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「「AIIBの衝撃」について。矢吹晋・横浜市立大名誉教授インタビュー:岩上安身氏」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/156.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 4 月 12 日 22:45:05: igsppGRN/E9PQ
 

「「AIIBの衝撃」について。矢吹晋・横浜市立大名誉教授インタビュー:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17099.html
2015/4/12 晴耕雨読


https://twitter.com/iwakamiyasumi

18時よりCh1で行われる「岩上安身による矢吹晋・横浜市立大名誉教授インタビュー」の模様を実況。テーマは「AIIBの衝撃」について。

@iwakamiyasumi ( #iwakamiyasumi live at http://ustre.am/eOVh )

岩上安身「日本ではAIIB(アジアインフラ投資銀行)の衝撃についてはやり過ごそうとしていますね。これは日米が主導してきたADB(アジア開発銀行)では賄いきれないアジアのインフラ整備のための資金ニーズに、代替・補完的に報じることを目的としている」

岩上「AIIBの参加国を見ると、EUやアジアなど多くの国の名前がある、日米の同盟国であるイギリスや韓国も。さらにインド、オーストラリアも。参加国・参加予定国は53カ国以上。そしてイスラエルまでも…。G7で参加しないのは日米のみという状況に」

矢吹晋氏「ADBが出来た時は高度成長期という背景があった。その後日本はバブルが弾けて20年の不況で経済規模は縮小していった。その中で中国が勃興してきた。90年代以降、中国・ロシアはグローバリズムに組み込まれ、安い原材料・労働力が供給され始めた」

矢吹氏「そういう日本の経済縮小の状況下で、ADBが途上国のニーズに応えられなくなってきたのが一番のポイント。途上国は以前から、融資条件を緩和してくれと言っていた。そういう時に、中国のAIIBの動きにワッとと世界中が飛びついた」

矢吹氏「すでに中国中心の世界経済。その中で、このAIIBに乗らないと、世界経済の発展から取り残される、と世界中が判断した。特にに雪崩を打って参加国が増えたきっかけはイギリスの参加表明。イギリスは非常に老獪」

岩上「リーマン・ショックを境に、沈みゆく日本を含む西欧と、上昇する中国との交錯が始まったのではないか。今、日中は歴史認識の問題が関係を悪化させている。軍事でも経済でも歴史問題でも中国に負けるかもという不安感が、根拠のない議論を詠んでいる」

岩上「そこで今回はデータに基づいた議論をしたい」

矢吹氏「外貨準備高が最も正確で確実な数字。債務国か債権国かはこれで決まる。昨年末の数字で、日本は1兆2600億ドル。中国は今や3兆9000億ドル。台湾・香港を合わせると4兆4664億ドルに」

矢吹氏「政治的には台湾のひまわり革命や、香港の雨傘革命などトラブルはありますが、経済的には中国・香港・台湾は完全に一体化している。これが中国と日本の影響力の差。ちなみに米国は4300億ドル。まあ米国はもともと借金国ですし、ドルを剃れば良いのですが」

岩上「対外純資産をみると、日本は325兆円の蓄えがあり、中国、ドイツと続く。米国はぶっちぎりで452兆円のマイナス」

矢吹氏「この米国の借金を支えているのが日本と中国。日本は1兆2000億ドル米国債を買っている」

矢吹氏「しかし中国も1兆2000億ドルの米国債を買っている。昔は日本が米国を買い支えていたが、今は日中。中国の貯蓄率はぐんぐん上がり、金持ち国に。中国は働き蟻だが、米国はキリギリス。借金ばかりして浪費する。米国は純貯蓄率は0%に近くなりました」

岩上「中国は米国にどんどん投資し、中国製品を買わせる。中国と米国はぐるぐる回っている」

矢吹氏「日中、中韓貿易では中国は赤字。部品を買っているから。中国は日韓ASEANを部品工場にして、米国に製品を売っている」

矢吹氏「貿易額は日米が1とすると、中米は2。米国にとって日中どちらが大事か、ということが分かります」

岩上「サマーズ元米財務長官は、『AIIBで米国は世界経済のリーダーとしての地位を失った』と述衝撃的な渓谷をしました」

矢吹氏「私もその通りだと思う。ADBとは、IMFが処理しきれないものをアジアで代わりに処理する、というものだった。日本人はAIIB対ADBという構図でしか語られないが、ADBが駄目ということは、IMF,世銀も駄目だと言うことなんです」

矢吹氏「量の多寡ではなく、これまでの米国、世銀やADBのシステムが通用しなくなったということ。米国はニクソン・ショックでドルと金の兌換を停止したことで弱まった。そして借金国に。そもそも破産は見えていたが、今回AIIBでそれが全面的に表に出た」

矢吹氏「AIIBはまだ制度を作ったという段階。世界の人口の7割、GNPは世界の3割を占めるが、これは途上国が多いということ。つまり、これから伸びるということ。今のベースマネーでADBとAIIBを比較しても意味がないのです」

