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日本が歴史を顧みなければアジアにおける和解の土台が崩れる Toru Hanai/REUTERS
【オピニオン】安倍首相が負う歴史への責務−米議会演説を前に
http://jp.wsj.com/articles/SB11581577432647144308704580585920270669254
2015 年 4 月 17 日 18:01 JST WSJ
今月29日に予定される米上下両院合同会議での演説を前に、アジアの視線が安倍晋三首相に集中している。今年は第2次世界大戦終了から70年の節目となるが、安倍氏はどのような歴史メッセージを選択するのか。
安倍氏にはおおまかに3つの選択肢がある。1)第2次世界大戦前と戦時中に日本軍国主義が取ったおぞましい悪行を認める。2)日本が真珠湾攻撃で戦争を開始したが、米国が戦争を終わらせるために2個の原爆を投下したため、日本と米国の間に横たわる一種の「道徳的等価性」を強調する。3)模範的な民主国家、アジアにおける米国の最良の友、地域経済発展の最大の貢献者として歩んだ日本の戦後史に焦点を当てる。
これまでの言動を考えると、安倍氏は日本人の大半が好む2番目か3番目を選択しそうだ。安倍氏は、日本が過去の帝国主義に立ち返ることは絶対に許されないと述べる半面、戦没者を追悼するという厳粛な責務も強調している。
しかし、日本が戦時中に行った残虐行為――性奴隷のほか、米国人を含む生身の人間を使ったグロテスクな医療実験など――を安倍氏が取り繕い、無視するならば、日本が戦後に民主主義や人権、人間の尊厳といった価値観を導いてきたとの主張は効力を失うだろう。
米国人の多くは中国と韓国が継続的に歴史問題に焦点を当てることに対し、疲れてはいないまでも不安を感じている。米国人の言い分はこうだ。確かに日本は戦時中にひどい失敗を犯したが、それは70年前のことであり、今は前に進む時だ。また、全ての国が何らかの暗い歴史を持っており、中国も決して例外ではない。1945年以降、日本は責任ある主要国として振る舞ってきたし、世界で最も国連に資金を拠出している国の一つであり、実質的に全ての重要問題で米国側についてきた。韓国が負った傷は理解できるが、同じ民主国家で米国の同盟国である韓国は歴史の悲しみを乗り越える勇気を持つべきだ――。
こうした主張は核心的なポイントを見失っている。つまり、戦後の日本が記録した善行はその前に起こったことを消していないのだ。まだ影響力を保っている円でたくさんのものを買うことはできるが、アジア人(あるいは米国人でさえ)が持つ集合的記憶を買うことはできない。
安倍氏の修正主義は、オバマ大統領が掲げるアジア基軸戦略など米国の戦略的利益に反する。なぜなら、日本が歴史を顧みなければ地域和解の土台は崩れ、軍拡に対する格好の言い訳を中国に与えてしまうからだ。日本が歴史を顧みなければ中国の国際的な地位を高めるばかりか、中国政府の発言は他のアジア諸国・地域と同調するものだとの見方を強めてしまう。
中国が台頭する中、効果的な抑止力と防衛力を維持するだけではアジアの安全保障と安定は確保できない。アジアの民主主義を強化し、人権尊重や市民の自由、歴史的和解などの「ソフトパワー」資産の構築も必要だ。
日本がどれほど日米同盟や海外での開発支援に貢献しようが、神風特攻隊を描いたヒット映画に涙し、1937年の南京大虐殺で罪のない市民30万人が殺されたとの見方に異議を唱える日本の指導者では、アジアの仲間の心をつかむことは決してできない。
安倍氏は、アジア人の心をつかむことは日本を「不沈空母」にすることほど重要ではないと信じているのかもしれない。ただ、これが米上下両院合同会議で伝えたい安倍氏の唯一のメッセージだとすれば、日本は米国にとって不可欠な同盟国であり、中国に比べて信頼できる相手であり、何よりも他のアジア諸国・地域の友人であることを示す絶好の機会を失うだろう。
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筆者の李正民氏は韓国の延世大学国際学大学院教授(国際関係論)、米カーネギー国際平和基金の非常勤シニアアソシエート。
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