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古賀茂明が安倍政権の改革逆行を糾弾!「天下り天国を復活させ、官僚に忠誠を求めているだけ」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150420-00046709-playboyz-pol
週プレNEWS 4月20日(月)6時0分配信
『報道ステーション』の発言でも波紋を呼んだ古賀茂明氏が、『週刊プレイボーイ』のコラム「古賀政経塾!!」で安倍政権をバッサリ斬っている。
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改革を断行すると叫ぶ安倍政権。しかし、その言葉とは裏腹に、現実には改革の先送り、後退が際立つ。その象徴が政府系金融機関の民営化後退、そして天下りポストの復活だ。
今、主だった政府系金融機関は「日本政策投資銀行」「日本政策金融公庫」「国際協力銀行」「商工組合中央金庫」(商工中金)の4つがある。
もともと政府系金融機関は政策目的に沿って長期資金や中小企業向けの融資を行ない、戦後の日本経済の高度成長を支えるという大切な役割を果たしてきた。
しかし、日本が先進国となってからは民間銀行の業務を圧迫したり、本来は市場で淘汰(とうた)されるべき企業にまで融資をし、結果的に日本の経済構造改革を阻害するなどの欠点が目立ってきた。
そのため、2005年に当時の小泉内閣が政府系金融機関を統合、再編してスリム化、あるいは政府の持つ株式を売却し、完全民営化するとの方針を打ち出していた。
ところが今年2月20日、安倍政権は閣議決定で2022年までに民営化すると定められていた日本政策投資銀行と商工中金について、その期限を「できる限り早期に」と書き換え、代わりに「当分の間、株式を保有する」「株式保有の必要がなくなったら速やかに売却する」と書き込んだ法改正案を国会に提出したのだ。
これは政府系金融機関の民営化はほぼなくなったということを意味する。官僚の理屈からすると、政府が保有の必要性があると考えれば、いつまでも株を売却しないでよい=民営化しないでよいという理屈になるからだ。
民営化後退と軌を一にして、トップの座も再び官僚OBが天下るようになってしまった。
それまでは民営化方針に伴い、「政府系金融機関のトップへの官僚天下り廃止」が打ち出され、民間人経営者が登用されていた。
ところが、安倍政権になって政府系金融機関4行のうち、3行で天下り人事が復活してしまった。
●日本政策金融公庫総裁=細川輿一(こういち)元財務省事務次官。
●国際協力銀行総裁=渡邊博史(ひろし)元財務官。
●商工中金社長=杉山秀二(しゅうじ)元経産省事務次官。
といった具合だ。残る日本政策投資銀行のトップの座に官僚OBが返り咲くのももはや時間の問題だろう。
政府系金融機関トップのポストは官僚にとって最上級の天下りポストのひとつだった。官僚の巻き返しを安倍政権があうんの呼吸で見過ごしたおかげで、官僚機構は民間に明け渡していたそのポストを再び手中にすることができた。
官僚の退官後の暮らし向きは、天下りポストがあるかないかで大きく変わる。彼らにとって、天下りポストの確保は至上命題といってもいい。だから、「政策の実現と天下りポストの確保のどちらを取るか?」と政権から聞かれたら迷うことなく天下りポストの確保に走る。
安倍政権はそんな官僚機構の習性を熟知している。民営化先送り、天下りポストの復活を許す代わりに、官僚に政権へのさらなる忠誠、忠勤を求めているのだ。
しかし、行政改革は国民との約束である。それを無視し、官僚優遇を復活させることは明らかな国民への公約違反だ。
首相は今国会を「改革断行国会」と名づけたが、もはや看板倒れ。「改革逆行国会」と呼ぶのが実情に合っている。
●古賀茂明(こが・しげあき)
1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元幹部官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して20 11年退官。著書『日本中枢の崩壊』(講談社)がベストセラーに。新著『国家の暴走』(角川oneテーマ21)が発売中
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