岩上「2013年の日本のGDPは、米国、中国、インドに次いで4位に転落した。これは安倍政権の円安のせいですね」

矢吹氏「2014年は、中国が米国を購買力平価で抜いた。中国の成長率は低くなったといっても7%。先先進国はもっと低い」

岩上「エコノミストの資料では、2018年に中国が世界一の経済大国になると予測しています」

矢吹氏「この予測は中国の成長率が10%の時でしたから、(今は7%なので)成長は緩やかになるが、抜くことは間違いありません」

矢吹氏「まだ為替レードでは米国に及ばないが、世界はこの購買力平価で中国が抜いた、ということを見ている。米国は頼りない、逆に中国に近づかないとまずい、となっている。各国から見たらヘゲモニーは関係なく、誰が金を貸してくれるか、ということが重要」

矢吹氏「この世界中が選択を迫られた重要な時に、尖閣門問題という一銭の金にもならないことで喧嘩して駄目にした。米国はもちろん大事にしなければならないが、中国との関係も大事にしなければならない、それが日本の生きる道。イギリスもイスラエルもそうした」

岩上「中国が日本を排除した、と思われがちだが、中国は日本にAIIB副総裁のポストも用意して、破格の待遇で迎えた。それを日本が断った。中国にしてみれば面子を潰された。これは後々禍根を残すのでは」

矢吹氏「まさに日本の没落のはじまりです」

矢吹氏「米国でドクターの資格を取った数は、中国人が4217人で断トツ。次いでインド人は2247人、韓国人717人、台湾人、タイ人と続き、日本人はなんと237人で6位。日本を担う若者にいかに投資しているかが端的に表わされている。日本の没落です」

矢吹氏「輸出で見るとずっと米国がお得意様。しかし2008年あたりで中国が抜いた。輸入は2001年にはもう抜いていた。日本は米国依存から中国頼みに実は転換していたのです。こういう時に『中国封じ込め』などと言う安倍総理は、現実を全然分かっていない」

矢吹氏「2014年の日米首脳会談で尖閣についてオバマは、『私が生まれる前から決まっていた日米安保を繰り返し言っただけ』と言ったが、日本のマスコミは『オバマが尖閣を守ると踏み込んだ発言をした』と煽った。これは官邸が邦訳を捏造し、それに誘導された」

岩上「イギリスが3月にAIIB参加表明した際に、オズボーン英財務相は『世界で最も急速な成長を遂げているアジア・太平洋地域との連携強化は、英国企業にとって事業や投資の絶好の機会となる』と強調しました」

矢吹氏「日本は『独裁政権や環境に悪影響を与える事業への貸し付けに加担する恐れがある』などとして参加を見送った。これにはカラクリがあって、独裁政権だ、環境アセスが、というのはADBが融資を渋る理由にしていること。これに対するアジア中の不満があった」

岩上「ADBは現在の第9代中尾武彦総裁まで、9人すべてが財務省
出身。財務省の既得権益だった」

矢吹氏「自分たちがADBの執行部だったから、アジアの不満を無視してきた。その横暴がアジアの不満を鬱積させた。本当はそれを反省しなければならない」

矢吹氏「しかしそういう反省がないから、『中国がADBに挑戦してきた』という見方しかできない。財務省の責任は大きい。各国の大使館(現場)は50カ国以上が参加することを分かっていた。しかし官邸の官僚がそれを握りつぶしたとしか考えられない」

矢吹氏「中央の財務省、外務省、経産省の責任が大きい。米国の顔色ばかり見ている。そしてマスコミもそれに迎合している。その一方、中国外交学院の江瑞平副院長は『日本がAIIBを放棄したのは、米国と歩調を合わせることが一つ、自国の利益が一つ』と報告」

矢吹氏「AIIBについて、世銀のキム総裁は『貧しい国々の経済発展のための新しい力となりえる』と歓迎した。出来た以上は対立しても意味がないという判断。今、世銀も国連も韓国人がトップ。これは一応米国がアジアを重視し、声を聞こうとしているアピールです」

岩上「安倍総理は2012年12月27日に、『セキュリティ・ダイヤモンド』構想という論文を英文のみで発表。南シナ海が『北京の湖」

になろうとしている』と中国の脅威を煽り、日本、米国ハワイ、オーストラリア、インドを結んで…」

岩上「…中国を南シナ海から排除すべきだ、と世界に主張している。しかし日本国内には邦訳もさせない、絶対に読ませようとしなかった」

岩上「一方で中国は、中国を起点に中央アジアからヨーロッパに至る陸路の『シルクロード経済圏(ベルト)』と、中国沿岸部からアラビア半島までを結ぶ海上交通路『21世紀の海のシルクロード』、両者をまとめて『一帯一路』を掲げました」

岩上「習近平国家主席はAPEC閣僚会議が開かれた2014年11月8日、中国が400億ドルの『シルクロード基金』を創設すると表明。同基金により、周辺地域の鉄道やパイプライン、通信網などのインフラ整備を援助すると呼びかけました」

矢吹氏「経済圏としての『一帯一路』は、人口44億円、GNP21兆ドル、国家地域26に及びます」

岩上「かつて明の時代、鄭和艦隊がアフリカに到達しましたね」

矢吹氏「鄭和はイスラム教徒だったんです。当時は世界はイスラム教が席巻していました」

矢吹氏「中国の外交の凄いところは、アラブ諸国に対しては必ず自国内の回族などのイスラム教徒を派遣する。それだけでコミュニケーションが円滑になる。非常にしたたか。共通の宗教があるということは非常に重要なのです」

