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「「米国や中国と張り合うのではなく、自分の道を進むのが重要ですね」宋氏インタビュー:岩上安身氏」
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2015/4/22 晴耕雨読
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4月21日(火)「岩上安身による経済評論家・宋文洲氏インタビュー」の模様を実況します。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)の話題を中心に、主に日中関係の展望について、お話をうかがいます。
岩上「宋さんはソフトブレーンという会社の社長ですね。これはどういう会社なんですか」
宋氏「最初は土木に関するソフトウェアから始めて、今は、営業のソフトウェアとマネジメントをパッケージして販売する会社をやっています」
岩上「AIIBについて。中国が『この指止まれ』と言った時、世界中が雪崩をうって参加することになりました」
宋氏「中国の沿岸部と違い、中国の内陸部、例えば西安などは、まだお金の回りが悪いのです。欧州から来たほうが、近いという感覚があります」
宋氏「そこで中国政府は、『そういえば昔はラクダがいたね』ということで、シルクロード経済圏というものを考えました。私は小さいころ3年間、ウルムチで暮らしていました。ここは綿花畑。これを沿岸部まで持っていくには、大変なコストがかかります」
岩上「AIIBには、3月上旬に英国が参加を表明しました。これを契機に、ドイツやフランス、さらにはイスラエルまでもが、雪崩をうつように参加を表明しました」
宋氏「中国人の感覚からすると、長いいきさつがあります」
宋氏「もともと中国は、AIIBなんてやるつもりはありませんでした。中国は、ADBやIMFに増資を求めてきましたが、それが認められなかった。中国が最初に呼びかけたのは日本、それからインド。中国は、経済で日本と対抗するつもりはありません」
宋氏「中国の最初の狙いは、アジアでお金が回るようにすること。米国中心の体制にチャレンジする気持なんて、当初はありませんでした。中国は国内市場はバブルになっている。それを解決するには、奥にいくしかありません。そのために、インフラを整備するのです」
宋氏「中国の国家戦略は、短くて3000年。この周期の中で、水路に出て盛んな時と、陸路に出て盛んな時が交互にやっています。明の時は水路に出て、清の時は陸路にでました。この時、清は水路に対応できなかったので、大英帝国にやられてしまった」
岩上「北朝鮮は、AIIBへの参加を拒絶されました」
宋氏「これは、中国が評判を気にしたからです。イランに関しても、米国と妥結したタイミングで、AIIB参加を受け入れました」
岩上「安倍総理は、BSフジの番組内で、AIIBのことを『悪い高利貸し』と発言しています。麻生副総理も、『中国のアジアでの影響力拡大を助長する恐れがある』と発言しています」
宋氏「中国側は、こうした発言をよく見ていますよ」
岩上「さらに麻生副総理は、香港フィニックステレビからの質問について、『あ?フェニックス?』と爆笑。世界中に恥をさらしました」
宋氏「この記者は知日派なんです。これは、副総理の品格ではありませんよ」
宋氏「日本のテレビコメンテーターは、無難なサラリーマンばかり。私が出演した歳際は2回ほど、番組のプロデューサーに電話がかかってきました。安倍総理は、週刊誌の編集部にまでも、直接電話をかけています」
宋氏「今の日本の政治家は、本当にまめに電話をする。これは、日本人には相当効くんです」
岩上「菅官房長官は、『圧力をかけたことはない』と言っていますが、それは大嘘ですよね」
岩上「米国は日本と一線を画し、AIIBに『歓迎する』とエールを送っています。米国のルー財務長官は北京を訪問に『AIIBとの協力に期待する』と伝えました」
宋氏「日本は最初から、中国を『悪いやつ』と決めつけています」
宋氏「中国とすれば、米国と対抗しないのが得策、と考えています。なので、米国も日本も、AIIBに入ることを歓迎しています。米国や日本がAIIBに入れば、権威がつきますから。嫌な相手でも、仲良くするのが大人というものです」
岩上「サマーズ元米財務長官はAIIBについて『この1カ月は、米国が世界経済システムの保証人(アンダーライター)としての役割を失った時期として、歴史に刻まれたのかもしれない』と悲観的な発言をしました」
宋氏「『かもしれない』とあるように、まだ米国がリーダーの地位を失ったことは確定していないのです。というのも、中国は非公式の場で『リーダーには興味はない。米国の地位を脅かすことはない』と伝え続けています。中国は世界中で発展途上国と名乗っています」
宋氏「世界のリーダーというのはカネがかかる。中国の国民はリーダーになることを望んでいません。日本は、今こそ米国に忠誠心を見せつけるチャンスだと考えたのかもしれません。しかし国際政治に恩義・忠義はありません。米国は徹底したリアリズムです」
宋氏「日本は好きか、嫌いか、で政治をしています。営業マンというのは、『義理・人情・プレゼン』で営業をすべきではありません。ニーズがあるかどうかで営業をすべき。AIIBに多くの国が参加するのは、中国が好きだからではなく、ニーズがあるから」
岩上「ADB総裁のポストは、財務省の既得権益になっているんですね」
宋氏「AIIBにこれだけの国が集まるなんて、安倍総理はショックを受けているそうですね。官僚たちが上げる情報が間違いだらけだということで、相当怒ったようです」
