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これではAIIB参加問題で日本は中国に勝てないはずだ
http://www.amakiblog.com/archives/2015/04/12/#003230
2015年04月12日 天木直人のブログ
AIIB参加問題は、創設メンバー期限の3月31日が過ぎたから終わったのではない。
それどころか、これからますます中国と日本の真剣勝負の場になっていく。
しかし、日本は中国に勝てない。
いや、そもそも中国は日本とこの問題で協力したいと思っているのに、日本が一方的に先輩風を吹かして愚かな一人相撲をしているのだ。
それを、きょう4月12日の朝日新聞の吉岡桂子編集委員が「波聞風問」というコラムで見事に言い当てている。
すなわち、その要旨はこうだ。
アジアインフラ投資銀行の初代の総裁と目される金立群という人物は、中国・財務省で次官まで務めた国際派金融官僚であるという。
1949年生まれの65歳の金氏は、文革が終って復活した大学入試で北京外国語大学に入り、30歳近くになって英文学を学び始めたという。
ボストン大学に留学し、流ちょうな英語をあやつるだけではなく、理路整然とした能弁ぶりは米国の金融関係者も「あいまいさがなく、理解しやすい」と評価が高いという。
入省後、最初の仕事がワシントンの世界銀行であり、90年代にも世銀を担当したという。
2003年にはアジア開発銀行(ADB)で韓国から副総裁ポストを奪取した、その本人であるという。
その金氏が、去年5月のADB総会で、お互い財務省時代から知り合いの渡辺博史・国際協力銀行総裁をみつけて近寄り、「日本にもAIIDに是非参加してほしい」と三顧の礼を持って迎えていたという。
「ADBや世銀との役割と重複をどう考えるのか」と問うた渡辺に対し、「中国はG20の一員であり、私はADBで副総裁を務めた。きちんとした銀行にします」と答えたという。
金氏は、その前に、既に北京の日本大使館に木寺昌人大使を訪ね、昨年の6月には、東京で古沢満宏財務官にも会って説明をしているという。
中国は一年以上前から誠心誠意を持って日本の説得につとめていたのだ。
日本の官僚たちはそれを聞き流し、今ごろになって慌てて議論を始めている。
私は金立群という人物を知らないが、ここに書かれていることから判断すると国際的評価の高い有能な人物だ。
私は古沢という財務官は若すぎて刷らないが、木寺は後輩で知っているし、渡辺は同世代の大蔵官僚であり、知っている。
金氏と比べれば、その能力や仕事に取り組む姿勢は、足元にも及ばない。
英語力においては言うに及ばすだ。
官僚という特権階級にあぐらをかいている。
これを要するに国際金融に取り組む基本姿勢と真剣さが中国と日本では、まるで違うのだ。
AIID参加問題で、日本はどう考えても中国に勝てない。
親方日の丸の日本官僚が主導する日本と、世界の大国を目指す中国の官僚の気迫の違いだ。
日本の政治家も官僚も、いたずらに中国を嫌ったり、対米従属にうつつを抜かしているのではなく、謙虚になって日本国民のために何が国益かを、真面目に考えるべきであるということだ(了)
◇
(波聞風問)アジア投資銀と日本、空白の1年 吉岡桂子
2015年4月12日02時44分 朝日新聞
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/137.html#c1
北京・天安門広場の西に広がる金融街と呼ばれる地区。ここで、中国が創設を主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部とされる建物の工事が進む。年内の開業に向けて、白髪でふっくらとした顔立ちの男性が世界を飛び回っている。
中国・財務省で次官まで務めた国際派金融官僚、金立群(チンリーチュン)氏。新銀行の臨時事務局長で、初代総裁と目される人物だ。
金氏は、1949年生まれの65歳。文化大革命の混乱で、青春期の約10年を農村で過ごした。文革が終わって復活した大学入試で北京外国語大学に入り、30歳近くになって英文学を学び始めた。その後、米ボストン大学にも留学し、流暢(りゅうちょう)な英語を操る。理路整然とした能弁ぶりは、米国の金融関係者の間で「あいまいさがなく、理解しやすい」と受け止められている。
国際機関とは縁が深い。入省後、最初の仕事がワシントンの世界銀行。90年代にも大口の借り手として世銀を担当した。03年にはアジア開発銀行(ADB)で、中国が韓国からポストを奪取して、初めて送り込んだ副総裁に就いた。中国が国際金融の舞台でも、高いポストを強く求め始めたころである。
その金氏が先進国に対して、AIIBの勧誘に積極的に動き出したのは昨春のことだった。
「日本にもAIIBにぜひ入ってほしい」
14年5月、中央アジアのカザフスタン・アスタナで開かれたADB総会の会議場。金氏は、お互い財務省時代から知り合いの渡辺博史・国際協力銀行(JBIC)総裁の姿を見つけ、話しかけてきた。「ADBや世界銀行との役割の重複をどう考えるのか」。問い返した渡辺氏に「中国はG20の一員であり、私はADBでは副総裁を務めた。きちんとした銀行にします」と説明したという。金氏は、そのしばらく前に北京の日本大使館に木寺昌人大使を訪ね、6月には東京で古沢満宏財務官(当時)にも会っている。
日本ではAIIBについて、英国の加盟表明をきっかけに、国会などで参加の功罪を問う議論がようやく始まった。1年あまり前からの両国の接触を、生かし切れていたのか。
自民党のある中堅議員は言う。「中国の銀行に先進国は参加しないという希望的観測にもとづいて情報を集め、対中強硬を好む官邸の意向を忖度(そんたく)して、議論を避ける空気があった」
アジア・太平洋から欧州、中東まで50を超える国と地域を集めてAIIBは、日本が入ろうが入るまいが、できる。中国は想定以上の大所帯の運営に、金氏のみならず、習近平(シーチンピン)外交そのものが試される。そして、日本は「議論空白」の一年を問い直すことから次の一手が始まる。
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