http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/266.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/bee18fd782db1709a905a6aa8b9c8fc1
2015年04月15日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆福井県知事選挙(告示日3月26日)は、4月12日投開票され、現職の西川一誠候補(70)(無所属、自民、民主、公明の各県組織や、県農政連、連合福井などの推薦)が、新人の金元幸枝候補(57)(共産)を破り、4選を果たした。西川一誠候補28787票、金元幸枝候補7357票(当日有権者65039人、投票者37235人、投票率57.25%)。西川一誠候補は、選挙戦で北陸新幹線県内延伸の3年前倒し実現などの実績を強調。人口減対策や、国内最多の原子力発電所14基が立地する県のトップとして「責任ある原子力行政に取り組む」などと訴え、広く支持を集めた。これに対して、金元幸枝候補は、原発再稼働阻止などを訴えたけれど、名前を浸透できず、及ばなかった。
要するに、若狭湾岸に「原発銀座」を擁していながら、「原発ゼロ」「脱原発」「原発再稼働」という重要問題が、争点にならなかったのである。自民党と対決すべき野党第1党の民主党が、文明史に挑戦する「原発ゼロ」「脱原発」「原発再稼働」を争点にできなかったのは、実に情けない話であった。
◆ところが、福井県知事選挙・県議選挙が選挙への影響を回避していた福井地裁は、選挙が終わってから2日目の4月14日、関西電力が「11月再稼働」を予定している高浜原発3・4号(福井県高浜町)をめぐり、福井県や関西の住民9人が再稼働の差し止めを求めた仮処分申請で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、住民側の請求を認め、両機を「運転してはならない」と関電に命じた。原子力規制委員会が策定した新規制基準に適合しても「安全性は確保できない」と断じたのである。住民側の「大勝利」であった。裁判所が仮処分で原発の運転禁止を命じる決定を出したのは、日本国内で初めてのことであり、この仮処分は直ちに効力が生じるため、再稼働は当分の間、できなくなるという。
◆福井地裁は、「新規制基準は緩やかすぎて、これに適合しても安全性は確保できない」と断定、原発の安全審査における最大のポイントとなる基準地震動(地震の揺れの想定)について「2005年から過去10年間で想定を超える揺れが4原発で5回あった」と述べて、「基準地震動は信頼性を失っている」「高浜で想定する700ガル未満の地震の場合でも、「冷却機能喪失による炉心損傷に至る危険が認められる」としている。はっきり言えば、「原子力規制委員会が策定した新規制基準そのものが甘く、万が一地震が発生すれば、危ない」ということだ。
菅義偉官房長官は4月14日の記者会見で、福井地裁が高浜原発3、4号機の再稼働を認めない仮処分を決定したことについて「国は当事者ではない。あくまでも仮処分であり、事業者の対応を注視したい」と述べるとともに、「粛々と(再稼働を)進めていきたい」と原発再稼働方針に変更はないとの考えを強調した。
菅義偉官房長官は4月6日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設問題で繰り返していた「粛々と工事を進めていく」との発言について、「今後は使わない」方針を示したのに、福井地裁が高浜原発3、4号機の再稼働を認めない仮処分を決定したことに、相当頭にきたのか、「粛々と」という強権主義丸出しの強硬姿勢を示した。菅義偉官房長官は余程、「原発が好き」らしい。
【参考引用】
ロイターは4月14日午後5時27分、「福井地裁、高浜原発再稼働禁止の仮処分 新規制基準『安全確保せず』」という見出しをつけて、以下のように配信した。
[福井市 14日 ロイター] - 関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)高浜原発3・4号(福井県高浜町)をめぐり、福井県や関西の住民9人が再稼働の差し止めを求めた仮処分申請で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、住民側の請求を認め、両機を「運転してはならない」と関電に命じた。また、原子力規制委員会が策定した新規制基準に適合しても「安全性は確保できない」と断じた。住民側代理人の弁護士によると、同仮処分は直ちに効力が生じるため、再稼働は当分の間、できなくなる。裁判所が仮処分で原発の運転禁止を命じる決定を出すのは日本国内で初めて。
<基準地震動、信頼性ない>
高浜3、4号は今年2月、原子力規制委員会から新規性基準に「適合している」と合格判定を受けた。しかし、福井地裁は仮処分の決定文要旨で、「新規制基準は緩やかすぎて、これに適合しても安全性は確保できない」と断定した。原発の安全審査における最大のポイントとなる基準地震動(地震の揺れの想定)について、地裁は、2005年から過去10年間で想定を超える揺れが4原発で5回あったことに触れながら、「基準地震動は信頼性を失っている」と指摘した。その上で、高浜で想定する700ガル未満の地震の場合でも、「冷却機能喪失による炉心損傷に至る危険が認められる」とした。今回の仮処分申請の代理人で、脱原発弁護団全国連絡会の共同代表を務める河合弘之弁護士は仮処分決定後の記者会見で、「司法が原発再稼働を止めた今日は日本の脱原発を前進させる歴史的な一歩」と強調した。
関電は同日、高浜3・4号の運転禁止を命じる福井地裁の決定に対して、「速やかに不服申し立ての手続きを行う」とのコメントを発表した。仮処分の決定に不服があれば、訴えられた側は同地裁に改めて審理を求める「保全異議」を出すことができる。再審理の結果、関電の申し立てが認められれば今回の仮処分の効力が消え、再稼動の可能性が復活する。
河合弁護士は、保全異議があった場合の審理の期間について「半年から1年くらいだろう」との見通しを述べた。今回裁判長を務めた樋口氏は4月1日付で名古屋家裁に異動しており、別の裁判官が審理を担当するとみられる。(浜田健太郎)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK183掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。