矢吹氏「習近平が『海のシルクロード』構想をどこでぶち上げたか。構想に中核になるであろうインドネシアです。これも鄭和と重なりますね」

矢吹氏「習近平がインドネシアで『海のシルクロード』を演説したのは2013年10月。バリ島のAPEC-CEOサミットで『改革開放を深化し共に素晴らしいアジア太平洋地域をつくろう』と演説した。まずは外で打ち上げた」

矢吹氏「そして2013年10月24日、次は中国国内の座談会で『親密、
包容の周辺外交の理念を堅持する誠実、思恵』を掲げた。一方『陸』の方は、2014年5月21日にサミットで『アジア安全観を積極的に樹立し安全協力の新局面を共に創出しよう』と演説」

矢吹氏「これはアジア相互協力信頼醸成措置会議での演説だった。そして2014年6月5日、中国・アラブ諸国協力フォーラムの談話で、『シルクロード精神を発揚し中国・アラブ諸国の協力を深化する』と演説し、ここで初めて『海』と『陸』の両方を掲げました」

矢吹氏「この中国とアラブの結びつきの動きは、やっぱりイスラエルも気になりますね。だからイスラエルには、あらかじめAIIBのメンバーとなって、あれこれ口を出せるようにしようという思惑があるのです。そういう国も包容します」

岩上「シルクロードの東端が日本。奈良の正倉院には、中国製やペルシア製の宝物が数多くあります。NHKが1980年に放送した特集で、日本で『シルクロード・ブーム』が起こりました。これを今の若者は全く知らない。そういう意味でも文化的断絶が分かります」

矢吹氏「『陸のシルクロード経済帯』と『海のシルクロード』(『一帯一路』)を結ぶインフラ投資を行うのが、この投資銀行の目的ですので、中国が中心に位置づけられていることは明らかです」

矢吹氏「とはいえ、日本から見れば、日本こそが『陸のシルクロードの終点』であり、かつ『海のシルクロードの始点』であることも確かな事実
です。この文脈では、日本はすでに「一帯一路」

に巻き込まれています」

矢吹氏「課題はどのような形で参加し、どのように日本の国益を実現できるか、です。安倍内閣にそのような対応能力が欠けていることはすでに明らかです。日本の悲劇は、そのような無能内閣に代替できる政権を作れないことなんです」

矢吹氏「習近平は、日本では中国共産党内では弱いと見られがちだが、この認識は間違っています。習近平はこの2年、邪魔者を処分し、権力を集約し固めました。その一つが、周永康の処分です」

岩上「彼は江沢民派閥、つまり上海閥ですね」

岩上「胡錦濤は習近平に権力を移譲する時、丸裸になりました。軍の権力を全て移譲しましたね」

矢吹氏「だから習近平は思い切って軍のトップを処分できた。そして慎重に、石油会社に残る江沢民の子分を汚職で次々摘発していったのです」

矢吹氏「国内の権力を掌握した習近平は、世界のグローバルリーダーになれるのでしょうか?」

矢吹氏「それは分かりませんね」

岩上「日本で中国嫌いの人が心待ちにしているのが、中国の分裂です。その可能性は?」

矢吹氏「それはありえません」

矢吹氏「日本人は、中国人の認識を全然分かっていない。中国では『格差があって当たり前』という意識がある。水は高い所から低い所へ落ちるが、人は低い所から高い所へ動く。所得格差があるからこそ、大きく動く。資本主義の勃興期のドラマです」

矢吹氏「だから格差があるのが問題ではなく、いかにその格差を埋めていくか、ということ。頑張れば冨を得ることができる、という希望を与えられるか。日本はもう豊になり過ぎた。中国は資本主義の過渡期。これから上がる、という需要があるのです」

岩上「中国はAPECとのパートナーシップを結んでいくと言っている。しかし南シナ海の問題がありますね」

矢吹氏「確かに南シナ海の問題はあります。しかし、ベトナムもフィリピンもAIIBに参加したでしょう。そこが重要なのです」

矢吹氏「中国は南シナ海の支配において、出遅れた、という感覚なのです。南沙諸島における実効支配の島の数は中国が7で、ベトナムが8、ベトナムが21です。台湾は1つ(台湾本島)ですが、水が出て一番良い島を取ったのです」

矢吹氏「次に、支配の権利については、中国、ベトナム、台湾が南沙全体、フィリピンが60島を主張しています」

岩上「つまり、どの国も『南沙は俺のものだ』と主張し合い、小競り合いを続けているわけですね。それはそれとして、経済的な連携はやろうと」

矢吹氏「外貨準備高で中国が日本を抜いた2006年、米国は何と言ったか。『Stakeholder』、中国に米国債を買い支えてもらうおうと。そして2009年には『Strategic Reassurance』中国が米国債を簡単に売らないようにする、と」

矢吹氏「そして前原氏が尖閣で日中に火をつけた時、米国は日米安保は『International Public Goods』(国際的な公共財)と言った。しかし同時に、中国軍のことも米国は『International Public Goods』と」

矢吹氏「これはどういうことか。中国軍は脅威であると同時に、世界中の災害派遣や紛争解決の駒として、米国と手を取り合って世界秩序をなしていこう、という米国の戦略があるのです。まさに米中デキレース。これをを指摘したのは恐らく私が日本で初めてです」

