍事的な均衡状態を維持するという「軍事抑止論」に基づく軍拡政策と・・・ A中東から日本までの「シーレーン」上の沿岸諸国や海峡などの要衝に、海上自衛隊が使える軍港や湾港を整備する「シーレーン防衛」構想がある。 そして、実際にも、安倍内閣は軍事費を増大させ、また外交では、「シーレーン」上の沿岸諸国を度々訪れて、政治的、経済的な協力関係を構築を働きかけてきた。 この@とAの安全保障政策は事実上、インドやベトナム、フィリッピンなどの中国との間に領土紛争がある国々と連携して、中国の「シーレーン」を破壊しうる体制を創り、中国が日本に武力行使するのを抑制する構想であり、また、万一の有事には、実際に中国の「シーレーン」を破壊して戦争に勝つ構想、一言で言えば、中国に対する軍事的包囲網を構築する構想だった。 ●しかし、今回のAIIB参加問題で、安倍自民党が日本の「シーレーン防衛」上、頼みとしてきたこれらの諸国は全て、中国が提案している「海のシルクロード」構想を、自国の資金を融資までして支援することを表明したのである。 しかも、これらの沿岸諸国だけでなく、G7中の5ヶ国(カナダも参加予定)やロシア、南米のブラジルなども、中国の「海のシルクロード」構想を支援することを表明したのである。 (中国の「海のシルクロード」は、アジアからEUへのルートだけでなく、アフリカへのルートもあるので、アフリカ諸国も期待し、現にアフリカ随一の大国である南アフリカが参加。しかも、中国は莫大な援助で、既にアフリカ諸国の親中国化に成功している) ★安倍自民党の軍事力偏重の地政学に基づく「シーレーン防衛」構想は、「シーレーン」上の沿岸諸国の協力無くしては実現不可能であるのは明白なので、安倍の「シーレーン防衛」構想は完全に破綻し、完全に空理空論になったと言う他ない状態に陥った。 つまり、安倍の外交路線=世界戦略構想は根底から崩壊した。それどころか、安倍自民党の軍事力偏重路線と地政学に基づく世界戦略構想が正しいのであれば、今回の事態は、逆に中国側の「シーレーン防衛」構想=日本包囲網が実現に向けて進み始めたことになってしまうのである。 安倍自民党の世界戦略構想が正しいのであれば、日本と中国との有事には、日本近辺では互角に戦えたとしても、日本はシーレーンの防衛が出来ず、降伏するしか選択肢が無くなったことになる。 ★★だから、自民党は責任政党だと自負するならば、そして、今でも自分たちの世界戦略構想が正しいと主張するのであれば、今後日本はどんなに軍備を整えても、敗北必至になったと表明すべきであり、別の安全保障政策の構築を国民に呼びかけるべきである。 ★★中国政府が日本の「シーレーン」を切断したら、中国自身が、日本に原油を輸出している中東の産油国や、日本製品に頼る世界中の国々、そして、中国国内の日本製部品に頼る企業からも、北京政府は批判を浴びて存立の危機に陥り、中国自体も孤立=疲弊してしまう。 安倍や産経、ネトウヨはグローバル経済の相互依存体制が理解できない。それで、安倍自民党は、荒唐無稽な妄想に怯えてきたのである。 ★★軍事ジャーナリストの清谷信一氏によると、そもそも、日本には有事に守るべき商船隊自体が無いという。日本の海運輸入量のうち、日本籍船のシェアは約10%にすぎず、他は外国船。だから、日本政府はどうすることもできない。 しかも、戦時に日本の商船会社に対して船の運航命令や徴用する法律もなく、全日本海員組合は、先の大戦では軍が輸送船をまともに守らず、多数の犠牲者を出したので、日本人船員がいる日本の商船隊の戦争協力に反対している。それで、海上自衛隊の「シーレーン防衛」はフィクションと言う。 ★★今、アセアン諸国は急速に成長しているが、インフラを整備する資金は無い。そこで、豊富な資金を持つ中国が資金を供給し、その相互作用で中国自身も急成長を維持しようというのがAIIB。 中国の金融機関の各種預金残高は約2200兆円(2014年末)もあるし、外貨準備高でも世界の3分の1=日本の3倍弱の4兆ドルもあるので資金には困らない。むしろ、この資金を他国の国債への投資のような比較的安全でも利が薄い投資ではなく、より効果的な運用がしたいという願望がある。 また、格差問題解決ための西部地区の開発や、稼働率低下の過剰設備問題、更に中国自身の新たな発展のためにも、インフラ整備で交通の効率化が必要。 しかし、中国がAIIBの設立・運営で目指している最大の目的は、中国がAIIBを公平・公正に運営し、米国のような謀略を駆使する覇道国家ではないこと示し、米国に替わり得る未来のG1国家としての信頼を得るために、わざわざAIIB経由で融資をしようとしているのだろう。 既に中国は、アフリカでは、南アのケープタウンからエジプトのカイロまで、1万5千キロの高速道路を造り、ブラジルの輸出先NO1で、南米諸国とも強い絆がある。だから、残りはアジアやユーラシア、EU諸国から信頼を得ることを目指していると思われる。正に中国は、「信無くば立たず」を目指している のである。 (社会保障制度が、未完成で貧弱なためもあり、比較的勤勉な中国人の貯蓄率は日本人よりも高く世界一) 中国、4.5兆円超の基金創設へ 「シルクロード経済圏」 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H27_Y4A101C1FF8000/ 中国の貯蓄率はなぜ高いのか https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/rim/pdf/7395.pdf [清谷信一] <海上自衛隊のシーレーン防衛はフィクション>日本には戦時に守る対象となる自国の商船隊が存在しない http://japan-indepth.jp/?p=6994 田岡俊次「安倍総理の「米国艦船守れず論」に4つの点で重大な誤り」 http://diamond.jp/articles/-/53752 日経新聞 2011年5月24日(火) P.7 国際面 『パキスタン、中国に海軍駐留要請』=米印vs.中パ、再燃の懸念= http://blog.goo.ne.jp/pineapplehank/e/92316eff2c05cfa0b2e54a30c848305e ナミビアでの軍港建設で狙う中国の大西洋覇権 http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150420-00147863-newsweek-nb パワーアップする「中国」のアフリカ政策 - 平野克己 http://blogos.com/article/105920/
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