http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/347.html
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転載する日経新聞の記事は、米国財務省証券(米国債)の保有額で日中が逆転したことを書く見出しとして、なぜか「中国のマネー流出映す」という的外れな表現を使っているが、両国の外貨準備額は、日本が1兆2千億ドル強であるのに対し中国は約3兆9千億ドルと、絶対額で3倍以上の差がある。
本来なら、絶対額でそれだけの差がありながら、両国の米国債保有額がほとんど変わらないことを問題にしなければならない。
1兆2244億ドルという日本の米国債保有額は、日本の外貨準備額1兆2453千億ドルのほぼ100%(98.3%)に相当する。
日本は、外貨準備運用の基軸はドルでいいとしても、資金運用組織(年金のGPIFでも)や金融会社ならどこもが行う金やユーロなどへの分散投資という“鉄則”をほとんど守っていないことになる。
一方、中国の米国債保有額1兆2237億ドルは、中国の外貨準備額の31.3%でしかない。逆に言えば、外貨準備の圧倒的多く(70%)は、米国債以外で運用ないし活用されていることを意味する。
日本は、貿易を含む国際経常収支の黒字で蓄積した“外貨準備”をまるまる米国債購入というかたちで米国に還流していると言える。
日経新聞の記事を見出しだけでなく中身まで読めば、「長い目でみても、中国が米国債の保有を徐々に減らす構図は続くとみられる。中国は米国の経済情勢や金融・外交戦略に自国の政策が縛られることを嫌い、「過度な米ドル依存」からの脱却をめざして外貨準備の運用の多様化を模索している」とあるので記者の“本音”がわかる。
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中国のマネー流出映す 米国債保有で首位転落
2015/4/17 1:06
【北京=大越匡洋】中国が今年2月、米国債の国別保有額で6年半ぶりに首位の座を日本に明け渡した。景気の減速で海外に資金が流れ出し、米国債を買う原資である外貨準備が減っているためだ。中国政府は米ドルに偏る外貨準備の運用をアジアのインフラ投資などに多様化する戦略も進めており、「ドル離れ」の動きを加速する可能性が出てきた。
米財務省が15日発表した国際資本統計によると、中国の米国債保有額は2月に前月比154億ドル減り、6カ月連続で減少した。日本の保有額は1兆2244億ドルで、中国の1兆2237億ドルを上回った。中国が首位から陥落したのは、2008年8月以来だ。
中国の景気減速に米国の利上げ観測が加わり、中国に海外から流れ込んでいた資金が逆流し始めたことが大きい。中央銀行の中国人民銀行は人民元相場が急落するのを防ぐため、3月にドルを売って元を買う介入に踏み切った。
ドル売り・元買い介入に必要なドルは、主に外貨準備で保有する米国債を売って手当てする。この結果、昨年6月に4兆ドル近くに達した外貨準備高は今年3月末に3兆7300億ドルに減った。特に3月末までの3カ月間で、約1100億ドルも減少している。
足元のマネーの流れの変化だけでなく、長い目でみても、中国が米国債の保有を徐々に減らす構図は続くとみられる。中国は米国の経済情勢や金融・外交戦略に自国の政策が縛られることを嫌い、「過度な米ドル依存」からの脱却をめざして外貨準備の運用の多様化を模索しているためだ。
その一つが、中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)だ。中国は独自に400億ドルのシルクロード基金も創設した。同基金では当初出資の100億ドルのうち、65億ドルを外貨準備から出した。AIIBや同基金を通じ、外貨準備を米国債からアジアのインフラ投資に振り向ける戦略だといえる。
一方、日本は金融緩和で日本国債の金利が低下しており、相対的に利回りが高い米国債への投資が今後も続く見通しだ。中国も保有するドル資産の価値の目減りを警戒し、急激に米国債を売却する可能性は小さい。ただ中長期的には保有額を少しずつ減らしていく公算が大きいだけに、米中間の火種になりそうだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM16H7V_W5A410C1EA2000/?n_cid=TPRN0005
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