http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/505.html
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転載する日経新聞記事に、「両国はコメの関税を維持する代わりに米国産コメに特別輸入枠を設ける方向で議論している。米国は主食米で17万5千トンを主張し、日本は5万トン規模に抑えたい考え」とあるが、特別輸入枠であるミニマムアクセス(MA)米は、日本が米の関税化をしない代償として行ってきた制度であり、本来なら、米の関税化が実施された99年以降のMA米は廃止もしくは縮減されるべきものである。(MA数量の上乗せは2000年以降やめた)
MA制度の活用で日本向け輸出を17.5万トンしかも主食用米(現在は外食産業向け)を“無競争”で増やせという米国側の要求は、自由貿易のルールにももとる理不尽極まりないものでる。
(MA米の残り67万トンは加工用・飼料用・援助用だが、米国に対しては、主食用のシェア30%と割り当てを合算すると、MA米のほぼ半分(49%)に達するほどの優遇を行っている)
米国の主張は、主食用として設定された10万トンという全量さえ超える17.5万トンを上乗せした約20万トンの主食用米を“無競争”・“選択の自由ナシ”という条件で日本に輸入しろというものである。
20万トンと言えば、日本の総需要770万トンの2.6%に相当する。
(他のMA米30万トンを加えると、対日米輸出総量は50万トンに達する)
参照投稿で説明したが、米作農家の経営努力と身を切る出荷価格に加えここ2年あまりの円安傾向により、日本の米価格は国際価格に負けないレベルになっている。
だからこそ、10万トンの枠が設定されている主食用SBS米は、昨年1.1万トンと枠の10%ほどしか輸入されなかったのである。
主食用特別輸入枠10万トンのうち1.1万トンしか実績がないという状況で、「日本は5万トン規模に抑えたい考え」といったまるで隷属国家のようなトンチンカンな対米交渉が行われているのに、メディアも農業組織も大騒ぎをしない状況に唖然とする。
米国産主食用米に需要がない状況でも、否応なく5万トンは輸入しなければならなくなるのである。
(やむえないことではあるが、MA米の処理=保管料及び売買差額で大きな財政負担を強いられている)
重大な農業政策の転換につながりかねない話が、メディアの曖昧な報道で事足りるという発想はとうてい許されない。
事実と影響を政府がきちんと国民に明らかにしたうえで交渉を進めなければならないレレベルの問題である。
※ 関連参照投稿
「TPP日米閣僚級協議 コメで厳しい交渉も:輸入実需激減の主食用で枠総量を超える17.5万トンの増加要求という無理難題」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/455.html
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農相「コメに問題残る」 TPP交渉 きょう日米閣僚協議
日米両政府は19日から、東京で環太平洋経済連携協定(TPP)に関する閣僚協議を開く。甘利明経済財政・再生相が来日する米通商代表部(USTR)のフロマン代表とコメや自動車など両国間の懸案事項について直接話し合う。コメを巡っては林芳正農相が18日、「問題が残っている」と指摘するなど厳しい交渉が続いており、どこまで歩み寄れるかが焦点だ。
両国はTPP交渉に参加する12カ国での合意を見据え、今月15日から事務レベルで協議してきた。「一定の前進がみられた」(甘利氏)として、今月28日の日米首脳会談を前に閣僚間で一段の進展を目指す。協議は2日間の予定だ。
林農相は18日、都内で記者団に対し、コメの扱いで「まだ詰めるべきこと、決めるべき問題が残っている」と語った。両国はコメの関税を維持する代わりに米国産コメに特別輸入枠を設ける方向で議論している。米国は主食米で17万5千トンを主張し、日本は5万トン規模に抑えたい考えだ。
米国は加工用などでも4万トンの輸入枠を求めている。自動車部品では日本が即時関税撤廃を要求し、米国は認めない方針を貫いている。
米国のオバマ大統領は17日の記者会見で、TPPに関連して「(米国内で)日本市場の開放に反対するのは分からない」と述べ、対日輸出拡大の好機と強調した。「我々がアジアで競争できるルールをつくれなければ、中国が自国の労働者や産業に有利なルールを設定するだろう」と対中戦略からもTPPが重要との認識を示した。
[日経新聞4月19日朝刊P.3]
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