矢吹氏「この2~3年の間、中国と対立して日本は大きく国益を損なった。最初は『政冷経熱』でしたが、今は『政冷経冷』になってしまい、細いパイプでつながっているような状態。すべての交流事業がストップしてしまいました。やっと昨年少し動き出しましたが」

岩上「中国は上海を世界の金融センターにしようと…」

矢吹氏「できません。今は一部しか自由化されていませんから、信用がありません」

岩上「では何をしようとしているのでしょうか?」

矢吹氏「かつて中国とインドシナとなっていたような物々交換ですね」

.矢吹氏「中国とアジアの国々で、決済を必ずしもドルでしなくても良いわけです。互いがレードで納得していれば。次第にドルの範囲が狭まっていくのでしょう」

岩上「グリーンスパンが『ドルは紙くず同然とみなされる可能性があるよ』ということを警告しました」

岩上「そしてグリーンスパンは金(ゴールド)が重要だと。気づけばプーチンは金を55トン保有しています」

矢吹氏「いくら金を集めても、今のグローバルマネーの裏付けにはなりません」

矢吹氏「博打場の胴元というのは秩序を保とうとします。経済的に疲弊したところは、軍事的に秩序を取り戻そうとするでしょう」

岩上「まさに米国にはネオコンが生き残っており、ヌーランドがウクライナに介入している」

矢吹氏「しかし、これはうまくいきません」

岩上「借金しまくっている米国が、2008年の軍事費では世界の半分を占める」

矢吹氏「これが米国の基軸通貨体制を支えているのです。博打場では、胴元は最後は拳で不満を抑え込みますから」

岩上「2010年のPewのデータ。『自国の経済状況をどうみるか?』は日本が『悪い』と思う人が88%で世界一。自国政府の経済運営能力も、日本が『悪い』84%で、ともに世界一。中国はどちらも『良い』が世界一」

矢吹氏「世界一夢も希望もない国です」

矢吹氏「日本は世界一自国を卑下している。その不満と鬱屈を、中国へ向けて、中国の方が悪い、などと言っている。歪んでしまっている。一人当たりGDPで中国は2020年頃に日本を抜く。そして台湾にはすでに抜かれている。韓国にはもうすぐ抜かれます」

矢吹氏「私は共産党の一党独裁には反対。一党独裁があるから汚職が無くならない。問題もたくさんある。しかし政府のガバナンスはかなり機能している。その結果が今回のAIIBの動きです。習近平も自国の腐敗を『これじゃいかん!』と大掃除を進めています」

矢吹氏「t中朝関係については、北朝鮮の核問題などで今は断絶状態です。今後は暴発しない程度に適当に付き合うでしょう。米中が一致できればいつでも北朝鮮問題は解決できる。しかしお互い、駒として残しておきたいという思惑もあるのではないか」

岩上「オバマは中間選挙で負けて、ある種フリーハンドを得て、キューバ、イランと協調路線をとった」

矢吹氏「オバマは外交で点数上げるしかない。しかし北朝鮮は間に合いません。私はオバマがキューバとやった、というのを聞いて北朝鮮は諦めたんだと思いました」

矢吹氏「韓国は今中国と仲良くなっています。昔は韓国ははまず日本に来て、様子を見て北京に行っていた。しかし朴槿恵は北京には何度も行っているが日本にはまだ来ない。韓国は中国と近づくことで、経済面での保障を得て、対北朝鮮でも安全を保障されることになる」

矢吹氏「韓国にしてみれば、米国を後ろ盾にするより、中北朝鮮の背後にいる中国と手を結ぶ方が、自国の安全保障において得策と判断したのです」

実況終了。本インタビューの動画記事は後ほどIWJのHP(http://iwj.co.jp/ )にアップさ予定です。

 

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コメント
 
01. 2015年4月12日 23:33:54 : YxpFguEt7k
「中国は日本にAIIB副総裁のポストも用意して、破格の待遇で迎えた。それを日本が断った。」

もったいない…
米国に邪魔されたのかな(陰謀論ですが)?


02. 2015年4月12日 23:59:56 : wWTtX2dP9E
日本にとっては、ニクソンショックは2つある。(欧州にとっては1つ)
それは外交・国交のニクソンショックと、上で出てくる金融のニクソンショックの2つ。
どちらが上位なのか関係なしに、それぞれ重要な意味を持つショックなのだが、
今後ごっちゃにして語られる恐れあり。そして上の議論は既にそうなっている。

03. 五月晴郎 2015年4月13日 01:12:59 : ulZUCBWYQe7Lk : sn1I8eOXZM
>>1

国のことより、国の中に於ける自分たちの権勢を取ったのでは?
このことは歴史には記されました。


04. 五月晴郎 2015年4月13日 01:22:10 : ulZUCBWYQe7Lk : sn1I8eOXZM
>米中が一致できればいつでも北朝鮮問題は解決できる

韓国の朴政権は、この線で習政権、オバマ政権と息を合わせている。
オバマ政権と対外政策で対立する米国勢力(所謂戦争屋)の関係の深い安倍政権やその周囲は、↑なのでフジ産経などを使い朴政権へのネガキャンを日本国内でしているし、なぜネガキャンするかを韓国を含め関連各国は分かっている。


