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北海道は高橋はるみ氏が4回目の当選(C)日刊ゲンダイ
野党の無力、メディアの迎合…統一選の結果が必然だった背景
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/158942
2015年4月13日 日刊ゲンダイ
民主主義なんて脆いものだ。いくら、選挙があっても一党独裁の支配体制化では機能しない。というか、その独裁政権追認の儀式になってしまう。
それをまざまざと見せつけたのが12日、投開票された統一地方選の第1ラウンドではなかったか。
「今回の10道県知事選で野党が対立候補を擁立できたのは北海道と大分県のみ。6知事選で与野党相乗りです。41道府県議選は5人に1人が無投票当選で、自民系348人が開票前に当選した。民主党は345人の候補者しか立てられなかったから、開票前に自民の無投票当選者数に負けていた。緊張感も何もありゃしません」(立正大教授・金子勝氏=政治学・憲法)
だったら、その分、野党は直接対決になった大分と北海道の知事選に全力投球すべきだったのに、ともにボロ負けだから、ヒドイものだ。
改めて言うまでもないが、国政選挙には強い安倍自民党も地方の県知事選では苦杯をなめ続けてきた。昨年は滋賀県知事選に負け、沖縄県知事選も落とし、今年1月の佐賀県知事選も足をすくわれた。当たり前の話で、アベノミクスの恩恵なんて、地方には何の関係もないからだ。そのうえ、TPPをゴリ押しし、原発再稼働に舵切りし、沖縄では基地移設強行だから、むちゃくちゃだ。地方の反乱は当然で、だからこそ、今度の県知事選も注目されてきたのである。
それがなぜ、かくも無残な結果に終わったのか。
■選挙期間中も分裂していた野党
滋賀、沖縄、佐賀、北海道の知事選を取材したジャーナリストの横田一氏はこう言っている。
「北海道知事選では野党が全然、一枚岩になっていなかった。それがこれまでの知事選との大きな違いです。地元の横路孝弘衆院議員らが野党の佐藤のりゆき候補の適格性を問題視、岡田代表も民主党の道連からの要望がないことを理由に党を挙げた支援をしなかった。札幌市長選の応援に入った蓮舫参院議員が北海道知事選では街宣車にも乗らず、素通りしたのです。だったら、候補者を公募するなど、もっと早くから対処すればいいのに、選挙が始まってもゴタゴタを続けていたのですから、どうしようもありません」
こうした裏を聞くと、なるほど、こうやって民主主義は滅びていくのかと痛感する。自民が国政選挙で圧勝したことで、今や馬糞の川流れのような野党。内輪モメで自滅していくパターンである。その間、巨大勢力の与党は金をバラマキ、組織を引き締め、万全の選挙態勢を敷いてしまう。
今度の選挙だって、自民は用意周到だった。総額3兆1180億円の補正予算を組み、自治体が商品券などに使える交付金などを盛り込んだ。もちろん、統一地方選対策のバラマキで、景気対策になんかなりゃしないが、数の力で押し切って、利権目当ての業者を束ねた。
「投開票日直前に一時2万円超えした日経平均株価もドンピシャリでしたね。外国人投資家は“選挙前は下がらない”と強気でしたが、その通りの展開に笑いが止まらなかった。“本当に日本は分かりやすい国だね”と言っていました」(市場関係者)
加えて、安倍政権がちょっと睨みを利かせると大メディアは羊のようにおとなしくなってしまう。こうなりゃ安倍自民党は楽チンだ。
茂木敏充選対委員長は開票後、「景気回復の実感を地方に一日も早く届けてほしいという期待感は大きかった」「地方創生をはじめ選挙戦で訴えてきた政策をしっかりと与党として実現していきたい」とか言って、“勝利は当然”とばかりに胸を張った。
アベノミクスとは一言で言えば格差拡大政策なのに、ここまでイケシャーシャーと言わせていいのか。とんでもない話だが、こう言わせたのは、戦う気がない野党と、いまや完全に安倍政権のポチと化した大メディア、それにだまされた有権者であって、与党の勝利は、この意味において、必然と言うしかないのである。
地方は「アベノミクスを支持した」と言われる
あらゆる選挙が無意味に…(C)日刊ゲンダイ
恐ろしいのは、この選挙結果を受けて、ますます、安倍自民党がのさばることだ。
「この結果は野党のだらしなさと人材払底、大メディアの萎縮などさまざまな要素がありますが、連休中の日米首脳会談を控えて、安倍首相はイケイケでしょう。そこではガイドラインが見直され自衛隊の在り方が変わってしまう。アベノミクスだって、株価以外に何の成果も出ていないのに、こんな選挙結果では、“地方はアベノミクス支持”と言われて、おしまいです」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
本来であれば、もっとも怒らなければならない地方が低投票率に象徴されるような無関心で、安倍自民党を勝たせてしまったのだから、どうにもならない。今後も異次元緩和と円安が進み、地方と中小企業からヘタっていく。もちろん、原発は再稼働し、とどめはTPPだが、野党とメディアがこのザマでは、ホント、何度選挙をやっても無駄だろう。メディアがきちんと政権を批判し、有権者の批判票の受け皿になる政党がなければ、どうにもならないからである。
「それがなければ、有権者は棄権し、組織団体票を固めた与党が結果的に勝ってしまう。そうなると、何度選挙をやっても政権側が国民の信任を取り付けるためだけの“アリバイ選挙”となりかねません。それこそ昔の社会主義国や、独裁国家と同じことになってしまう。かつて麻生財務相がいみじくも『ナチスに学べ』と言いましたが、民主主義のルール下で、ファッショが進行していくことになります」(金子勝氏=前出)
■かつての翼賛体制よりもひどい惨状
裏を返せば、すでにそういう独裁体制がほぼ完成しているからこそ、今度の選挙もこういう結果になったのだろう。政治ジャーナリストの野上忠興氏はこう言った。
「一党独裁、翼賛体制だから、誰も逆らえない。政権の批判も封じ込められ、野党は右往左往するばかり。こうなれば、与党が勝つのは当たり前ですが、今の政治状況はかつての翼賛体制よりもひどいと思いますよ。歴史的に見れば、社会主義国家は失敗し、民主主義が当たり前の世の中になっている。日本だけですよ、安倍自民党の一強体制にどこもかしこもひれ伏しているのは。つくづく日本人が劣化したんだと思いますね。この先、どうすりゃいいのか。暗澹たる気持ちになってきます」
今や、安倍政権に面と向かって対峙できるのは沖縄の翁長県知事くらいなのだが、それも心配になってくる。この選挙結果では「盾突いているのは沖縄県だけ」とかやられ、孤立化されかねないからだ。
こうなると、誰も安倍政権には逆らえなくなる。
「有権者も『なるようになれ』と投げやりな気持ちになってしまうのが怖い。選挙なんて無意味だというしらけムードが漂い、厭世的な気分が蔓延し、投票率が下がり、結果的に安倍政権の独走、独裁を許してしまう。これが翼賛体制の怖さですが、それがもう始まっています」(政治評論家・山口朝雄氏)
戦後70年、安倍政権によって葬り去られるのは、憲法9条だけではないということだ。
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