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メディアが政権批判をすることの意味
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52700721.html
2015年04月20日 在野のアナリスト
今日の東京株式市場は落ち着いた取引でした。19日、中国人民銀行が預金準備率を1.0%引き下げ、市場に融和的な態度を示し、上海市場が落ち着いていたことも影響するのでしょう。先週末の空売り拡大も、機関投資家など一部にその権限が与えられるだけなら、これらはヘッジの空売りをしても、市場を暴落させるような売りは出さない、と推測されます。それ以上に、預金準備率を下げたことで余剰マネーが市場に流れ易くなる、との思惑が先行した形です。
なぜか、ギリシャ懸念についてはほとんど材料視されませんでしたが、もう食傷気味なのかもしれません。しかしEU再編など、ギリシャ問題の影響がどこまで拡大するか、実はまだまだ不透明な部分が多いものです。7月までにギリシャ政府が折れるのか、EUが見放すのか、いずれにしろ答えが出るのでしょう。そのときは今融資をしているIMFふくめ、不良債権下するのかも考慮して、経済の影響を考えていかなければいけないのでしょう。
あるブログでNHK、テレ朝が自民から呼び出された件を取り扱った記事で、『メディアが政権批判をすると国民にウケる。人気が出る』と述べられ、それを前提に論理が構築されている点が、少し気になりました。実はこの『メディアが政権批判を…』の論調は、安倍政権支持の方に多いのですが、まったく論拠がありません。むしろその背景を考察すれば、簡単に論旨が覆ります。
政権批判がウケるのは、国民が相応しくない、政治家の資質も劣っている、と思っているからこそ、その意に添う論調には同調が集まるのであって、逆に政治家としての力量もあり、かつ国民の声に応える政権なら、メディアが批判するにもリスクが伴います。つまりメディアが政権をどう評価するか、ではなく、国民が政権をどうみているか、が政権批判が国民にウケるかどうかに、深く関係するのです。そしてそれは政権に携わる政治家の行動、言動によって決まるのであり、決して批判のための批判が面白いから、国民がそうした番組、記事をみるわけではないのです。
例えば、山場を迎えたといわれるTPP交渉。中国主導のAIIBが、交渉加速の流れをつくったともされますが、本質は安倍氏の訪米前、手土産にしたいからこそ今ここで焦って交渉しています。貿易協定と、投資銀行ではその中身があまりに違い過ぎますし、環太平洋とアジアと、多少の地域的な重なりはありますが、枠組みも目的も異なる。それに双方へ参加する国も多く、AIIBとあえて重ねる必要はありません。それこそ『粛々と』交渉し、双方のメリットを話し合えばよく、安倍政権の焦りは国益を損ねかねない、妥協の産物になりかねない懸念の方が強くなります。
安倍政権に外交手腕があるなら、AIIBの流れを読み間違えることもありませんし、また国民の声を聞くなら、TPPには参加していません。しかもこのタイミングでTPPを加速させても、米議会ですら大統領貿易促進権限(TPA)が提出された段階で、まだ成立はしていないのですから、どうなるかは不明です。日本側の事情、特に安倍政権の未熟さが露呈した結果として、このTPP交渉をここでまとめようとするなら、国民はその不誠実さに批判的な気持ちを抱くのです。そしてその意を汲むからこそ、それをズバリと言ってくれる人間、番組、記事に称賛を与えるのです。
卑近な例をあげれば、小泉政権のときに政権批判が力をもち得たか? と考えれば分かり易いでしょう。今でも特に、小泉政権が特に優秀で、すばらしい政策を打っていたとは考えていませんが、当時は国民がすばらしい、と思っていたからこそ、その意に反する報道はできなかったのです。世論調査でも、暮らし向きが悪化した、は過半数を大きく超えます。それなのにメディアは景気が好調や、安倍政権を称賛する記事ばかりを垂れ流し、国民が悶々とした気持ちを抱くのです。今こそ、政権批判が力をもつのに、それを人為的、無理やり止めているような状態です。
G20でも、麻生財務相が香港紙の記者を嘲り、笑ったと報じられます。財務省としては既得権であるADBの脅威となるAIIBなどができて、中国が不倶戴天の敵にみえるのでしょうが、国際社会からみて麻生氏の態度は、非常に危惧されるもの、と映ります。そしてそれらは国民も見ているのです。この政治家たちでいいのか? 日本の代表として相応しいのか? 自分たちの暮らしを託せるのか? それがNOであった場合、『メディアが政権批判をすると国民にウケる。人気がでる』のです。少なくとも、そうしたことを必然と誤解してしまうのは、日本の政治が劣化し、国民からみてNOである政権がつづいている、ということが影響しているのでしょう。少なくとも、安倍政権も国民からみてYESではありません。それを人為的に、特定の層により守られているのが、今の安倍政権です。国民の不満の高まり、鬱屈した気分が高まっているからこそ、その流れを変える何かがあると、がらりと変わってしまう予感もしています。それが海外から来るのか、国内で芽生えるのか、その差でしかないのかもしれませんね。
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