05. 2015年4月13日 02:30:01 : KzvqvqZdMU
なんか金儲けのことしか頭にないのだね、この伊吹とか岩上とか。
経済主義者の見本だね。

独裁制国家の中国が覇をとなえればどーなるか、ちった想像せにゃイカン。

クネちゃんは打倒しなければならん、大嘘のゆわゆる従軍慰安婦の像なんかおったてて日本誹謗を世界中でやっておる。自分の悪口言われたからゆーて産経の記者を
捕えて離さない。こんな無茶な政権があるか。歴史の捏造しまくり。
とんでもない政権だ。


[32削除理由]:削除人:アラシ

06. 2015年4月13日 10:44:34 : g9iOYulpsQ
物事は多面的に診て、左も右も見て、保留しながらウオッチする。

でも↓ こちらの方が正しいと私は思いますが。

https://www.youtube.com/watch?v=9QyNBVqAVvA


07. 2015年4月13日 10:50:55 : DCB6Hi4RSI
〖岩上安身のツイ録〗追い詰められた安倍政権がすがりつく、福沢諭吉の「文明と野蛮の戦争」

 今、IWJ特報のため、安川寿之輔名古屋大学名誉教授のインタビューのフルテキストに注を入れたり校正したりする作業を続けているのだが、改めて福沢諭吉の元祖ヘイトスピーチぶりに、本当にうんざりしている。日清戦争で中国人を敵視する風潮があったとはいえ、自分が発行する新聞にここまで書くか。

 福沢は自らが社主として発行し、主筆として社説を一面に連日書き、その中で、朝鮮人、台湾人、中国人を口汚く罵倒し、侵略戦争と植民地支配を煽りに煽っていた。


 たとえば、「支那人…奴隷となるも、銭さえ得れば敢えてはばかるところにあらず」。あるいは、「支那…腐敗の中に棲息するその有様は、溝にボウフラの浮沈するがごとき」。「チャンチャン…皆殺しにするは造作もなきこと」。

 これらは福沢諭吉が発行する「時事新報」(のちの産経新聞)で書き、あるいは自著で述べた言葉だ。

 日清戦争で台湾を割譲した日本だが、現地に住む台湾の住民にしたらたまったものではない。当然、独立と抵抗の運動が起きた。それに対して福沢は「殲滅」せよ、とジェノサイドを煽っている。

 「台湾の住民…烏合の草賊(うごうのそうぞく)…無知蒙昧(むちもうまい)の蛮民」「頑冥不霊(がんめいふれい)の彼らの性質にして…殲滅のほかに手段なし」。

 福沢の著書『時事小言』において「文明の中心となり他の魁(さきがけ)をなして西洋諸国にあたるものは、日本国民にあらずして誰ぞや。事情切迫に及ぶときは、無遠慮にその地面(アジア諸国の土地)を押領して、我が手をもって新築するも可なり」。他国に無遠慮に押し入り、その土地を奪え、と書いているのである。『学問のすすめ』ならぬ、『侵略のすすめ』、である。

 「日本政府のお師匠さま」を自称する明治期最大の知識人、福沢諭吉は、84年7月29日の論説「日清の戦争は文野の戦争なり」で「戦争の事実は…文明開化の進歩を謀(はか)るものとその進歩を妨げるものとの戦にして」と、日清戦争を「文明と野蛮の戦争」すなわち「文野の戦争」と位置づけた。

 「千の清兵は…これを皆殺しにするは憐れむべきがごとくなれども、世界の文明進歩のためにその妨害物を排除せんとするに、多少の殺風景を演ずるはとうていまぬがれざるの数≪運命≫なれば…その運命の拙きを、自ら諦むるのほかなかるべき」。

 以下は、『時事新報』の1894年8月8付け紙面に掲載されたイラストだ。一コマで、日清戦争の本質を示している。日本の軍人が、朝鮮の赤ん坊を抱き(朝鮮を保護=我がものとする)、清国人の頭に「文明」という弾丸を撃ち込む。風刺画ではない。

http://iwj.co.jp/wj/open/wp-content/uploads/2015/04/bummei.jpg
『時事新報』の1894年8月8付け紙面に掲載されたイラスト

 福沢諭吉の唱える「文明開化」とは、あるいは、福沢だけでなく、彼に代表される明治の時代精神が高唱する「文明開化」とは、中国人の頭に文明の弾丸を撃ち込んでやることなのだと、無学な大衆にも一コマでわからせるポンチ画である。繰り返すが、風刺画ではない。暴力的侵略を正当化するためのプロパガンダなのである。

記事目次
台湾の住民を「土人」呼ばわりし、兵民問わず殺せと煽る福沢
延々と繰り返される差別と殺戮のアジテーション
かつて蔑視の対象だった台湾・韓国・中国にGDPで抜かれる未来
追い詰められた日本は、現実が見えなくなっている?
米中は蜜月、勝算なし、展望なし 「原発を抱えたままの戦争突入」
戦場は日本本土 自衛隊と米軍の合同演習「ヤマサクラ」
メルケル首相の「警告」を馬鹿にする日本の大手マスコミ
台湾の住民を「土人」呼ばわりし、兵民問わず殺せと煽る福沢
 この殺戮と侵略の正当化のために、米国の開拓と先住民の殺戮、土地の収奪が持ち出される。