岩上「安倍総理は政権発足時に英文で『セキュリティ・ダイヤモンド構想』というものを発表しています」
宋氏「これは、中国にとっては関係ありません。中国は、内陸に向かっていきたいからです。わざわざ中国を刺激するような戦略は、戦略でもなんでもありません」
岩上「日本は明治期に近代化した時、朝鮮や中国を侵略することを考えていました。中国に対して強く出たい、という考えは今も持っています。その延長として、日本は核兵器を持ちたいと思っている」
宋氏「戦争をするなんて愚かですよ。すごく心配です」
宋氏「中国包囲論と言いますが、中国は包囲しようがありません。中曽根康弘さんでさえ、インタビューでそう言いました。どうやって包囲するんでしょうか」
岩上「宋さんはツイッターで、20年前にも同じことが起きたとツイートしていますね」
宋氏「日本は中国にハイブリッド車の技術を出すと『盗まれる』ということで出しませんでした。その代わり、ヒュンダイが出した。その結果、北京はヒュンダイの車ばかりです」
宋氏「今日の日経新聞に出ていますが、ようやくトヨタが今日になってハイブリッド車を出す、と発表しました。これは、非常に遅いと思います。失われた10年、20年というのは、こうやって生まれていくのです」
宋氏「日本は高度成長期、すべて民生品で成長しました。軍事品ではありません。軍事用の製品を作るとしたら、国内に実験場が必要になります。日本は地理的な奥行きを持っていないので、実験ができません」
宋氏「戦争をやろうとしたら、今の2倍以上の戦費がかかります。借金大国の日本で、どうやって戦争をやろうというのでしょうか。兵器は優秀だから売れるのではなく、その国に政治力があるから売れるのです。日本の兵器は米国と競合するから、売れません」
岩上「ですから日本は、米国と一体化し、下請けになって、おこぼれをいただこう、という考えなのでは」
宋氏「それもひとつの戦略かもしれませんが…。しかし、今は米国についていって、儲かるということはありません」
岩上「日本人は中国が嫌いというよりも、中国を恐れているんだと思います。第二次大戦で日本は中国を侵略しました。そのことに対する疚しさがあり、復讐されることを恐れているのではないでしょうか」
岩上「もうひとつは、自信のなさです。中国に併呑されるよりは、米国の属国であったほうがいい、というものです。なぜ、独立という発送がないのでしょうか」
宋氏「米国や中国と張り合うのではなく、自分の道を進むのが重要ですね」
宋氏「中国の政治は、国際的に見てまともだと思います。対日関係についても、今回のAIIBの件で分かるように、日本に積極的にアプローチしています。日本の右翼政治家は、義理だけで考えて、米国の共和党に忠誠を示すことしか考えていません」
岩上「日本の労働者の賃金は下がり続けていますね」
宋氏「どこの国を見ても、所得は上がっています。日本国民はこの20年間、貧困になっている。これは、どう見ても政治が悪い。しかし、みんな選挙に行かないので、政治が変わりません」
宋氏「国と国との間の友好関係は、メリットがあるかどうかだけで判断すべきです。2013年のオリンピック招致の際、中国は日本に投票しました。それは、『時差が少なくて中国が有利だから』という、非常にドライなものでした」
宋氏「日中は是々非々で付き合うべきで、敵対する理由はまったくありません。中国は、自分の図体がでかいことに、ちょっと無自覚です。中国は、周辺国から怖がられている、ということに気がついていないのです」
岩上「私は、中国の『一帯一路』『シルクロード経済圏構想』を聞いた時、かつてのベルリン―バグダッド鉄道を連想しました。鉄道やパイプラインといったインフラが整備されることで、ユーラシア大陸がランドパワーとして融合されるんですね」
岩上「非ドル化についてはどう思いますか」
宋氏「世界の通貨は、100年持つことはありません。これまでは米ソの2極でしたが、これからは多極化の時代です。人民元がドルに変わることはありませんが、他の通貨がたくさん出てきます」
岩上「日本の住宅事情について」
宋氏「日本は戦後、限られた資源で狭い家をギュウギュウに作ってきました。日本は家でホームパーティーをやらないから、子どもの教育にもよくない。消費も増えません」
岩上「家というのは、最大の買い物ですからね」
宋氏「日本の金持ち、日本の新聞記者、日本の政治家といった金持ちの資産は、東京の土地代なのです。これでは、地方分権はありえません。東京の付加価値を下げないようにしている。こんな狭い東京に集まる必要はないのに、と思いますが」
岩上「日本には、朝鮮と中国への侵略を志向したイデオローグが存在しました。豊臣秀吉から、国学者の会沢正志斎、佐藤信淵、吉田松陰など。そして、福沢諭吉は朝鮮・中国に対するヘイトスピーチ、拡張主義的な言説をたくさん残しています」
岩上「一方で、勝海舟、植木枝盛、朝河貫一、石橋湛山などといった、中国、朝鮮との融和を考えていた思想家の系譜、というものが存在します。石橋湛山は戦中にも関わらず、『植民地をすべて捨てろ』と主張しました」
宋氏「戦争を経験した人間で、あの戦争を肯定する人間はいないと思います。戦争指導者は、負けたら引退すべき。米国の傀儡になって政界に復帰して、もう一回戦争をしようなんて、本当に詐欺みたいなものです」
以上で「岩上安身による経済評論家・宋文洲氏インタビュー」の実況を終了します。動画アーカイブは、準備が整い次第、IWJのトップページ(http://iwj.co.jp/ )に掲載いたします。ぜひ、IWJの定額会員にご登録ください。@iwakamiyasumi
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