 「台湾の反民等は必死となりて抵抗を試みるよしなれども、たかの知れたる烏合の草賊…北米合州国並びに加那陀(カナダ)のごとき…その今日あるは祖先の白人種が土着の蛮民をその土地より駆逐して…」。

 「…自ら経営したる結果にほかならず」と、先住民の殺戮をあっさりと肯定し、そこに日本と台湾の関係を重ねる。

 「…無知蒙昧の蛮民をばとこごとく境外に追い払ふて殖産上一切の権力を日本人の手に握り、その全土をあげて断然日本化せしむることに方針を確定し…永遠の大利益を期せん」。

 1895年8月14日の「厳重に処分すべし」では、「台湾の処分については…全島の掃蕩を期し、土人のごときは眼中に認めず、一切の殖産興業を日本人の手に経営して大いに富源を開発すべし」と、台湾の住民を「土人」呼ばわりし、すべての経済的利益を手に入れよ、と煽る。

 そしてこう続く。

 「(英字新聞が)日本兵がまたも屠殺を行いたりなどと蝶々するよしなれども…意に介するに足らず。…我兵に抵抗するものは、兵民の区別を問はず、一人も残さず誅戮(ちゅうりく)し…掃蕩(そうとう)の功を全うすべし」。

 外国メディアに虐殺の残酷さを批判されようと兵民問わず殺せ、と説くのだ。

延々と繰り返される差別と殺戮のアジテーション
 福沢が台湾人を虐殺せよと、恐ろしい表現で呼びかけたのは一度、二度ではない。1896年1月8日の「台湾の騒動」では、抵抗する住民を殺し尽くし、土地を奪い尽くせと呼びかけている。「我に反抗する島民等は一人も残らず殲滅して醜類を尽くし…兵力をもって容赦なく掃蕩を行ひ…」

 「…葉を枯らし根を絶ちて一切の醜類(しゅうるい)を殲滅し、土地のごときはことごとくこれを没収して、全島あげて官有地となすの覚悟をもって大英断を行うべし」。

 もはや人類扱いではない。醜類、醜いものども、という蔑称。そして繰り返し殲滅、つまり皆殺しにせよと呼びかけるのだ。

 きりがないが、延々とこんな差別と殺戮のアジテーションが続き、実際に同時代に実行されてゆく。これが明治の時代精神の正体である。過去をどんなに美化してもしきれるものではないし、隠せるものでもない。その土民だの醜類だのと呼ばれた台湾人の一人当たりGDPは今や日本を上回る。

かつて蔑視の対象だった台湾・韓国・中国にGDPで抜かれる未来
 そして一昨日インタビューした矢吹晋・横浜市立大学名誉教授によれば、近々、韓国にも一人当たりGDPで日本は抜き去られるという。円安政策のため、日本のGDPが急激に縮小していることも手伝っているだろう。

・2015/04/10 勃興する中国経済のインパクト AIIB不参加で日本は世界の孤児に――現代の「シルクロード」に日本はどう対応すべきか?〜岩上安身による横浜市立大学名誉教授・矢吹晋氏インタビュー

 政府はこの期におよんでなお、過去の一連の戦争が侵略戦争でなかったかのような取り繕いをしようとジタバタしている。今年の8月に発表される予定の安倍談話において、過去の侵略を反省し謝罪した村山談話を引き継ぐのか、これを覆すのかが、争点になっているのだ。この期におよんでまだ、そんなレベルにある。

 道徳的劣位、負い目は、おおいがたい。さらに加えて、豊かさにおいても、かつて植民地にした国家、民族に抜かれるこの惨めさを、何と表現したものか。

 中国は、人口があまりに多すぎて、貧しい者を抱えているため一人当たりGDPでは日本にまだまだ追いつけないけれども、国全体のGDPでは日本をすでに抜き去り(2010年)、購買力平価では今年、米国をも抜き去った。2050年頃には日本のGDPの5倍近い規模に到達するだろうとも予測されている。(PwC調査レポート「2050年の世界」)

 文野の戦争? そんな理屈は、我々日本人自身のこれからの生存のためにも、今すぐ徹底的に批判し、破棄し、無効化すべきだ。

 経済的、軍事的に優位にあるものが、劣位にあるものから文明の名の下にいかようにでも奪っていいというロジックは、今後、旧植民地の後塵を拝していかざるをえない、これからの日本人のために残しておいていいはずがない。

追い詰められた日本は、現実が見えなくなっている?
 日米同盟は、すべての同盟がそうであるように、永遠の同盟ではない。空疎なプライドと、それゆえの孤立は、最後に頼るのは核しかない、という自滅的な思考へと導く。まるで北の将軍様の辿る道のようである。その先には思考上の自滅ではなく、リアルな自滅しかない。

 日本はあるゆる意味で危機を迎えている。政治的にも、経済的にも、しかしそれ以上に実存的にも。矢吹さんのインタビューの際に引用した国際的な世論調査(Pew Research Center )の結果、自国の経済状況を悪いと答えた国民が最も多いのが日本。「良い」と答えた人は数%しかいない。

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自国の現在の経済状況をどう見るか

 今後の見通しで、よくなると答えた人が数%しかなく、世界で最も未来を悲観しているのも日本。そして、自国の政府を無能だと思っている国民が世界一多いのも日本である。

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自国政府の経済運営能力の評価

 そこまでネガティヴに考えているなら、何としてもこの状態を変えなくては、と考えるはずだ。

 ところが、行き詰まった挙句、国民が選んでいるのが、過去の侵略の歴史の修正をはかり、閣議決定で憲法を変えてしまい、海岸線に原発をずらりと並べたまま、戦争準備に走ろうとする安倍政権なのである。その安倍総理は、所信表明演説の冒頭で、福沢諭吉を引用し、称揚した。

 わざわざ福沢諭吉の過去の言説を引っ張り出して白日のもとにさらし、検証し直しているのは、私が暇を持て余してのことではない。中国包囲網を築くべし、というセキュリティダイヤモンド構想論文を政権発足早々に発表し、福沢諭吉を所信表明演説で引用した安倍政権に危惧を抱いてのことである。

・〖岩上安身のツイ録〗破綻した「アジア基軸(Pivot to Asia)」と「セキュリティ・ダイヤモンド構想」 AIIB不参加で孤立を深め、それでも米国に追従する「政治哲学」なき安倍政権の愚

・〖IWJ特報!〗「ワイマール時代」の終幕? 孤立を深める日本 〜幻の安倍論文「セキュリティ・ダイヤモンド構想」のすべて

 そして、もっといえば、こんな安倍政権に期待をかけ、政権を支えてしまう日本人の国民全体の精神状態を真剣に心配してのことである。追い詰められ、行き詰まったあげく、過去にしろ現在にしろ未来にしろ、現実が見えなくなっているのではないか。大丈夫か?

米中は蜜月、勝算なし、展望なし 「原発を抱えたままの戦争突入」
 メルケル独首相が来日し、警告のシグナルを送ってくれた、それを日本への「友情」の証しと思わない、愚かそのものの記事が掲載される大新聞。現実を見ない自閉空間を作り出し、その中に閉じこもりながら隣国への敵意と悪意だけを募らせてゆく。何度も言うが、原発を抱えたまま、だ。

 「戦争は政治の延長である」と、『戦争論』で知られるクラウゼヴィッツは説いた。日本が中国と政治的な対立を深め、その政治的な対立がついには戦争という形にまでエスカレートした場合、日本に勝算のひとつもあるうるだろうか?
福沢の時代と現代がまったく違うのはその点だ。

 兵器の性能の比較だけして、中国との戦争に勝てると言い張る人たちの理屈がわからない。軍事的合理性などまったくない。戦争が始まったら、尖閣という無人島の海域だけで戦闘が限定されるという妄想はどこから来るのか?

 戦争が開始されたら戦域に限定などない。戦争は無人島争奪戦ゲームではない。また、当然ながら現代戦は空の戦いで始まる。射程の長いミサイルが飛来する。

 現代戦において、前線と後衛とを画然と分けることは難しい。米軍がお手本を日々示しているように、市街地への空爆は避けられない。原発への被弾も覚悟しなくてはならない。もし戦局が日本に有利に、つまり中国に不利に進めば、中国には最終的には核ミサイルが残っている。200発はある核にどう対抗する?

 将棋を始める前に「詰んでいる」ようなものである。頼みは米軍だ、という話になるだろうが、米軍は無人島のために自国の兵士の血を流すことはない。そもそも欧州が二度も大戦で戦火にまみれている時にも、米国は参戦にどれだけためらったか。なぜ、日本のために血を流してくれるのか。

 米国はタダで参戦したのではない。冷徹なまでに国益を計算し、欧州の同盟国からちゃんといただくものはいただいて、参戦したのだ。喧嘩で助っ人を頼んだらべら棒に高くつく。街場のヤクザ者の喧嘩ですらそうである。金が絡まない喧嘩などあり得ない。日本は、喧嘩の助っ人代を払えるのか?

 簡単に戦争を叫ぶバカどもは、喧嘩の助っ人代にカネがどれだけかかるか、というリアルを我が身で体験したことが一度でもあるのか?

 日本に提供できるものが、この先何がある? 戦争の兆しがチラついただけで米国から「だから俺たちが必要だろう?」と言われ、TPPに入れと脅され、すでに身ぐるみはがされようとしているのに。

 戦費や莫大な助っ人代を心配する前に、そもそも米国が日本側に立ってくれるという保証がどこにもない。借金まみれの米国を、米国債を買うことで買い支えてきたのは日本と中国である。日本は属国だから米国債を売ることはできない。しかし、中国は可能であり、米国は中国の機嫌を取らざるをえない。

 巨大な軍事力を持つ米国といえど、戦費がなければどうにもならない。中国が米国債を売り払えばお手上げである。カネがなければ、戦争は遂行できない。

戦場は日本本土 自衛隊と米軍の合同演習「ヤマサクラ」
 それでも、だ。万万が一、米国が日本側に立ち、なぜか戦費も調達され、海上封鎖されずにどういうわけか南シナ海も無事にタンカーが航行し、石油や液化天然ガスが運ばれ、エネルギー資源も枯渇せず、そこそこ長期に渡り日米同盟軍が中国と戦うことになったとする。その場合、戦場はどこになるのか?

 実は、戦場は、日本列島全域である。そう見立てられ、日本の自衛隊と米軍は作戦計画を立て、合同演習を行っている。それが「ヤマサクラ」である。米軍は絶対に自国を戦場にはしない。中国もである。

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ヤマサクラ「敵国」の予想進軍経路

・山本太郎 × 岩上安身 特定秘密会談(原発×戦争)×秘密=?!

・〖IWJブログ〗戦略なき戦争へと突き進む軍事国家・日本の真実〜岩上安身による軍事評論家・前田哲男氏インタビュー

・〖IWJブログ〗原発を抱えたまま戦争の準備を進める愚かしさ〜岩上安身による京都大学原子炉実験所・小出裕章氏インタビュー

 戦争には戦場が必要である。戦争の真の犠牲者は戦場にされた土地の住民である。日清、日露で、戦場になったのは主として朝鮮半島だった。満州事変以降、日本と中国は満州及び中国全土で戦った。米軍参戦以降、東南アジアと太平洋地域が戦場になり、最後に沖縄が地上戦の戦場となり、日本本土が米軍の焼夷弾で焼かれ、とどめに広島と長崎に原爆が投下された。

 最後の最後で、日本も戦禍を受けたが、明治以来、日本の侵略戦争で戦場となってきたのは、そのほとんどがアジア諸国の領土である。

 もし、本当に戦争になるとしたら、今度の戦争は、日本の領土内が戦場となる。死ぬのは日本の兵士だけではない。一般市民が巻き添えになり、莫大な犠牲を余儀なくされる。米国が日本側に立って参戦しなければそもそも戦争として成立しないし、成立した場合は米中の代理戦争である。

 米中の代理戦争の戦場にされてしまったら、米中の間で太平洋の覇権をめぐってなんらかの決着を見るまで、戦争は続く。福沢諭吉が、自国の都合で、戦場にした土地の住民の生命や財産や人権など一顧だにしなかったように、同様の事態が起きうることを覚悟しなくてはならない。

 それが次に予定されている戦争の姿だ。そういう戦争がしたいのか?

 賢明なる反中諸氏が主張しているように、中国が本当に冷酷で残酷なら、きっと福沢諭吉が唱え、日本軍が実行した残酷さとは比べものにならない残酷な仕打ちをするだろう。「兵民の区別なく誅戮や殲滅」を行うことだろう。そうした戦争は、可能な限り、外交的手段で回避しようとするのが賢明である、と思わないのだろうか?

メルケル首相の「警告」を馬鹿にする日本の大手マスコミ
 もう一度言うが、戦争は政治の延長である。政治は世論を味方にすることなく、勝ちを収めることはできない。国際社会であっても、同じことだ。孤立すれば、孤立した方が圧倒的に不利であり、大概敗北を喫する。

 とすれば、AIIBの一件で示された国際社会の声に耳を傾けるべきであろう。中国の「この指止まれ」という声に、日米二カ国を除いて主要な国々が中国に傾いた、この結果を真剣に受け止めるべきだ。日米に、他の国々の気持ちを引き止めるだけの魅力が薄れてきている。経済力、政治力も。

 AIIBの一件は、尖閣問題など、戦争に直結するような問題とは別カテゴリーの話で、一緒くたに論ずべきではない、という主張もありうるだろう。

 だが、パワーという概念には、国際社会で同意者をどれだけ集められるかというソフトパワーも当然ながら含まれる。軍事力を含めたハードパワーとは不可分だ。戦争はある日を境に突然始まるのではない。日常の延長線上にある。拳を交える前に大方決着がついているのがリアルな喧嘩だ。

 勝ち目がない時、大義もない時、多くの場合、友人から喧嘩の前に肩を叩かれる。やめとけよ、と。実際、やめとけよ、と損を覚悟で忠告してくれたのが先述したメルケル独首相であり、ドイツの特派員らである。同じ第二次大戦の敗戦国として見ちゃいられない、という思いがあったのだと思う。

 その「友情」に対して、メルケルはロボット以外に「友情」を示さなかったと世紀のアホ記事を載せた日経は、日本にとっての友情とは何か、もう理解できなくなっているのだろう。米国の戦闘的な戦略シンクタンク・CSISとズブズブの日経というダメ新聞だからという点ももちろんある。

・メルケル独首相が訪日で犯した3つの過ち(2015/3/19 日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84476720X10C15A3I00000/

 しかし、問題なのは日経だけがおかしいのではなくて、日本のマスメディアの大概がおかしくなっているという点である。官邸からのマスメディアへの日常的な圧力は、古賀茂明氏降板事件で明らかになった。もう主要メディアどこも、官邸に頭を下げっぱなしである。

・〖速報〗「報道ステーション」終了直後の古賀茂明氏に岩上安身が緊急直撃インタビュー!降板の内幕を衝撃暴露

・2015/04/02 渦中の人が「報道ステーション」降板の全真相を激白! 「I am not ABE」発言の真意――そして、官邸からの圧力の実態とは?〜岩上安身による元経産官僚・古賀茂明氏インタビュー

 話はぐるっと一巡りした。

 福沢諭吉を所信表明で引用していたのが、安倍政権であり、政権内部では福沢イズムをどう取り入れ直し復活させるか考えているわけで、この話はぐるぐる巡ってきて徹夜した私のあたまもぐるぐる巡ってきたから、ここらで、転進!退却じゃなくて転進!します。

 眠い。。でもみなさん、本当に福沢諭吉についての安川寿之輔先生のインタビューを.IWJ特報を、読んでね!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242473



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